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其の百十八…『『地面の下に埋まってるモノ』の話『その1』』

『私』こと『やっくん』はよく『SNS』を見ているのだが、そこで最近知って驚いたことがある。『中国人は『日本人は何でも食べる』というステレオタイプがある』のだそうだ。理由は『中国人があまり食べない『冷たい食べ物』や『生食』をするから』だと。


 逆に『日本人』には『中国人は何でも食べる』というステレオタイプがあったのでなんだか『面白い』なぁと思った次第だ。ただ最近は『中国人』も冷たい飲み物や刺身などを食べるようになっているらしいが。




 さてさて、では『今回』の話は『食べ物(?)』に関するものだ。『語り部』は『堰守衆』の一員の『富野さん』で、さらに『福沢さん』も一緒に来ていたが彼女は『ついてきた』だけで『怪談』を騙る気はないそうだった。



 ちなみに『ユズハさん』は二人の顔を見て目を真ん丸に見開いて、



「『二人』が『怪談』をですか?? 『退魔師が語る怪談』って珍しですね……『堰守衆』的にそんなことして大丈夫なんです?」



 もちろん言うまでもないが『二人』とも『成人女性』である。『富野さん』はなぜか『スーツ姿』で(大変様になってるが)、一方『福沢さん』の方は『和服』をきていた。『福沢さん』は『日本人形』みたいな容姿の上に『140センチ』くらいしか身長がないので本当に『年下』にしか見えないが(言わないけど)。


「別に問題ないですよ? それどころか『秋葉様(牧人さん)』は『推奨』すらされてますからね」と『富野さん』


「…………そのことで前々から気になってたんですけど、『お二人』は『氷室さん』のなんというか……『味方』なんですよね?」と『私』



「クスクス、あなた達は勘違いしてるけど『秋葉一族』と『氷室宗家』は別に『敵対』してないわよ? ただちょっと『考え方』が違うだけ、『堰守衆』は常に『一つ』で内部にはなんの『葛藤』も存在してはいないし、存在してはいけないのよ……(クスクス)」と『福沢さん』


「そうです、『堰守衆』は『ワンチーム』でなければならないのですよ。なので『これ』も『お嬢』のためにやってるようなものなんですからね」と『富野さん』


「………………まあ、『私』も『ひむろん』には散々迷惑かけてるけど言えた義理じゃないよね……(たはは)」と『ユズハさん』


(…………『氷室さん』には本当に同情します……)と『私』


(でも『私がやってること』は『ひむろんのためになる』と今でも『確信』してるけどね)




 これは『富野さん』が『堰守衆』に入ったばかりの頃に体験した話だそうだ。彼女はこの時『九頭竜湖(福井県大野市のダム湖)』の畔の『森』の中に隠されている『氷室家の秘密の修行場』に住んでいて、よく『湖畔』を眺めながら『瞑想』していたらしい。



 そこで『ユズハさん』が『ものすごく奇妙な顔』になって、


「『九頭竜湖』ってあそこ『昭和40年代(ちょうど『ベトナム戦争』のころ)』に完成した『人口のダム湖』だよね?? 『ダム湖』ができる前からそこにあったの?」



「いいえ? 『ダム湖』ができた『5年後』に『新しく設置された場所』なんですよ。大体『半世紀』の歴史になりますかねぇ」と『富野さん』


「クスクス、もともとは『勝山』の方に『氷室家』の『分家』がいたんだけど、『大正期』に『滅亡』しちゃったからね……だから『九頭竜湖』の方に新しく設置したなおしたのよ(クスクス)」と『福沢さん』



「そうなんだ……でもなんていうか……う~ん、『氷室家』ってすごい『由緒ある名家(?)』なわけじゃん? だから『堰守衆に関係する施設』も全部『100年以上の歴史』がないとなんていうか、『がっかり』っていうかな~?」と『ユズハさん』


「私たちの組織は『観光施設』じゃないんですけどね(呆)」と『富野さん』





 もちろん『九頭竜川道場(そういう名前らしい)』は『修行場』なので『他の弟子』も何人もいたわけだが、なんというか、『他の弟子たち』について『富野さん』は肩をすくめて、


