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其の百二十六…『恋愛について:『針刺し恋人形』の話・『中編』』

『今回』は『百二十五』の『続き』である。『石田』と言うか『果心居士』が『塩尻さん』と『友人たち』に『意中の相手と両思いになれる呪術』を紹介したのだが、『一人』を除く『全員』が『怪奇現象』に遭遇したので結局やめてしまったのはすでに語った通りである。



 だが『南さん』だけは『やめなかった』のである。そんな『彼女』について『塩尻さん』が『少しひきつった笑み』を浮かべながら色々と教えてくれた。



「…………『南』はなんていうか、ちょっと『ありきたり』だけど『性格』を一言でいうと『ヤンデレ』かなぁ? 今まで『20人』くらい『彼氏』がいたけど、私が知ってる限り全員『一か月』もたなかったんだよね~。『南』が『嫉妬深すぎ』てやたら『束縛』するせいなんだけどさw」と『塩尻さん』


「「に、『20人』…………!?」」と『私』&『姫川君』




『南さん』はどうやら『偏執的』なうえに『疑ぐり深い』性格だそうで、『恋人』ができると『クラスで他の女子が隣になった』だけでも『苛立ち』初め、『彼氏』に対して『隣の子のこと気になってるんでしょ!?』と『怒り』をぶつける癖があったらしい。『男女共学』でそれはあまりにも『無理ゲー』すぎるのだが、当の『南さん』が『席が隣になった』だけで『運命』を感じてしまうレベルの『惚れっぽい性格』なので『筋』は通っていたようである(なんじゃそりゃ)。




『私』も『ひきつり笑顔』になって、


「『席が隣になっただけで運命を感じる』って、それだと『席替え』のたびに『恋』してることになりますけど………?」


「そうそう、だから『南』はいつも『股かけ』してるわけよ。今も『4股』かけてるはずだし、一番調子よかったときは『6股』までいってたね~w マジでよくやるよあいつはw」と『塩尻さん』


「自分は『股かけ』してるのに『恋人』には『他の女を見ることすら許さない』のか??」と『姫川君』


「そ、『南』の話だと『プライドの問題』なんだってさ~、『私が『世の男たち』を裏切るのはいいけど、『世の男たち』が私を裏切るのは許さない』だとなんとか」



「どこの『曹操』ですか………(呆れ)」と『私』


「私は『彼氏』が一人いるだけでも面倒くさいのになんで『増やさない』といけないのかそれが『ワカラナイ』んだけどね(肩をすくめる)」と『塩尻さん』


「それは心底『共感』するな………(溜息)」と『姫川君』





 そんな『南さん』は当時『彼氏が3人』いる状態で『二年生の先輩』を狙っていたらしい。ちなみにその『先輩』の名前は『タクミ先輩』で、彼は『私の幼馴染』である『ナツメちゃん』に『ご執心』なことは『周知の事実』なのだが、『南さん』の耳にはその情報は『都合よく入っていなかった』らしい。



 なので『南さん』は『石田』に教えられたその日の夜に『人形』を作り、完成後すぐに『儀式』を行ったらしい。ちなみに『人形』は完成したとたんに『ぶるぶる』と振動し始め、『タクミ先輩』の声で『悲鳴』をあげたそうだが、『南さん』は気にしなかったとか。



『ぎゃあああああああ………』と『人形』


『…………え、これってもしかして『先輩の声』?? かわいい~(笑顔)。そういえば『先輩』が怖がってるところとか見たことないかも……『格好良くて男らしい人』の『弱ってる所』って『そそる』んだよね~』と『南さん』






 なので彼女は『ギャップのある先輩を絶対ゲットする!』と意気込んで『人形の首』を『落として』から地面に埋めたそうである。ここまで語って『塩尻さん』が『へっ』と『呆れた笑み』を浮かべて、



