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其の百二十四…『『斎藤君の日常』と『地面の下に埋まってるモノ』の話『その2』』

 これは『中国古典怪談大好き』な『ユズハさん』が語ってくれた話である。


「『古代中国』に『春秋時代』って時代があってさ、西暦だと『紀元前8世紀』から『前5世紀』くらいまでだね。この時代は『儒教の開祖:孔子』が活躍した時代でもあって、これはその『孔子』が産まれた『魯の国(山東省南部)』の『大夫』だった『季恒子』って人の話だよ。あ、『大夫』ってのは当時の『貴族階級全般』を指す言葉ね~」と『ユズハさん』





『捜神記』にある話である。『季恒子』がある時『井戸』を掘っていた。すると『甕』が出土し、蓋を開けてみると不思議なことに中には『生きた羊』が一頭入っていたらしい。


 だが『季恒子』はその『羊』を『犬』だと思ったそうだ。毛が伸び放題だったからなのか、それとも汚れていたせいなのか、あるいは本当に『犬のような見た目をした羊』だったのかもしれない。とにかく彼はこのことを『仲尼(孔子)』に尋ねた。



『わしは井戸を掘って『犬』を取り出したのだが、これは一体どういうことなのだろうか?』



 すると『孔子(仲尼)』はすぐに、


『私の知識で判断するに、それは『羊』です。『木石(陸上)』の『精怪(怪異)』は『魍魎』などと呼び、『水中』の『精怪』は『竜』、『地下』の『精怪』を『賁羊ふんよう』と申すのです』



 つまりは『土の中』で『自然発生』した『怪異』なのでそんなに気にしなくていい……と言う意味なのだろうか? あるいは『普通の羊』として扱って『毛』を刈ったり『肉』を食べても問題ないという意味?? よくわからないし、『ユズハさん』も『私も正直言うと意味わかんないw』とのことだそうだ(謎だ……)。





 これは『斎藤君』という『昼休み怪談部』と関係が深い(だが部員ではない)『自称魔法使いの男子生徒』が最近経験したことだそうだ。彼はいつも『魔法の修行』をしているらしく、その日は『自分の部屋のベッドの上』で『正座』をしながら『瞑想』していたらしい。



『………』と『斎藤君』



 彼曰くこの『瞑想』と言う修行は具体的には『頭の中を完全に『空っぽ』にする』ことらしい。一見簡単そうに見えて実は『人間の脳』は『無思考』の状態をキープすることが『かなり苦手』で、すぐに『雑多な思考』があふれ出て来てしまうものだとか。


 だが『怪異』はその『人間の脳の雑多な思考』を『ハック』して『憑りつく』のが『大得意』なので、『斎藤君』は日々『訓練』して『無思考』を『キープ』できるようにしているらしい。『氷室さん』にも確認したところ『非常に基本的で最も重要な修練』だと褒めていたので、どうやら正しいらしい。




 すると、ふいに『誰か』が『正座している斎藤君』を『持ち上げた』のである。



『……』と『斎藤君』



 その『誰か』はどうやら『手が六本』あったらしく、その『手』が『斎藤君のお尻の下』に『お盆』を『滑りこませ』る。そして『お盆』を『下』から『六本の手』が持ち上げたのだ。


 ちなみに『斎藤君』は『眼を閉じていた』のでその『誰か』は見えなかったし、『心を無』にしていたのでそもそも『感心』もなかった。そのまま『斎藤君』は『二階』から『一階』に運ばれ、『母親に雇われている若い家政婦さん』が洗い物をしていた『キッチン』に併設している『リビング』に運ばれる。その『リビング』にある『大きな窓』を開くと『中庭』に出ることができるのだ。


 なので『誰か』はそのまま『窓』を『すり抜け』、『斎藤君』を『中庭』の土の上に置く。『お盆』がお尻の下から『引っこ抜かれ』、すると『手』が『斎藤君』のあまたを『上』から『ぐいぐい』と押した。


