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轍 わだち

人生において、私は記憶喪失を願った。

それは自分が歩んできた道そのものを消して、新たな道を歩もうとしたからだ。

歩んだ道は谷があり、山があり、凸凹でとても不恰好だった。

周りの人間が真っ直ぐ歩いているのを見て、それを羨望の眼差しで見ていたからだ。

だから、こんな不恰好な道を歩くのはきっと自分の生き方が下手くそな証拠であり、平均的な人間ではないことの証明だと思った。

でも、それでいい。

普通であるというのは容易いことではないにしろ、印象を酷く薄くしてしまうような行為だ。

あの人はこういう道を歩いていた気がする………みたいな。

そんな不確かなイメージばかりが先行することになるだろう。

それに比べて、私の不恰好な道は大変印象に残るだろう。

興味を惹かれるものでは決してないと思うが、それでも人に覚えられるという点では、無駄にはならなかったのだ。

そして、真っ直ぐに歩んできた人。

あなたの歩む道もまた険しいのだろう。

まっすぐ歩き続けるというのは、不恰好になるよりも難しいことだ。

道というのは、波も風も立つのだから、それに流されずに歩んできたというわけだ。

私も、あなたも。

過去の道の先に、未来の道の前に。

轍の中に私たちはいる


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