其の八十…『昼休み怪談部事始め:『変わり始める学園』と『人形にまつわる話『その1』』
これは『ある日』の『昼休み怪談部の部室』での『会話』だ。その日の『昼休み』は最近よく見かけるようになった『鳴神・フランシスコ・陶冶さん』と『及川桜さん』が訪ねてきてこんな話をしはじめた。
「最近『黒百合丘学園』がやばくない?(高温)」と『及川さん』
「『化け物の巣窟』になりかけてますよぶっちゃけ。いったい何人の『無辜の生徒』が『怪異』の餌食になってるんでしょうね? 想像しただけで『ぞっと』しないですよ(高音)」と『鳴神さん』
ちなみにこの時『及川さん』は『全身から湯気』が立ち上っていて暑そうで、『鳴神さん』の方は異様に『甲高い声』だった。なので『ユズハさん』が戸惑って、
「『部室』に入ってきていきなり何の話です?? ていうか『話』以前にまず『あなた達』がどうしたんですか? なんか『普通』じゃないですけど??」
「私たちが『普通じゃない』のは最初からわかってたことじゃん?? 『鳴神』はさっき『ヘリウムガス』を吸ったから声が高くなってるだけだよ」と『及川さん』
「寒い時に汗かくと『湯気』になる現象知りません?」と『鳴神さん』
「今日は全然寒くないしどこで『ヘリウムガス』手に入れたんですか…………(困惑)…………まあいいんですけど、最初の『この学校が化け物の巣窟』って何の話です??」と『私』
『鳴神さんと及川さん』は『お客さん用』の椅子に座って、
「気づいていないんですか? 『石田修一君』が『果心居士』に『殺された』あげく『入れ替わられて』しまってますし、『斎藤君』は『彼岸の世界』に近づきすぎて『発狂』してますし、『姫川君』は産まれた時から『家族ともども悪魔のおもちゃ』はいわずもがな、最近だと『米原さん』が『食人族』に『堕ちた』り、『塩尻さんと倉橋さん』が『祟られやすい体質』になったりしてるんですよね~…………本当に気づいてないんですか??」と『鳴神さん』
ちなみにこの時『部室』にいたのは『二人の客人』以外だと『私』こと『やっくん』と『ユズハさん』だけである。『私たち』は顔を見合わせて、
「えーと、なんていうか、まあ『なんとなくそんな気はしてた』って感じですけど…………」と『ユズハさん』
「だからと言って自分たちに『できること』は何もないわけでして…………一応『氷室さん』には相談してるので、『対応待ち』って感じです…………」と『私』
「呑気だね~! 普通は『転校』でもなんでもして逃げ出すもんじゃない?? だって『化け物の群れ』が『身の回り』にいるってのに」と『及川さん』
すると『ユズハさん』が即答した。
「…………それで逃げ出したら『昼休み怪談部』を作った意味がないじゃないですか」
とたんに『二人の客人』が嬉しそうに、
「いいねぇその言葉! やっぱり『高宮柚葉』はそうじゃないとね~!」と『及川さん』
「『もしかしたら自分たちが『怪談蒐集を始めた』せいで『友達』が『化け物』に『犠牲』になった可能性も排除できない』のに全くためらいないその『姿勢』が本当に『素敵』ですね~! でもそこが『あなたのいい所』ですよ『ユズハさん』!」と『鳴神さん』
この二人の『言葉の本当の意味』を『私』も『ユズハさん』も、『この時』はまだまだ『完全に理解できている』とは『言い難かった』。なので『言葉の端々』に『棘』を感じて、
「なんなんですかあなたたちは…………『失礼』じゃないですか?(不機嫌)…………『私』はあくまで『行方不明の妹』を見つけるための『ヒント』が欲しいだけですから」と『ユズハさん』
「ふふふ、怒りました? 『口さがない性格』なので勘弁してください☆ では『お詫び』としてま『怪談』を語らせてください。『人形』にまつわる話を『いくつか』持ってきたのでお話しますよ」と『鳴神さん』
