其の八十一…『昼休み怪談部事始め:『変わり始める金沢』と『人形にまつわる話『その2前編』』
『今回』の話は『其の八十』に続き『黒百合丘学園』の『怪しい生徒』である『及川さん』と、『そのまんま怪しい大人』である『鳴神さん』が話してくれた『人形にまつわる話』の『二つ目』である。今回の語り部は『鳴神さん』だ。
「…………先ほど『及川さん』が『黒百合丘学園が『やばい方向』に『変わり始めている』』とおっしゃられてましたが、その『変化』はなにも『学園内部』に限った話ではありません。この『金沢』自体が『変化』してるんですよ………もちろん『北陸新幹線』は関係ないですよ?」と『鳴神さん』
「その『変化』ってあれですか? なんか最近『四国の大妖怪』が『北陸』に進出してるって話です??」と『私』
この話は少し前に『本物の霊能者:氷室麗華さん』から聞いたことなのだが、『空海和尚』の時代から『四国』の妖怪及び『四国の政財界』を支配する『大狸一族』たちが『北陸地方』に『拠点』を築こうとしているという話だった。なんだか突然の『ファンタジーな話』に『昼休み怪談部』は戸惑っているわけだが、『及川さん』が言う。
「そうそう、『香川の太三郎狸』を『切り込み隊長』に『四国四大狸』たちが『北陸三県』に自分たちの『勢力圏』を築こうとしてるみたいなんだよね~! そのせいでただでさえ忙しい『堰守衆』が皿に忙しくなってるみたいだよ~!(なぜか嬉しそう)」
「なんか『話』がよく見えないんですけど………そもそもなんで『四国の大妖怪』が『北陸地方』に『攻めて』来ようとしてるんですか?? それが『四国の化け狸』たちになんの『得』があるんです??」と『ユズハさん』
『客人二人』は『悪い顔』になって、
「そんなの『新しい商売』のために決まってるじゃんか~♪ もともと『四国以外の土地』では『化け狐』の方が『化け狸』より『数が多い』んだよね。だから『化け狸』たちは昔から『組織』を作って結束して『化け狐』が『四国の土地』に入ってこれないようにしてたんだよ。でも『守るだけ』だと『じり貧』だから『歴史上』なんども『攻め』に転じてるんだよ。『現代』がちょうどその『攻めの時期』ってわけ」と『及川さん』
「そして実は『北陸地方』は『日本唯一の退魔師組織:堰守衆』が『本拠地』にしています。なので『化け狐』の数が減ってまして、『化け狸』からみると『ライバルの少ないフロンティア』なんですよね。だから狙ってきてるんだと思いますよ」と『鳴神さん』
「ますます『ラノベ』みたいな話ですね………(困惑気味)…………でも『堰守衆』がいるので『化け狸』たちもここでは好き勝手できないのでは?」と『私』
「『フロンティア』とえいば『アメリカ西部』が代表例ですが、ここにも『原住民』は暮らしてまして『ヨーロッパ人入植者』に『武力で抵抗』してるんですよね。それでも『ヨーロッパ人』の方が『数で圧倒』していたこともあり最終的には全て『征服』されてしまっています。つまりそれと同じですよ」と『鳴神さん』
「いやいきなり『関係ない歴史』の話をされてもわけわかんないですけど(汗)」と『ユズハさん』
「つまり『化け狸』たちは『堰守衆には勝てるから問題ない』と思ってるってこと☆ 実際『数』の面では『化け狸』が有利だろうし、そもそも『怪異』と『退魔師』は『怪異側』が『圧倒的優位』だからね~。まあでも『油断はしない』ってことで『堰守衆の出方を探りながら』て感じなんだろけどね。すでに『暗闘』は始まってるってわけ」と『及川さん』
「なんか全然現実味が湧かない話ですね…………あ、でもそういえば最近『僕』も『金沢の街中』で『野生の狸』が歩いてるのみましたよ。『東京』にいるって話は聞いてましたけどついに『金沢』にも降りて来てるんだなぁって(呑気)」と『私』
「それですよそれ。『化け狸』の勢力が根付いてる町では『野生の狸』が増えるんですよ。連中の『マーキング』みたいなものですね。あ、もちろんその『野生の狸』が『化け狸』ではないですからね? あいつらが『人間の目の前で正体をさらす』なんて『バカ』は絶対にしないので」と『鳴神さん』
「はぁ、そうなんですか………じゃあ『化け狐』はそれに対してなにをしてるんですか??」と『ユズハさん』
「『化け狐』は『狸』と違って長い間『組織化』されてませんでした。『数が多すぎる』ゆえにまとまりがなく、『狐単体』が好き勝手気ままに生きてた感じですね。古来から『狐は狸より『化かしがうまい』』とされているのでそれでよかったらしいですが、『長い年月に及ぶ戦い』で徐々に『化け狐』たちも『数』を減らし始めて『狸に対する有利』が崩れ始めています………ですから最近は『化け狐の組織』が出現して『殺生石の密売』で利益を上げているという話も………まあ『裏社会』の話なのでよくわかってませんがね。『堰守衆』もまだまだ実態を解明できていないそうです」と『鳴神さん』
