表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/117

其の百十五…『昼休み怪談部事始め:『氣比の猫』と『裏切り』の話』

『今回』は『其の百十三』の『続き』である……というのは『正しい』のだが、残念なことに今回の話は『論争』がメインで『怪談』が全く登場しない(汗)。



 さすがにそれはこの『怪談集』の『存在意義』に関わるため、今回は『小品』を一つだけ『最初』に挿入しておきたい。一応は『今回の内容』にもかかわる話である。本来は『怪談小豆夜話』に含まれる話なのだがやむなく『ここ』に記しておく。




 これは『敦賀在住』で『金沢』に『新幹線通勤』しているという『有川さん』という『20代男性』が話してくれたものだ。ちなみにだが『怪談座談会』の参加者全員が『新幹線通勤者』は『存在すること』は知っていたが『実際に見る』の初めてなので『お~すごい!(何が?)』と『謎の盛り上がり』を見せたそうだ(余談)。



『これは地元の『敦賀』にある『氣比神宮』を参拝した時のことです。『鎮守の森』の中で何やら『野太い男たちの騒ぐような会話』が聞こえてきまして、なんとなく気になって『覗いて』みたんですね……』と『有川さん』



 もちろん時刻は『昼間』だったそうだ。この神社の境内は『森』が多く『木陰』も多数あるため『有川さん』は『誰かが木陰で勝手に飲み会でもやってるのか?』と思ったらしい。それくらい『騒がしかった』からだ。


 だが『恐る恐る』木の陰から『騒ぐ声の出どころ』を覗き見てみると、そこにはなんと『野良猫』が集まっていて、その猫たちが昼間から堂々と『雑談』していたそうである。



『ついに『原発』が動いちまったぞ。『福島の話』を聞くと全くぞっとしないじゃねーか。いい加減『引っ越した』方がいいか?』と猫α。



『馬鹿かお前、『敦賀原発』が動いてんのは今に始まったことじゃねーだろ。当時は騒いでなかったのになんで今更心配するんだよ』と猫β。


『嶺南には『原発』が必要なんだよ。原発をてこにして『製造業』を誘致しねーとマジで『衰退』する一方だぞ! お前は『敦賀を出ていく理由』が欲しいだけだろうが!』と猫Γ。


『『北陸総鎮守』の誇りはどこに行った!? 心配なら『長命水』のんどけよ!! 『石川』と『富山』には『人口十万規模の第二都市』があるのに『福井』にはないんだぞ? 『敦賀』がその地位につかねーで誰が就くんだよ間抜けが!! 文句あんなら原発に頼らなくていい『街』に俺らがするんだよ!!!』と猫Δ。



 どうやらこの『猫』たちはただの『野良』ではなく『誇り高く地元愛が強い猫たち』だったようである。『有川さん』は『ぽかん』としながら覗いていたが、そこにふいに『カラス』の集団が飛んできて『猫』達は慌てて逃げ出したそうだ。



『カー! カー! 俺等の食い物を横取りする泥棒どもめ! 今日こそ決着をつけてやる!!』とカラスたち。


『てめぇらは肉が不味いから食いたくねーんだよ! 『いつものあそこ』で仕切り直しだ! 一時間後には集まれよ!!』と猫α。


『『『『ニャー!!!』』』と猫たち。



 猫たちが散り散りになりカラスの方も『追撃』に移っていく。あとは『呆然としている有川さん』が一人残されて、



『……猫がどうやって『敦賀』を発展させるんだよ(ツッコミ)』と『有川さん』



 ちなみにだが『石川県加賀市』には『うさぎ』と触れ合える『テーマパーク』があるそうだ(余談)。











 さてさてではここからが『本編』だ。『其の百十三』で『ユズハさん』は『姫川君』の『氷室麗華に謝罪して怪異から守ってもらえ!』と言う言葉を『裏切り』ととらえて大きな『ショック』を受けていたのだった。



「……『姫川君』は『私の味方』じゃないの??」と『ユズハさん』



『姫川君』は彼女の反応を見て『一瞬』だけ回答に詰まったようだった。『私』からみても『いまのユズハさん』に何を言っても『興奮』させる気がするのはよくわかる。なので彼は『言い方』を考えてから、