「…………お二人もご存じの通り、『堰守衆』に参加する人間は大抵『霊障被害者かその遺族』でして、しかも『怪異』に対する『深い憎悪と敵意』を抱く者達ばかりです。かくいう『私自身』も『そのタイプ』なんですが、その中には『明らかに『怪異のせいで頭のねじがぶっ飛んでしまった人』が結構な割合で混じってましてね……まあ『どこかの誰かさん』を見ればわかるでしょうからこれ以上説明する必要はないでしょうけどね(チラリ)」と『富野さん』



「クスクス、『お嬢』に『蔭口』なんて『密告』してあげようかしら……(クスクス)」と『福沢さん』


「あんたのこと言ってるんですよ(直球)」と『富野さん』


(福沢さんって『人』なの……??)と『ユズハさん』


(『民族』は『自分が何人と思うか』で決まるので、『人間』も『それ』でいいのかもしれませんね)と『私』




 そういった事情で『九頭竜川道場』には『癖の強い人たち』が集まっていたそうだ。『樹さん』という『中年男性』は『怪異』に『右腕』を奪われて以降は『義手』のなかに『刀』を仕込んでいていつでも『刺せる』ようにしていたし、『夏川さん』という『若い女性』は『霊視力』を得るために『自分の片目に『鏡の破片』を入れる』という『凶行』に及んでいたそうだ(しかし結局『霊視力』は得られなかったらしい)。



『明日香ちゃんも『仕込み刀』に興味ないかい? 『怪異』は『金属』が苦手だからこれが結構効果あるんだよ。おじさん今『お医者さん』と『相談』して『全身の骨』を『金属製』にできないか検討中なんだ(大真面目)』と『樹さん』


『ほら『合わせ鏡』ってあるじゃない? 『水晶体』も言ってみれば『鏡』だから『合わせ鏡』になるんじゃないかって『某ライトノベル』を思い出してやってみたのよ。でもやっぱり『現実』はうまくいかないわね~。今内部に『合わせ鏡』を入れ込んだ『特別製の義眼』を作ってもらってるわ。私頭良すぎない?(目バキバキ)』と『夏川さん』



『はは……そうなんですね……(ドン引き)』と『富野さん』




 そんな『一種異様な雰囲気』の中で『修行』をしていたので『富野さん』は『自分は『常識人』だから場違いだなぁ』と『居心地の悪さ』を感じていたらしい。そんなある日のこと、『九頭竜湖』の周辺で『紅葉』が『見ごろ』を迎えていたということで『紅葉狩り』をすることになったそうだ。


『指導者』の人が『富野さん』達に向かって、


『皆さんで思い思いの場所を見つけて『精神修養』に励んでください。しかしちゃんと『穀断ち』は守るように。『生臭(肉と魚)』はいわずもがな、『五穀』や『ヨモギ(香りのある草)』などもすべて『ダメ』です。『食べられる野草』の中には『イネ科』のものもあるので、それももちろん『穀物』になるので注意してください。また仮に『食べられるもの』でも『満腹まで食べる』のも『禁止』です』



『『『はい、わかりました(腹減って死にそう……)』』』と『修行者』たち。




『穀断ちの修行』は『其の百六』でも語られているので『割愛』するが、『破邪の力』を得るためには『肉や魚』などの『死の穢れ』を避けて『体の清浄』を保つだけでなく、『穀物』と言う『文明の象徴』も徹底的に『避ける』ことで『神秘的な力』を得られる……らしい(良く知らないが)。


 そして『満腹』は『精神の緩ませる』としてこれも『ダメ』なのだそうだ。そんな状態で『山登り』や『滝行』などの『荒行』を毎日行うので、皆『飢え』て『ギラギラ』していたとか。だが『指導者』にこっそり隠れて『何か食べる』なんてことをする『修行者』はこの場に『一人』も居なかったそうだ。


