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其の百七…『昼休み怪談部事始め:怪奇!人食い『ジュラシックワールド』の恐怖!前編』

『ユズハさん』は今でもよく『小学校五年生』の時に『失踪』してしまった『双子の妹:かもりさん』のことを思い出すそうだ。その『かもりさん』は『幽明(あの世とこの世)』について色々な『知識』をさずけてくれたそうだが、中には『こんな話』もあったらしい。




『…………『自己責任系怪談』と言う『怪談の一ジャンル』があるけど、あれは『不適切な言葉』だよ。なぜなら『全ての怪談』がそれを語るだけで『怪異』を呼び寄せるものだからだよ。『自己責任系』なんて呼ぶとあたかも『語っても何も起こらない怪談』があるように錯覚するけど、そんなもの存在しないんだよ。全ての『怪談語り』はそのことをもっと『自覚』して『自戒』すべきだね』と『かもりさん』



『…………じゃあ『怪談語り』はしちゃいけないってこと?』と『ユズハさん』


『別に? だって『私』は『化け物側』だからね。皆が『怪談語り』をしてくれるおかげでいつでも『会いに行く』ことができるんだよ』と『かもりさん』






 これは『昼休み怪談部』の『たった二人の部員』である『私』こと『やっくん』と『部長』の『ユズハさん』が実際に体験した『怪奇現象』である。


 あれは確か『福井県』から『怪談』を持ち込みにやってきてくれた『篠塚さん』が『語っていた』途中だったと思う。『怪談を語ってる最中に怪奇現象に遭遇するパターン』自体は『王道』だが、『自分がその当事者になる』ことは断じて『王道』にしてはいけない(戒め)。『篠塚さん』が語った『胡乱な恐竜怪談』に登場したはずの『恐竜の悪霊』が『昼休み怪談部』に『入ってきた』のだ。




「…………GURRRRRR………! 『ダイナソー』だよ~………『恐竜』は『動物』だから『人間』を食べても『法的責任』はないんだよ………!(よだれ)」と『サカナちゃん(?)』




 なぜかその『恐竜の悪霊』が『サカナちゃん』の姿をしていたのかは『私たち』にはわからないが……いや、実は『あれ』が『サカナちゃんの正体』なのか?? 普段から『瞬間移動』や『手からビームを出して宇宙戦艦を破壊する』とかやってるので『恐竜に変身して人間を食べる』くらいだと今更驚かないが(汗)。



 まあそれはいいとしてとにかく『私』と『ユズハさん』は立ち上がって、


「…………最近『身の回り』で『怪奇現象』が頻発してたけど、まさか『部室』でも起こるなんて…………ごめんね『やっくん』、完全に巻き込んじゃったね…………」と『ユズハさん』


「なにいってるんですか『ユズハさん』、『僕』も立派な『当事者』じゃないですか…………」と『私』




 気がつけば『昼休み』のはずなのに『窓の外』は『真っ暗』で、もちろん『廊下』からも『生徒たちの声や音』が全く聞こえてこない。『私たち』は油断してる間に『明界(この世)』から『飛び出し』て『幽界(あの世)』に迷い込んでしまったようだ。


 さらに『篠塚さん』も『雷みたいな光を発する目』になって『下手なAI生成絵』みたいな変な動きをしながら、



『『石川県民』と『富山県民』に伝えてください…………『恐竜の宿命』を受け入れなければいけません…………『勝山』こそがその『中心』となるのです…………まずは『勝山堰守衆』が標的です…………!』と『篠塚さん』




 彼女はそう言いながら『机』に手を伸ばし、『私が置き忘れていたスマホ』を手に取り、『ロック』を解除して『恐竜の宿命』を『私のSNSアカウント』で『宣伝』し始めた。迷惑極まりないのでやめてほしいんですけど……(文句)……でも『サカナちゃん(?)』の顔が『割れて』中から『恐竜の首』が出現したのでとても近づけそうにない。




『GYAAAAAAOOOOOOOOOOOO!!!!……ス』と『ダイナソー』




 なので『ユズハさん』は考える。ここはすでに『日常』ではなく、すべての『常識』が一切通用しない。『科学』すら存在しない『世界』でどうやって『恐竜』に勝つ? 『肉体』が『意味』をなさない場所で『人間』とはなんと『無力で非力』なことか。


 しかし『幽霊』ももともとは『生き物』だったのだから『橋』があるはずだ。そうでなければどうやって『私たち』は『ここ』に入ることができたというんだ?