『…………』と『斎藤君』



 最終的に『斎藤君』は『首から下』が『中庭』の土の中に『埋められて』しまったという。そこで『家政婦さん』が振り返って気づき、



『……!? 『和也君』!? いつの間にそこに!? なんで地面に埋まってるの!?』と『家政婦さん』


『…………運ばれたんですよ(ムスッ)。お気になさらずに、僕も気にしないので』と『斎藤君』


『いや『気にしないで』って自力で出られないでしょ?(苦笑) ちょっと待ってて! 人を呼んでくるから!』



『斎藤君』は結局『家政婦さん』と『その妹さん(高校生)』、そして『居候中の父親の友人(40代男性)』に『土』から助け出されたらしい。




 また『その日』は『奇妙なこと』が『もう一回』あったそうだ。上記の『居候の父の友人:水島さん』が『庭師のおじさん(家の庭を世話してもらっている金沢の造園業者)』と『軒先』で『お喋り』しながら『玄関先にある前庭』についての相談をしていたらしい。



『ご主人(斎藤君の父)はどんな要望を?』と『造園業者』


『彼は『玄関先』に『水琴窟』を置きたいって最近言ってましたね~。ほら、御社の玄関に置いてある奴を見てから『これいいな!』って気にいったそうでして……』と『父の友人』


『気にいっていただけましたか! 『水琴窟』にかけては弊社は『日本一』と自負してるくらいですからねぇ! となるとまずは『見積』をしなければいけませんが、ご主人はいつお暇に?』


『いや~、あいつは今『アメリカ』にいるからなぁ、ほら向こうは今『中間選挙』でいろいろバタついてるから、『関税』の件もあるしで暫く帰れないって話だし…………』



 などと『私たち』には『てんでわからない』話をしていたわけだが、一体『ここ』から『何』があったら『そう』なったのだろう? この時『二階』でまたも『瞑想』に集中していた『斎藤君』は『造園業者』の『悲鳴』を聞いて『軒先』に降りてきたらしい。



『…………何してるんですか『水島』さん??』と『斎藤君』



 彼の目の前で『水島さん』は『上下さかさま』で『天井』に『立って』いたのである。その『水島さん』自身もすごく不思議そうに、


『いやぁ和也君、さっき『業者さん』と話していた時にいつの間にか『壁や天井を歩けたら楽しいよね』って話になってね~。それで『ふざけて』壁に『右足』をつけたら『くっついた』んだ。そのまま『両足』が『壁』について、なんというか…………普通に『壁』を歩けたんだよ。そんで同じ感じで『天井』も歩けることが分かってね…………いや、本当に『突然』できるようになったんだ。実に不思議でね~。はは、でもまるで『夢』を見てるみたいで楽しいよ!』



 そう言いながら『水島さん』が『天井』の上(下?)で『スキップ』し始めた。彼が『スキップ』してもちゃんと『天井』に『落下』しているので、やはり『重力』が『逆方向』に働いているのだろう。


『はははは! 楽しいなこれ! 『床や天井を歩く』って『子供のころの定番の夢』じゃないか! 最高だ! あはははは!』と『水島さん』


『あわわわわ! 『天井』でジャンプしないで! 『天井』って人が乗る構造になってないんですから!』と『造園業者』


『確かに言われてみればそうだな…………って、あ! すまん『和也君』! 天井に穴開いちゃった!(汗)』と『水島さん』


『ほら言わんこっちゃない! …………でもいいな~、楽しそうだな~………(羨ましい)』と『造園業者』



『造園業者』も『水島さん』もものすごく『はしゃいで』いた。一方『斎藤君』はこめかみを抑えながら、


『良い大人が集まって何やってんですか…………(呆れ)……『水島さん』すぐに『床』に降りてきたください。じゃないと『大けが』しますよ』


『それはなぜだい『和也君』?』と『水島さん(まだピョンピョン飛んでる)』



『至極簡単な話です。あなたは先ほど『突然脈絡もなく』なぜか『壁や天井』を『歩ける』ようになりました。なので『唐突』に何の『予兆』もなくいきなり『壁や天井』を『歩けなく』なるんです。『怪奇現象』とは『そういうもの』です。なのでまだ『歩ける』うちに降りてこないと『頭』から『床』に落下して『首の骨』が折れますよ』と『斎藤君』