「待て『高宮』、俺は最初から別に『お前のやり方』に『賛成』してたわけじゃない。というかもともと『そっち』が『俺』を強引に『部室』に連れ来たのであって、ましてや俺は『昼休み怪談部』に『入部』もしてないしお前らに『協力する』とも一言も言ってないぞ」と『姫川君』



『其の三十三』を振り返ってもらう必要もなく、『姫川君』が『昼休み怪談部』と関わるようになったのは『彼の噂を聞いた『ユズハさん』が『ナツメちゃん』に強引に部室に引っ張り込んだ』からである(汗)。だから別に『姫川君』は『私たち』に『忠告』する義理すらないはずだが、それでもこうやって『諭してくれる』のが彼の『美点』だと『私』は思う。そして上記の彼の言葉は『拒絶』だ。



 さらに『姫川君』は『ユズハさん』が『不満げ』な顔をしているのを見て取るとすぐに『情』に訴える作戦に出る。



「それにだ、思い出せ。そもそも『俺の出生』を知っていたら『俺が高宮のやり方に賛同するはずがない』と思わないか? 『行方不明の家族』に会いたい気持ちは俺も『痛いほど』理解できる。だが『彼岸に関わる』のなら『どんな怖ろしい目』にあっても当然だし、それが『一度だけ』なんて保証もどこにもない。だから『退魔師の庇護』は『絶対必要』だ。『霊能者が黙認する』のなら俺も『好きにすればいい』と思うが、『そうでない』のなら『考え直すべき』だ。俺もお前も『素人』で『怪異』に対処する能力も技術も持ってない、違うか?」



『姫川君の出生』の話をされるともう『私』もだれも『反論』することなどできないだろう。彼は『怪異』によって『呪われた生』を享けたのだから。


 だから『ユズハさん』も何も言わなかった。すると『姫川君』が『氷室さん』に向き直って頭を下げて、


「…………頼む『氷室』。俺が『高宮』を説得するからもうちょっと『守って』やってくれないか? 今『高宮』を『無防備』にすると『怪異』が『群がって来る』し、最悪なことに『高宮』がそれを『歓迎』してしまう……だからどうか『見捨てないでくれ』、この通りだ」と『姫川君』



『氷室さん』は非常に苦しそうな顔になって、


「…………ここで『承諾』すると『高宮柚葉』に『間違った考え』を抱かせかねないわ。だから『拒否』させてちょうだい。彼女を『説得できた』なら『保護』を再開するわ」


「…………そうなるよな。わかってる。聞いてるか『高宮』? これは『お前のため』を想って言ってるんだ……」と『姫川君』



「ごめん『姫川君』、やっぱり無理だよ。私はこれまで『六年間』も『かもり』の『手掛かり』を探してきたんだよ。それがやっと『かもりのいる世界』に足を踏み入れることができたの。今までも『怪奇現象』には遭わなかったわけじゃないけど、『あっち側の世界』に入り込んだことなんて無かったの。それが今回やっと『できた』んだよ……! 確実に『近づいている』から私は止まるわけには……」


「お前ひとりの問題ならそれでいい! だけど『巻き込んでる』んだ! 『荒巻』をみろ! 『大けが』したのは『お前だけ』じゃないんだぞわかってるのか!!」



 そこで改めて皆の視線が『私』に集まってなんだか困惑してしまった。そして『私』がなにか言う前に『悠さん』と『ノアさん』も畳みかける。


「その通りです! 『怪異』とかかわりをもった人間は『穢れる』んです! その『穢れ』は『他所』に『伝染』するんですよ!」と『ノアさん』


「あんた一人の『我儘』のせいで『何人』死ぬことになると思うんですか!? それでも『聞く耳持たない』のならそれはもう『殺人犯』と同じですよ!!」と『悠さん』


「…………」と『姫川君』



(…………この二人は『善意』から言ってるんだろうけど……)と『私』


(『姫川の過去』をえぐりまくってるのよね……知らないんだろうけどさ……)と『ナツメちゃん』




『ユズハさん』はやっぱり何も言えない。正直彼女の顔は『全く納得してません』と言う感じで変わってないが、それでも『真面目で優しく義理堅い性格』なので……(少なくとも『私』はそう信じているので)……『反論できない』のなら渋々でも『大人しく従って』くれるかもしれないと思った。