 なぜならそんなことをすると『憎くてたまらない怪異』を『倒す力』をいつまでも得られなくなってしまうからだ(『だから必然的に『狂人だらけ』になるんですよね『堰守衆』は』by『富野さん』)。



 なので『富野さん』は『とりあえずどこかいい場所はないか』と『森』の中を散策したらしい。その時彼女と『伊藤さん』という『年の近い女性』が一緒に行動していて、『富野さん』とは『修行場』で出会ったが『馬が合った』らしくてよく一緒に行動していたそうだ。そんな彼女が『富野さん』の近くを歩いていると、ふと『地面』に座り込んだらしい。



『…………そこで『瞑想』でもするんですか?』と『富野さん』


『う~ん、そういうわけじゃないんだけど、ちょっと『休憩』と思ってね。なんだか足が重くて……』と『伊藤さん』


『…………そうですか。自分はもうちょっと他のところ見てみますよ』


『どうぞ~』




 その後『富野さん』もそこから離れたところにある『ダム湖を見渡せる山の中腹』の絶好のロケーションを見つけ、そこで『三時間』くらい『瞑想』していたらしい。その後『伊藤さん』のところに戻ったわけだが、すると彼女はそこで『じっと』座っていたわけだ。


『……まだ『瞑想』してるんですか? もうそろそろ『時間』だと思いますので、『修行場』に戻りましょう。今日は『私たち』が『食事当番』でしょ?』と『富野さん』


『そうなんだけどねぇ~まだちょっと『やめられない』のよね~困ったわね~』と『伊藤さん』


『…………はぁ?? やめられないって??』



 するとそこに『他の修行者』たちもぞろぞろと『修行場』に戻る途中に『伊藤さん』達に気づいて近づいてきた。皆が口々に『そろそろ戻ろう』というが、『伊藤さん』は困った顔で、


『まだやめるわけにはいかないのよね~だから無理なのよね~』


『はぁ? 一体何言ってるんだ??』と修行者α。


『なんだなんだ、具合悪いのか?』と修行者β。


『そういうわけじゃないんだけど~、やめられないのよね~』と『伊藤さん』


『…………様子がおかしいぞ。これはもしかして『怪異』なんじゃないか??』と修行者Γ。



 さすがに全員『怪奇現象』の経験があったので『理解』が早かった。なので『指導者』が呼ばれて『伊藤さん』を立ち上がらせようとしたのだが、『伊藤さん』はまるで『地面に縫い付けられている』かのように『びくとも』しなかったのだ。



『こ、これは『怪事』だ! どかさないと危険だ! 皆で力づくでも立ち上がらせるんだ!』と『指導者』


『『『『は、はい!!』』』』と『修行者』たち。



 だが『その場の全員』が『伊藤さん』の体に結び付けた『ロープ』を『綱引き』みたいに引っ張っても『伊藤さん』は『全く動かなかった』のである。逆に『富野さん』たちは『10トントラックを引っ張っている』かのように感じたそうで、必死に何度も動かそうとしたらしい。しかし『一時間』たって『徒労』だと悟ったそうで、



『…………ちょっと待っててくれ。すぐに『宗家』に連絡して『応援』に来てもらうから、それまでは待っててくれ』と『指導者』


『大丈夫ですよ~いつまでも待てますよ~』と『伊藤さん』




 だが『堰守衆』は『超人手不足』なうえに『身内』のことなので『後回し』にされ続け、なんと『三か月』も経過したらしい。そして実に『奇妙』なことに、『伊藤さん』はその間ずっと『何も食べないし飲まなかった』そうだ。『修行者』たちが『順番』に『見張り』をしつつ『伊藤さん』に何かを『食べさせよう』としたそうだが、『伊藤さん』は口に入れたものを全部『吐き出して』しまう。さらには『水』すらも一切受け付けなかったらしい。


『なんで吐くんですか!? 『水分』とってないでしょ!? 『脱水』で死にますよ!!』と『修行者』たち。


『うーん、でも何もいらないのよね~』と『伊藤さん』



 それでも『伊藤さん』は『元気』なままずっとその場に『座り』続け、さらにはその間『一睡』もしなかったのである。『修行者』たちが交替しながら『夜中』も見守っていたが、誰も彼女が『寝ている』ところを一度もみなかったのだ。