『造園業者』も『なるほど、その通りだね』といった。『水島さん』も納得して、


『…………なるほどね。確かにいつ『重力の方向』が変わるかわからないね。ならさっさと戻るか………』


 だが『水島さん』がそう言って『壁』に向かって歩き始めると、途端に彼の『足』が『天井』から『浮き上がった』のである。なので『水島さん』は『空中』を必死に蹴ろうとするが、足が『空振り』して進むことも退くこともできない。


『え、なんで?? お? おお!?』と『水島さん』


 と思ったら『水島さん』の体が『上下さかさま』のまま『窓』から『玄関』を移動して『外』にでて、突然『移動スピード』が上がったかと思ったら勢いよく『土の地面』に『頭』から突き刺さったのであった。


『ぶばぁ!? ぶばあああああ!! 助けてくれえええええ!!』と『水島さん』



 彼は『上半身』が埋まってしまっているので必死に『足』をばたつかせることしかできない。仕方ないのでまた『斎藤君』と『造園業者』、さらには『家政婦さん』と『その妹さん』も呼んで皆で『引っ張り上げた』らしい。




 …………この話を『斎藤君』…………の『家政婦さん』の『妹さん』である『砂原茉莉花さん(高校一年生)』が話してくれたのだ。彼女は最後の『締めくくり』に、


「…………『カズ君』が『ウクライナ(?)』だっけ? あれに『関わる』ようになってから『我が家』では『こういう変なこと』が『日常的』におこるんだよね~。まあもうね、慣れたけどねw」と『茉莉花さん』



 だが『私』と『ユズハさん』と『ナツメちゃん』は『もっと他に聞きたいこと』があった。なので『ナツメちゃん』が代表して、


「『ウクライナ』じゃなくて『ウクバール』ね(汗)。えっと、あの~。『茉莉花ちゃん』と『斎藤』の『関係性』が分からないって言うか…………ていうか『あなた』って『北陸アイドル団』のメンバーの『砂原茉莉花』だよね?」と『ナツメちゃん』



『北陸アイドル団』とは『北陸三県』出身者の女子で結成された『女性アイドルグループ』である。一応『本拠地』は『公式』では『富山市・金沢市・福井市』となっているそうだが、『真の本拠地』は『金沢』だそうである。『茉莉花さん』はそのグループの『第三期生』にあたるのだそうだ(言ってる私自身全く意味が分かっていない)。



「関係性? 『私の姉』が『斎藤家』の『家政婦』やってるってだけだよ。うちの実家は『上市町(富山県)』でさ~。さすがにそこから『金沢』に通うのは不可能だから『姉』が『斎藤家』に『住み込み』で働いてて、そしたら『私』も『アイドル』になったから『金沢』に住んでる方が楽ってことでこっちに来ただけ。そんなに『複雑』でもなくない? ただ『斎藤家』が広くて『部屋が余ってた』ってのが大きいね」と『茉莉花さん』



 だが彼女はそこで小声で『でもさ~カズ君って眼鏡外すとめっちゃイケメンじゃない? そそるんだよね~』などと呟いたが我々は『スルー』した。あの『斎藤君』と『ひとつ屋根の下』住んでいるのなら『彼の性格』もわかってるだろうし、それでも『狙う』のならまあ、本人の好きにすればいいだろう(投げやり)。



 そこで『ユズハさん』が『私たち』に、


「…………私『斎藤君』のお父さんが『某金沢本社の大手ホテル運営企業』の『社長さん』だって知らなかったんだけど…………そんな『お金持ち』だとはね…………(汗)」と『ユズハさん』


「『神奈川』や『長野』や『北海道』とかに『別荘』があるらしいよ。まあ本人は『アレ』だから全然それっぽくないんだけどね」と『ナツメちゃん』


(…………あれ?? 『半年ほど前』に『斎藤君』の家に遊びに行ったことがあるんだけど、その時は『ごく普通の一軒家』だったし、『庭』もなければ『家政婦さん』なんて居なかったはず…………あれ? 僕の記憶違い??)と『私』

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