『妖怪が作る組織』……これは以前『氷室さん』が言っていた『怪異のトクリュウ』……のことでは『無い』らしい。どちらかというと『稲生物怪録』の『魔王山本五郎左エ門』的なやつだとか。
「それっぽい話も『氷室さん』から聞きましたが………その『化け狐の組織』も『金沢』で『狸』相手に戦ってると?」と『私』
「別に『北陸』に限りませんよ。『狐と狸の争い』は『日本全国』で行われてます。ただ『北陸』の場合は『堰守衆』がいるので『三つ巴』になってるというだけですね」と『鳴神さん』
「なんで『堰守衆』は『北陸』にいるの? 他の地域には『退魔師の組織』って存在しないんですか?」と『ユズハさん』
「昔は居たけど『堰守衆』以外は全部『消滅』しちゃったんだよ。ちなみに『堰守衆』だけが残ったのも『ただの偶然』だね。まあ『堰守衆』もこのままだと遅かれ早かれ『消滅』するだろけどね。『退魔師』の『戦死』が多すぎて今のペースだと『10年後』には消えてるってさ」と『及川さん』
「「そ、そうなんですか…………大変ですね…………(他人事)」」と『私&ユズハさん』
なんだかにわかに『壮大な話』だが、当然ながら『昼休み怪談部』には全く『実感』はなかった。そして『ユズハさん』が言う。
「あの~、『堰守衆が大変』って話はわかりましたけど、そろそろ『鳴神さん』話してくれませんか?? 確か『人形にまつわる話』でしたよね?」
「おやおや、『金沢で妖怪大戦争が起こる可能性大』って話は『昼休み怪談部』にも大いに関係があるというのに…………まあ『実感がわかない』なら仕方ないですね。いいでしょう、では不肖この『鳴神・フランシスコ・陶冶』が『人形怪談』をお話しましょう……」と『鳴神さん』
これは『少し前』に『怪奇探偵』である『鳴神さん』の『お客さん』だった『村上』という『男子大学生』の話だそうだ。彼はもともと『山陰地方』出身で『金沢の大学』に通うためにこっちで『マンション』を借りていた。
その『マンション』にある日『日本人形』が届けられたらしい。
「…………はぁ? 『日本人形』?? なんで? いったい誰が俺に??」と『村上さん』
彼が『荷物の送り主』をを確認すると、『伝票』には『どこまでもどこまでも追いかけてやる 様』と書かれていた。ちなみに『村上さん』は『宅配ボックス』を設置していたので『受け取り拒否』もできなかったそうだ。
「えぇ…………これって『悪戯』っていうか『詐欺』なんじゃないか?? 『荷物を送りつけてから後で高額の料金を請求してくる詐欺』って聞いたことあるぞ…………」と『村上さん』
一応『荷物』を家の中に入れ、『実家』に電話して『詐欺の対処法』を確認しようとする。すると『箱』の内部から『ガサゴソ』と動き回るような音が聞こえたという。
「…………え? もしかしてネズミとか入ってる??」
『村上さん』は急な『好奇心』を抑えることができず、『開封したら料金払わなきゃいけないとかないよな?』と思いつつ中身を確かめてみると…………そこには『伝票』に書かれてた通り『日本人形』が入っていたそうだ。それ以外は何もなく、『ガサゴソ』が何の発した音かわからなかった。
「…………俺は『心霊現象』とか信じねーんだよな…………(独り言)」と『村上さん』
その日の夜『村上さん』は『日本人形』を机の上に置いてから寝たのだが、『夜中』になると『誰か』が話しかけてくるという『夢』を見たらしい。『あなたの名前は?』とか『学生なの?』とか他愛もないことを聞いてくるので『夢うつつ』の状態で適当に答えていたらしい。そして気づいたら『朝』になっていた。
「…………なんか『肩』が痛いな…………寝違えたか??」と『村上さん』
そしてその日の夜にまたも『宅配ボックス』に『新しい人形』が届いていたそうだ。今度は『西洋人形』と書かれていた。
「…………昨日と同じ『送り主』だ…………でも『請求』は来てないよな…………?」と『村上さん』
その次の日にも『人形』が届き、さらにその次の日にも『人形』が『宅配ボックス』の中に入れられていた。そんな状態が『2週間』も続くと『部屋の中』が『人形が入った箱』だらけになり、しかも『夜』になると『箱』が一斉に『騒ぐ』のですべての『人形』を『出してあげた』そうだ。すると『騒ぐ』ことは無くなったのだが、今度は『夜』になると『お喋り』をするのでかなりうるさかったらしい。
(…………めっちゃしゃべるな…………そういえば全員『女の子』だな…………女の子はお喋り好きなもんか…………?)と『村上さん』