「ちなみにだけど『南』は過去に『彼氏の家』に『包丁』もって『凸った』ことが『三回』くらいあるよ。そのうち『二回』は『警察』に『補導』されてるね~。でもそのことを『武勇伝』みたいに語ってから『私って強い女でしょ?』とかいうやつだからマジで気をつけてね~、今後関わることがあったらね」と『塩尻さん』



「すでに『鬼』になってるんじゃないか?」と『姫川君』


「さすがにそれは『失礼』ですよ………(小声)」と『私』







 だが次の日『本物のタクミ先輩』に会っても『特段の変化』は全くなかったらしい。


『せんぱ~い! 今日こそ『私』のこと『好き』になったんじゃないですか~!? 『今日の私』は『昨日』より『可愛い』ですよ~!』と『南さん』


『お前は相変わらず飽きねーな(呆れ)。だから言ってんだろ俺には『心に決めた女』がいるって』と『タクミ先輩』



『…………はぁ? なにそれ?? 『石田』の話と全然違うじゃん!! あの糞馬鹿どういうことよ説明しろよ!!(激怒)』


『(ビクッ!)え? え?? いったいどうしたの急に………??(動揺)』




 なのですぐに『南さん』は『石田』を探して『学校中』を駆け回ったそうだ。だが『石田』は見つからず、彼女は『地団駄』を踏みながら『石田』が『呪術を教えてくれた時』に言っていた『言葉』を思い出したという。これは『其の百二十五』で『中略』されていた『石田のセリフ』である。




『………あ、それと『この術』を使う際に『一番大事なこと』を説明しておくぜ? それはずばり『気持ち』だぜ』と『石田』




『『『『…………『気持ち』????』』』』』と『塩尻さんたち』



『ああ、実は『呪術』を使う時に一番大事なのって『気持ち』なんだよな。例えば『丑の日参り』だってあれは『憎い相手を呪い殺したくて呪い殺したくて仕方ない』って『強い気持ち』で『藁人形』に『釘』を打ち込み続けるから実際に『呪える』んだ………まあ『丑の日参り』は本当のところは『相手を呪殺する方法』じゃなくて『自分を人食い鬼に変身させる方法』なんだけど(余談)………』と『石田』




『丑の日参り』でおそらく皆が真っ先に思い浮かべるのが『京都の貴船神社』に伝わる『宇治の橋姫』の逸話ではないだろうか。嫉妬深いある『貴族の娘』が『貴船神社』に『七日七夜』篭って『藁人形』を木に打ち付けながら『貴船明神』に『私を生きながら鬼に変えてください! 憎い女を獲り殺したいのです!』と願をかけた『伝説』である。


『ネット怪談』でも『丑の日参り』関連の話で『うっかり目撃してしまった人が術者に襲われる』と言う話は『定型』だが、本来の『丑の日参り』は『貴船大明神の力を借りて自分の手で相手を殺しに行く』ものなので、実は『術が成功しているからこそ襲ってきている』と言う解釈もできるとかなんとか(本当に余談)。




『………それと同じでこの『針刺し恋人形の呪法』も『相手を何としても自分に惚れさせたい、惚れてくれないのなら呪い殺して自分も死んでやる!』くらいの『滅茶苦茶強い気持ち』が伴って初めて『成功』するんだ。『生半可な気持ち』でやっても意味ねーから、そこんとこ注意して使ってくれよな!』と『石田』




 その言葉を思い出した『南さん』は『怒り』で『眉毛』を『ぴくぴく』させながら、


『…………いいじゃん、やったろうじゃないの………『私の思いの強さ』を思い知らせてやる………!!』




 そこからの『南さん』の行動は『驚くべき』ものだった。まず彼女は『包丁』を持ち出してから『自分の部屋』に閉じこもり、そこで『寝食』を完全に『断って』から『人形作りと儀式』をひたすら何回も繰り返したのだ。


 もちろん『夕飯』になっても『南さん』が『部屋』から出てこないので『両親』が呼びに行くが『部屋』に籠ったきり返事もしない。なので中に入ると(内鍵はないらしい)『南さん』が『包丁』を振り回して追い出したらしい。