 なのでやっとのことで『都合』をつけて駆けつけた『氷室麗華さん』の前でも『伊藤さん』は『ピンピン』した状態で自分の状態を説明することができたそうだ。


『お嬢様すみません、どうしても『ここ』から動くことができないのです。ご迷惑おかけしてます』と『伊藤さん』



『『霊障被害者』が謝る必要はないわ。『原因』は何かわからない?』と『氷室さん』


『『指導者』の皆さんもに言ってますが、これが全くわからないわけでして~』と『伊藤さん』


『…………あなた『喋り方』がいつもと違わないかしら?? まあ、わかったわ……なら『足元の地面』を掘ってみましょう』と『ひむろん』



 その場の皆が不思議そうな顔で、


『なぜ地面を掘るんです??』と『指導者』


『『勘』よ。『突然その場に座り込んだ』のならおそらく『その場の下』になにかあるにきまってるからだわ』と『氷室さん』



 彼女の指示で『伊藤さん』のお尻の下のすぐ近くの『地面』を掘ってみたらしい。するとその土の下から『大きな亀』が出てきたのである。



『…………亀??』と『皆』



 しかもその『亀』は『生きていた』そうだ。だが『普通の亀』で、『護符』を張ってみたり『塩』をかけたりしてみても特に何も起こらない。



 なので『氷室さん』はしばらく『亀』を触ってから、


『…………本当に『普通の亀』のようね。『あなた(伊藤さん)』の方はどうなの?』と『氷室さん』


『あ、なんか動けるようになりました……一体何だったんでしょう??』と『伊藤さん』


 彼女も『亀』を掘り出した瞬間『動ける』ようになっていて、しきりに『首』をひねっていたそうだ。そして『氷室さん』もその『亀』が『何の変哲もないミドリガメ』だと判明したので『九頭竜湖』に放ってから、



『…………『潔斎(身の清浄)』はちゃんと保っていたのなら『怪異』に『憑かれる』ことは『絶対に』ないはずだわ。恐らくあの『亀』も『無関係』で、『何か』の『悪戯』か何かでしょうね』と『氷室さん』



『何かの何か』だと結局『何もわからない』ということなのだが、『氷室さん』は『憑かれるはずのない人に起った『不思議』が『害のある現象』であるはずがない』ということから『放置』することに決めたらしい。


 そして結局『伊藤さん』の身に何か『奇怪なこと』が起こったわけでもなく、彼女は『一人前の堰守衆』に無事名を連ね、『二年前』に『名誉の戦死』を遂げたそうである。





「……『肉体』が『清浄』だと『怪異』に対して『無敵』になれるってこと? なんで『ひむろん』はその話を『私』にしてくれなかったの?? その方法を『実践』し続けたら『私』も『安心』して『怪談蒐集』ができる……」と『ユズハさん』


「クスクス、『体の清浄』を保つためには『穀断ち』だけじゃなくて『文明のない場所』でひたすら『荒行』や『瞑想』を続けないといけないから『一切の社会生活』を『断つ』ことになるわ。そんなことできないでしょ? だから勧めないのよ(クスクス)」と『福沢さん』


「『超不健康な食事』になるので『ホルモンバランス』乱れますよ普通に。あと『寿命』も縮みますし、『彼岸』に関われなくなので、あなたはむしろ『絶対にやっちゃダメ』ですよ」と『富野さん』


「まあ、そんなことだろうとは思ってたけど(溜息)」と『ユズハさん』




 ……あれ? これって『食べ物』に関する話と呼んでいいのか?(今更)ま、まあ『穀断ち』とかでてくるしそう言ってもいいかも……(そうか?)……実を言うと『地面に埋まってるもの』に関する話は『他』にもあって、そっちはちゃんと『食べ物』が関わってるので安心してほしい(?)。その話はまた『次回』へ続く。


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