 しかしそこで『及川さん』が『助太刀』をしたのである。



「そのことについて前々から言おうと思ってたんだけどさ、『霊能者の庇護』なら別に『堰守衆』じゃなくてもいいよね? 『私』と『鳴神』が守ってあげるよ。それで……おっと! 危ないな~!」



 彼女の言葉の途中で『悠さん』と『ノアさん』が『掴みかかろう』としたが『及川さん』が後ろに引いて逃れた(大田原先生たちが止めようとするが病室なので思うように動けない)。さらに『鳴神さん』も『ファイティングポーズ』をとって、



「なぜ我々を『攻撃』するのですか? 我々は貴方方『堰守衆』が『守れない』と言っている人を守ろうとしてるだけですよ? 感謝されこそすれ、攻撃されるいわれはないですね」


「『守れない』んじゃなくて『付き合いきれないから守らない』ですよ(怒)。それに『堰守衆』は『あんたら二人』を『退魔師』とは思っていない! そろそろ自分たちが『呪殺道士』だとでも白状したらどうなんですか!?」と『ノアさん』


「『呪殺道士』とは剣吞な(大げさな驚愕ポーズ)。私は『怪奇探偵』だと何度も言ってるじゃないですか。あんな『反社』と一緒にしないでくださいよ、せめて『呪術師』でしょそこは(呆れ)」と『鳴神さん』


「どっちも同じですよ! 『高宮柚葉』を『誘惑』しないでください!(激高)」


「『誘惑』ね………ふふ、ではここであえて『ユズハさん』の『理論武装』を支援しましょうか。どうやら『昼休み怪談部』は『発想力』はあっても『応用力』があまりないようですからね……」



 そう言いながら有無を言わさず『鳴神さん』が『演説調』でこんなことを話し始めた。



「では『聴衆諸君』! まずはちょっと『大前提』の話をしようじゃないですか! 特に今『堰守衆』の面々は『ユズハさん』が『怪異』と関わることを『阻止』したいようですが、そもそも『怪異』って『何』でしょうかね? 例えば『猫』が身近にいても『当たり前』のことですが、『猫が喋りだす』とそれは『怪異』になります。そして『伝承』では『飼い猫は年経ると化け猫になる』というわけですから、これはつまり『怪異』と『日常』は『地続き』で『区切ることができない』わけですね~! なら『ユズハさん』がやってることも決して……」



「そうやって『相対化』しようとしても『無駄』ですよ! 『怪異』は『怪異』です! 『科学』という『人類の知見の積み重ね』に『反する現象』が『異常』であり『怪異』なんですよ!」と『ノアさん』


「『生野魚』も言ってましたがすでに『科学的知見』で『この宇宙で起こる出来事』はおおよそ『説明可能』なんですよ。それで『すでに知られている諸化学法則と矛盾する現象』が起こればそれこそが『怪異』なんです。もしそれが『何らかの理論で説明可能』ならそれが『できた瞬間』に『怪異』ではなくなりますが、『説明できない』限り其れは『怪異』なんです。『化学法則で説明可能な日常の現象』と『説明不可能な怪奇現象』の間に『つながり』なんてないんですよ!」と『悠さん』



「ははは! 『サカナちゃん』の『量子趣味』が役に立ってるようですね! しかしあなたたちは『量子力学』を持ち出すと『不利』になることを理解していないようだ! なぜなら『量子力学』での説明はあくまで『仮説』であり、『もしかしたらひっくり返る可能性がある』ことが前提になっていること。つまり『量子力学』は『不磨の大典』ではないですし、『絶対的な真理』でもないのです! しかし貴方方は『怪異と日常には絶対的な区別があり、自分はそれを判断できる』と述べている……『矛盾』ですよそれは。『科学』を根拠にしながら『科学的思考』をしていない、まるで『似非科学』ですね!」



『鳴神さん』の『論理』の鋭さに『ノアさん』と『悠さん』がたじろぎ始める。どうやらこの人は頭がいいらしい(少なくとも私にはそう見えるが)……、



「『中学生相手』に『どや顔』でそれ言ってるのはかなり『大人げない』よね」と『及川さん』


「あなた『味方』の話の腰を折らないでくださいます??」と『鳴神さん』



 次回へ続く。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