その次の日にもやっぱり『人形』が届いた。『寝てる時うるさい』のと『そろそろ置く場所がなくなってきた』ので困った『村上さん』は『家族』が冗談交じりに言った『お祓いしてもらったら?』を真に受けて『除霊の専門家』を『ネット』で探し始めたらしい。
「…………あ、一応出てくるな…………『お祓い専門の神社』なんてあるんだ…………え~、でも遠いなぁ…………それに『詐欺』だったら嫌だしなぁ…………」と『村上さん』
するとそこに『二人の訪問者』が現れ、しかもどっちも『私とユズハさんが知ってる人たち』だった。
「こんにちは~! 『怪異探偵』の『鳴神』ともうします~!」と『鳴神さん』
「ども! 『退魔師』の『吉田ノア』っす! 『怪異』を追跡してたらここにきたっす! ちょっと『除霊』させてもらっていいっすか!? あんたを野放しにすると『このマンション』が『事故物件』になってしまうかもしれないんで!」と『ノア君』
『ノア君』は『氷室さんの愛弟子』である『ハーフの男の子』で『堰守衆の若手ホープ』として頑張ってるらしい。もちろん『村上さん』は怪しんで、
「いや、誰なんすかあんたら…………『怪異探偵』??『除霊師』?? 『詐欺師』はお断りなんでさっさと帰ってください…………(ドアを閉めようとする)」と『村上さん』
「ちょっと待って! あんたの家に毎日『人形』が届くっすよね!? しかもなんか『夜中』に『動いたり喋ったりする人形』らしいじゃないすか!? 『キモく』ないっすか!? 俺が『お祓い』にきたんすよ!」と『ノアさん』
「え、わかるんですか??」
「そりゃあもちろんっすよ。『堰守衆』を舐めちゃ困りますよ(ドヤァ)」
と言っても彼は『霊感』で分かったのではなく、『怪しい人形の追跡調査』をしていたからというだけだったらしいが(笑)。そして『村上さん』は今度は『鳴神さん』を見て、
「…………そんで? あんたも『自称退魔師』??」
「いえいえ、私は『怪異探偵』、つまり『怪異の正体や呪いの出所を突き止めることを生業している探偵業』なんです。今回は『村上さん』のところに『人形』が毎日届くという『奇妙な現象』が起こっていると聞きまして、その『調査報告』をあなたに伝えに来たんですよ!」と『鳴神さん』
『私』が前に聞いた時『鳴神さん』は『怪奇探偵』だと言ってた記憶が…………(『意味は同じでしょ』by鳴神さん)…………(適当だなぁ)…………『村上さん』は最初は『なんだ霊能者が二人来たのか…』とつぶやいたがすぐに『鳴神さん』をじろじろ眺めて、
「…………あんたは『お祓い』しにきたんじゃないのか??」と『村上さん』
「『探偵』が『お祓い』なんてできると思います?? あくまで『正体を突き止めるだけ』ですよ(真顔)」と『鳴神さん』
「なんで『開き直って』るんだよ知らねーよ!! つーか『お祓い』しないんだったらなんで来たんだよ!? 別に『正体』とかどうでもいいわ! これ以上『人形』が送られてきたら『置き場所』が無くて困るんだよ! もう二度と送られてこないようにしてくれよ! …………おい! あんたはできるんだろ『お祓い』!? さっさとやってくれよ!!」と『村上さん』
「あの、『お祓い』はまあ確かにするっすけど…………『代金』とか気にならないんすか??」と『ノアさん』
「え『代金』とるのかよ!? …………まあ助けてくれるんなら仕方ねーか(納得)。いくらなんだ?? つーか『キャッシュレス』対応してる?」と『村上さん』
「あ、いや、『無料』でやるっすよ。あくまで『人助け』なんで………」
「無料かよ!? ありがとうな! でもだったらいちいち『代金』とかいうなうよ紛らわしいだろうが!」
「いや、確かに『無料』なんすけど、それを『さも当然』みたいな態度とられると嫌じゃないっすか………ちょっと微妙な『ボランティアの本音』ってやつっすよ」
「それは確かにそうだな! 悪かった! だったら『お茶と菓子』あるから食ってけよ! 『ビッグカツ』と『ほうじ茶』でいいか!?」
『村上さん』はどうやら『ガハハハ系』の人だったらしく『ノアさん』の背中を『バシバシ』叩きながら部屋の中に入っていこうとした。そしてその『部屋の中』を『鳴神さん』が後ろからのぞき込むと、中には『真っ黒な『水あめ』が上に伸びあがってるようなもの』が『複数』存在して『ペチャクチャ』とおしゃべりしていたらしい。
「…………『ノアさん』、あなたは『見えてます』か?」と『鳴神さん』
すると『ノアさん』が振り返って、
「…………『堰守衆』には『霊能者』はいないっすよ。でも『退魔術』の『エキスパート』なんで何も問題はないっすね」
ちょっと長くなったので次回に続く。