(…………ここは『冬瓜かもりの世界』…………その『入り口』だ……『あの子』の『口癖』を思い出せ『ユズハ』…………!)と『ユズハさん』




『一般人』が『幽界』に迷い込んだ時、『伝承』で最も強調される『対処法』は『平静さを保つこと』であるという。『怪異』は『怖ろしい姿』で『恐怖』を煽ったり、あるいは『不快な過去』を掘り起こして『悲しみ』や『怒り』を誘って『冷静さ』を失わせようとする。そうすると『心に隙』が産まれて『祟り』やすくなるからだ。


 ならば『一般人』がすべきことはひたすら『平静さを保つ』ことだった。『ユズハさん』もすぐに『下腹』に意識を集中して──それが『伝統的な精神統一法』だからだ──目を閉じ、『私』の方は『ダイナソー』が噛みついてこないように『近くにあったイス』を持ち上げて構えて見せる。



(………なんだろう? 遠くから『誰か』が『走って来る予感』がする……)と『私』



 するとすぐに『ユズハさん』が『ピン!』ときたようた。ふいに自分の『スカート』の『ポケット』に手を突っ込んで、



「…………ここでは『肉体』が『意味ない』んだったら『魂』が『むき出し』になってるのと同じ。だったら『私たち』も『幽霊』ってことだから、『幽霊と同じこと』が『できる』はずだよね……?」と『ユズハさん』



 まさに『まさか』だった。『ポケット』から引き抜かれた『ユズハさんの右手』に握られていたのは『手の平サイズの宇宙船』である。かつて『石田修一』という『男子生徒』が見た『悪夢』に由来する『不思議なアイテム』、これを『地面』に投げると『空の彼方』へと連れ去られ、それを『目撃した人たち』も『同じ運命』を辿るのだ。



 それを『ユズハさん』は『ダイナソー』と『篠塚さん』に向けて、



「これが分かる!? あなた達も……『複数』なのか『単数』なのか知らないけど………も『あっちの世界の住人』なら『これ』が分かるよね!? これは『人間を空の彼方に誘拐する宇宙人の尖兵』! 『恐竜』には確かに『素手の人間』は勝てないけど、『超科学文明を持つ宇宙人』なら話は別だよ! さぁこれを『投げる』ぞ~! そうしたら『次』に『誘拐』されるのは『そっち』の方なんだからね!!」と『ユズハさん』



 そういわれても『ダイナソー』も『篠塚さん』も『無反応』だった。だが『ユズハさん』が『宇宙船』を『投げるポーズ』をすると思わず『ダイナソー』が『ビクッ』と首を引っ込め、『篠塚さん』も一歩も後ずさった。



『『…………GRRRRR……』』と『恐竜たち』



「…………き、効いてる……??」と『私』


「やっぱり『恐竜』も『宇宙人』には『勝てない』みたいだね! ほ~ら投げるよ~! ひょいっとな~!?」と『ユズハさん』



 もうこうなれば『こっちのもの』だ。『ユズハさん』は『投げるそぶり』を見せながら少しづつ『ダイナソー』に近づいていく。なぜなら『入り口』が『一つ』しかないからだ(いや、もしかしたら窓から出られるのかもしれないけど)。だが『恐竜の悪霊』たちも『部室から出る』のを『阻止』したいそうでなかなかどこうとせず、それどころか『一瞬』だけ『ダイナソー』が『ユズハさん』に噛みつこうとした。