「『怪談』! 良いよ良いよ赦してあげる~!(上機嫌)ささ、どうぞどうぞ座って! 『人形』なんて『怪談の王道』じゃんね! あ、『やっくん』お茶出してあげて~!」と『ユズハさん』
「あ、はい…………(いい意味でも悪い意味でも後に曳かないのが『ユズハさん』だなぁ)」と『私』
確かに『呪われた人形』とかは『怪談の王道』と言ってもいいかもしれない。『日本人形』は言わずもがな『西洋のビスクドール』なども『不気味さの演出装置』としてはこれ以上ないほど『うってつけ』だろう。だから『ユズハさん』などは『呪われた人形が出てくる怪談多すぎる上に『ワンパターン』で正直飽きてきちゃった~!』と以前ぼやいていたくらいである…………『ユズハさん』は本当に『人形の怪談』でよかったのだろうか??(素朴な疑問)
まあ、『上機嫌』になってるみたいなので『空気を読んで』おこう(汗)。そして実は『鳴神さん』と『及川さん』でそれぞれ『別々の怪談』を語ってくれたので、まずは『鳴神さんの怪談』の方から語っていきたいと思う。
「…………さっき『黒百合丘学園がどんどんやばくなっている』と言う話とちょっと『関係ある』かもしれないですね(ニヤニヤ)。今からお話するのは『黒百合丘学園の七不思議』に入るかもしれません…………いや、正確には『黒百合丘学園の敷地外』で起こってる『怪奇現象』なので『違う』ともいえますが…………」と『鳴神さん』
『黒百合丘学園』は『金沢の郊外』の『田んぼの中』に『ぽつん』と建っている学校である。いや、正確には『大通り』から伸びてる『ちょっと大きい道』の沿道にある。この『ちょっと大きい道』が『大通りから黒百合丘学園』までは『道の両側に民家やお店』があるのだが、『黒百合丘学園から向こう側』になると『田んぼ』が延々と続く、と言う立地なのである。ちなみに『黒百合丘学園』の裏側も『田んぼ』が広がっており、そこから『はるか南』の『白山連邦』の麓近くに『野々市南部』の『市街地』が見える。そして反対側は『国道八号(こっちも沿道は賑やか)』が通っている(大まかな説明)。
「…………『白山(松任)民』は『国道八号から向こう側は何もない田舎』って思ってるそうだけど、いずれは『八号と野々市南部の市街地』が『つながる』日が来るんですかね?」と『私』
「徐々に『市街地』が拡大してるのでいずれは『つながる』かもしれませんねぇ。実際『加賀産業道路沿い』はどんどん発展してますので。『北陸新幹線全線開通』に期待ですよ☆」と『鳴神さん』
「ちょっと男子~! 『地元発展トーク』は場違いだから控えてよね~!(笑)」と『ユズハさん』
そして、実は『黒百合丘学園』の『道路』をはさんだ『向こう側』には『市立運動公園』が存在し、『学園の体育の授業』でもよくつかわれている。なので『学園の生徒』の中には『市立運動公園』が『自分たちの学校の第二の運動場』だと勘違いしてる人も多いが、実態は『学園』が『市立運動公園』を『借りている』だけで『敷地内』ではない…………まあ生徒にはどっちでもいい話だが。
そして事の発端は『数年前』にさかのぼるそうだ。当時の『ある二年生の生徒』であった『本田先輩』が『真夜中』に偶然『市立運動公園』の前を『自転車』で通ると、『公園の中』が『煌々と照らされて』おり、なにやら『音楽』が聞こえてきたという。
『…………この『音楽』は…………『タイムレス』の『アンセム』では??』と『本田先輩』
彼は『ネトフリ』で『タイムレスプロジェクト』を見てから『男子生徒』だがすっかり『箱推し』になっていたそうだ…………ていうか『タイプロ』見てるなら『二年前』じゃんか(特定)。なので『一体誰がこんなところで踊ってるんだ?』と興味を惹かれて『公園』の中に入ったらしい。
