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不良の兄と、可愛い妹!  作者: 愛依
始まり!
9/37

お姫様の夢。

「ちょっとー?彩樹、大丈夫ですかー?」

「は?なにが」

午後最後の授業後。

私の意識は平岡の声で少しだけ覚醒した。

「ボーっとしてんな?保健室行ってくれば?」

「あー、大丈夫。嘘だけどね」

朝からずっと頭が重い。

頭がデカクなったのかと思って、朝鏡で確かめたが、いつものサイズだった。

私は馬鹿か。

「おい、まじでおかしいぞ?」

「元からじゃない?」

「それもそうか」

真顔で頷く平岡に蹴りを入れた。

瞬間。

「あっ………」

「おいっ!」

倒れた。ぶっ倒れた。

音が変な風に聞こえる。

ぐわんぐわんする。

「の…脳みそ吐きそう」

「ンなわけないだろ!ちょっ、いいか?」

「は?え?あ。」

霞む視界の中、目線が高くなった。

クラスから黄色い声が上がる。

え、なになに、この状況。

なんで叫んでるの?え、なに?

程なくして理解する。


私、平岡に抱っこされてる。

しかも、お姫様抱っこってやつ。


「離せっ!!!」


抵抗する。

「ほーら、暴れんな馬鹿。」

「るっせぇ!」

いつもなら飛び降りれるけど、今日はなんだか力が入らない。

ギュッとされてる所が、温かくて気持ち悪い。

「保健室行くからな、あばれんなよ。」

平岡の声。


「てめぇ!」


その後、私のよく知ってる声が聞こえた気がした。


「お兄……ちゃ、ん?」


その直後、私の意識はぶっ飛んだ。





私は、夢を見ていた。

夢だと分かったのは、隣にお兄ちゃんがいたから。

もうずっと、お兄ちゃんと一緒に歩いてない。

きっとこれは、小学校3年生位の時だ。

お兄ちゃんが自分と、私のランドセルをぶっ壊して、2人仲良くリュックで登下校していた。

「お兄ちゃん?」

「ん?なに?花夜」

「花夜ね、中学校でもお兄ちゃんといっぱい遊びたいっ!」

「あたりまえだろ?花夜は弱いから、俺が守ってやるよ」

小学校の時は、私もお兄ちゃんも、口数が今よりずっと多かったとおもう。

「花夜、お兄ちゃんのこと、ずっと大好きだからね!」

「あぁ。俺も!」

恋人同士の様な会話をしてる私達をみて、思わず微笑んだ。

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