 もちろん『学校』にも行かなくなり、『両親』から相談された『担任の先生』がやってきても『発狂』して追い出してしまう。なので『大人たち』は対応に苦慮したらしい。それに『担任の先生』は『校内』が『滅茶苦茶』になってるので『それどころではなく』、だからと言って『警察を呼ぶと南さんの将来に悪影響がある』としてほとんど『放置』になってしまったとか。



 そしてその当の『南さん』は『部屋の中』で『徹夜』しながら『恋人形』を作っては『首』を落とし、また『作って』は『首を落とす』をひたすら繰り返していた。とにかく『念が強ければ強いほど良い』と言うことだったので『眠気』に襲われるたびに『包丁』で『腕や太もも』を『切り付け』て無理やり『覚醒』し、『空腹』が絶えられなくなったら『滴る血』を飲んでまでして『儀式』をつづけたそうだ。




「なんか『なぜそんなことする必要あんの?』って思うかもしれないけど、言ってみれば『南』は『形から入ってる』らしいよ。『気持ちの強さ』を『わざと過激なやり方』でやることで『自分を追い込んでる』的な? でもまあ、案外『気持ち』って『そういうもん』で、『演技』してるうちにそれが『本気』に変わるもんじゃないかな?」と『塩尻さん』




 それを『七日七夜』続けるとついに『効果』が現れたのだ。『両親』は『夜中』に『南さん』が『自室』から『あたかも酔っぱらってるかのような千鳥足』で出てきたのを目撃し、『玄関』から出ていく『南さん』に『声』をかけたらしい。



『ちょ、ちょっと『南』? あなたどこにいくつもり………?』と『母親』


『ま、待ちなさい『南』…………どうしてこんな時間に………』と『父親』



『二人』は相変わらず『南さんの手』に『包丁』が握られていることを見て取って『ためらいがち』に聞いたそうだ。だが『南さん』は、



『…………邪魔したら殺すから』




 そう言い残して出て行ったらしい。だが『その日の朝』になるといつの間にか『南さん』は『部屋に戻ってきて』いて、『パジャマ姿』で『両親』の前に姿を見せたそうだ。


『え、『南』帰ってたの!? いったいどこに行ってたんだ!?』と『父親』


『…………別にどこでもいいじゃん』と『南さん』


 彼女は結局『どこに行っていたのか』は全然話さなかったそうだ。




 その日の『昼』には『タクミ先輩』と『南さん』は『恋人関係』になっていたのである。もちろん『タクミ先輩』の周辺の人たちは驚いて、


『た、タクミって『ナツメちゃん一筋』じゃなかったっけ? なんで『南ちゃん』と付き合ってんだ??』と友人α。


『お前と『南ちゃん』って知り合いだったのか?? 接点ないはずなんだが………』と友人β。


『先輩は私に『一目ぼれ』したんですよ☆ ね? 『タクミ先輩』? 『ナツメ』とか言う女にはもう全然興味ないんですよね?? 私のことで『頭』がいっぱいなんですよね?』と『南ちゃん』



 だがそういわれた『タクミ先輩』は突然『頭』を抱えてうずくまり、


『…………そ、そうだよな。俺って『小学校』のころから『ナツメ』のことが好きだったよな?? ずっと『一途』で、でもその『ナツメ』は『荒巻』のことしか見てないからそれがずっと悔しかったはずで………なのになんで俺『南ちゃん』と付き合ってんだ?? 『部活の後輩の友達』ってだけで『部』は違うし『一回カラオケ行っただけ(しかも8人の集団)』でそん時以来一回も話してなかったのに………?? なんでだ? どうしてだ? なんでだあああ………どうしてだあああああああ!!!?? ああああああああああああ!!!!』



 突然『首』を掻きむしりながらその場で『もだえ苦しみ』始め、さらには口から『泡を吹いて』痙攣し始めたという。もちろんすぐに『救急車』が呼ばれたそうで、この話は次回に続く。

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