すると『公園』の『ライト』の下で『のっぺらぼうのマネキン十数体』が『キレッキレ』の振り付けで『アンセム』を踊っていたらしい。『本家』さながらの動きで『疲れた表情』も見せず…………いやそもそも『顔』が無いのだが(汗)。もちろん『汗』もかかずに何度も『アンセム』をリピートして踊り続けていたそうだ。
『…………(真っ青)』と『本田先輩』
しかも『マネキンたち』は『本田先輩』に気づくと『手招き』し、『ジェスチャー』で『一緒に踊らないか?』と誘ってきたらしい。もちろん『本田先輩』は『丁重にお断り』しようとしたが、後ろを振り返るといつの間にか『マネキン』たちに回り込まれていたそうだ。
『…………(逃げ場なしかよ)…………そ、それじゃあお言葉に甘えて…………へへへ(汗)』と『本田先輩』
彼は『マネキンたち』に混ざって『ダンス』し始めた。ちなみに『本田先輩』は『ダンス未経験』なので最初は全く踊れなったのだが、できないと『マネキン』たちが『ビンタ』してくるので泣く泣く頑張ったらしい。なので『夜明け頃』にはなんとか『形』になってきたそうだが、
(ね、眠すぎる…………あ、意識が…………)と『本田先輩』
彼は結局『失神』してしまい、気が付くと『無人の公園』の地面に『大の字』で寝転がっていたらしい。勿論『マネキン』はどこにもおらず、それどころか偶然居合せた『犬の散歩中の近所の主婦』に『大丈夫なの!?』と心配されたが『あ、大丈夫っす』と適当に流して家に帰ったらしい。
その翌日には『本田先輩』は『黒百合丘学園』で『歴史上初めて』となる『ダンス部』を立ち上げたそうだ。そして彼が『部員』に語っていたことらしいが、『一人で部室に入る』と必ず『マネキンたち』が待ち構えていて、『気絶するまでダンス』を強要してくるようになったらしい。
『部室で一人になりたくないんだよ~! あの『マネキンたち』が現れるからさ~! 『あいつら』のために『ダンス部』を作ったのに『理不尽』だとおもわね~か~!?』と『本田先輩』
『は、はぁ?? 何言ってんすか先輩…………『ギャグ』なんすか? いっときますけど全然面白くないっすよ(困惑)』と『後輩』
もちろん『マネキンたち』のダンスは『タイムレス』に限らず、『ハナ』の時もあったし、『ニジウ』の時もあった。あるいはちょっと古いが『東宝新規』の時もあったし、『えーグループ』の場合もあったし、日本では知名度が低いが『NCT172』の時もあった。とりあえず『アイドル』なら何でもいいらしく、『本田先輩』は毎回『全く新しい振りつけ』を即興で叩き込まれるのでそれだけで『疲弊』していたらしい。
だがそうやって『踊りまくった』挙句『気絶』すると『解放』されることが分かったので、『本田先輩』はそのうち『ダンス中』にわざと『何かに頭をぶつけて気絶』するようになったそうだ。おかげで『頭』に『たんこぶ』はできたが『疲労』するまで『踊らされ続ける』ことは無くなったからだ。
『ははははは! やっと『回避方法』を見つけたぜ! これで『勝ち』だ! ざまぁみろ『マネキン』ども! もうお前らの思い通りになる俺じゃねーぜ! ははははは!』と『本田先輩』
そして数日後、『校舎の三階』にあった『ダンス部室』から『本田先輩』が『窓ガラス』を破って『飛び降り』、頭から『墜落』して『即死』したのだった。
「…………これが『黒百合丘学園ダンス部』にまつわる『都市伝説』ですね。ちなみに『他の部員』も『人外からダンスを強要される経験』をしているそうですが、『マネキン』ではなく『本田先輩』だったと話しているそうですね…………私の話はここまでです。次は『及川さん』どうぞ」
ここまで語って『鳴神さん』が話を締めたのだった。