『……GAAAAAAAAAA!!』と『ダイナソー』


「! 甘いね!!」と『ユズハさん』



 だがその瞬間『ユズハさん』が『宇宙船』を『投げた』のである。途端に『篠塚さん』が背を向けて逃げ出し、『ダイナソー』も反射的に『廊下』に飛びのいてしまう。


 そして『ユズハさん』はすかさず『右足』を突きだして、


「そぉい!!」



 器用なことに『自分で投げた『宇宙船』』を『蹴り上げ』、それをまた手で『キャッチ』したのである。『宇宙船』は『着地』しないと『誘拐』できないため、まだ『ユズハさん』は『地上』に残ることができる。そして『けり上げた右足』はそのまま『踏み込まれ』て『全力疾走』に変わった!


「走って『やっくん』!! 今なら『抜けれる』!」と『ユズハさん』


「! 待ってくださいいいいいい!!」と『私』



『人間』は『仲間においていかれそうになる』と『超反応』で『爆走』できる『本能』が備わっているのだろう。『ユズハさん』と『私』は一気に『部室』から『廊下』に飛び出し、『ダイナソー』と『篠塚さん』の横を通り抜けて逃げ出すことに成功したのだ!



『『GAA!?? ニがすカあぁアァあ!!』』と『恐竜の悪霊』


「「ふぃいいい!! 走れ走れはしれぇ!!」」と『私たち』




 後ろから『重たい足音』と『唸り声』が追いかけてくるが、まるでそれを『かき消す』ように『ユズハさん』が『高笑い』したのだった。



「あははははははは!! やっぱりここは『かもりの世界』だね! 『やっとこれた』んだ! やっと『お姉ちゃん』は『ここ』にこれたよ『かもり』いいいいい!! どこにいるのおおおおおお!!?? 会いに来たよ『かもり』いいいいいいいいい!!!?? 『いる』なら『返事』してよおおおおおおお!!!」と『ユズハさん』



(…………遠ざかっていく。きっと『必要なくなった』からかな…………?)と『私』




 ……………………、


 …………、


 ……、




 …………それからしばらく『無心』で走り続け、とにかく『恐竜の悪霊』たちが見えなくなったので一旦『休憩』した。『私たち』がいるのは紛れもなく『黒百合丘学園』なのだが、どれだけ走っても『人間』に遭わないし、『廊下』も『階段』も『無限』に延長されているようだった。そして『窓の外』は気が付くと『巨大なジャングル』になっている。『陽光』が差し込む緑の隙間から『恐竜』たちの姿が見え隠れしていた。



「…………はぁ、はぁ、なんかここは『ジュラシックワールド』みたいだね…………とりあえずは逃げきれたみたい…………でも『この世界』から脱出できてないから意味ないわけだけど…………」と『ユズハさん』


「ぜぇぜぇ…………あ、あの『ユズハさん』?? 『さっきの調子』だと、まさか『今から『かもりさん』を探そう!』とか言い出しませんよね??」と『私』



『ユズハさん』はこと『怪奇現象』となると『興奮』して『暴走』しがちだ。だが『ユズハさん』は苦笑して、


「ん? あ、あはは。ごめんごめん、さすがの『私』も『ここに居続けるのやばい』ってことくらいはわかるよ。『私』がなんで『ひむろんやサカナちゃん』と仲良くすることを『最優先』にしてたかわかる? いざ『あっちの世界』に入りこんじゃっても『守ってくれたり助けてくれる存在』が必要だからだよ。『今の状態』は『私たちの安全』が保障されてないからまずは『脱出』だね」と『ユズハさん』



「ほ…………(安堵)…そう言ってくれるだけでありがたいです……さっきの言葉を聞いたら不安で…(汗)」と『私』


「ごめんごめん、ついつい『興奮』してあんなこと叫んじゃっただけなんだ(汗)。今はちゃんと『冷静』だから」


「はは……じゃあどうやって『元の世界』に帰りますか?」と『私』



 それが『最大の問題』だった。次回へ続く。

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