なんでだろう?
「よし、いくよ?」
「マジで?本気?ここでやるの?」
「あぁ。いいだろ、移動めんどくさいから」
昼休み。
校庭のほぼ真ん中。
足を結ぶ扇原。
「二人三脚なんてやりたくないよ。お兄ちゃんに言いつけるよ」
「あー、それはやだな。けど、もう決まったから。今から変えたらみんなに迷惑かかるぜ?」
「うッ……!わかったよ」
「ありがと。」
ニコッと微笑むなアホ。
恥ずかしくなって、顔をプイっとそむけた時。
「あ、」
お兄ちゃんが駆けてきた。
珍しい。いつも屋上から出ないのに。
後ろに朱神も居る。
うわ、なんかニヤニヤしてる。
キモイ。
「お兄ちゃん。どうしたの?」
「やば。涼夜先輩だ。」
「何がやばいのよ」
質問に答えてくれない。
扇原のばか。
「お前、なにしてんだよ。」
「ねぇ、この人彼氏?」
「慶真黙っとけ。」
「はーい」
あぁ、朱神黙んないで。
お兄ちゃんの目つきが怖い。
助けて。
「こんにちは、涼夜先輩。」
「誰だお前。」
「彩樹と同じクラスの扇原蓮です。」
「え、なに?めっちゃ扇原素直だ。おもしろーい」
空気を読まず、声を上げると黙って朱神に頭を掴まれた。
「離してくださいよ。」
「ねぇ、花夜ちゃんって体育祭でコスプレリー出るんでしょ?」
「は?なんで知ってるの」
「ホントか?花夜」
なんだお兄ちゃん。いきなり話に入ってくるな。
「ほんとだよ。曜先輩にハメられて。」
「曜先輩?弓道部か。」
やべ。口が滑った。
「あー、気にしないで。」
不満そうなお兄ちゃん。
「お兄ちゃん怖い。睨まないで?」
頼むと、目を背けられた。
「花夜はこれから扇原と二人三脚の練習するのっ!バイバイお兄ちゃん!」
笑顔で手を振ると、渋々帰っていった。
「よし、二人三脚やろ?」
「あぁ、そう言えばコスプレリレーは、弓道着じゃなくていいぞ。」
「え?何いきなり」
すると、珍しく口をゴニョゴニョさせた。
「ちょ、扇原ー?」
ツンツンつつくと、怒ったような顔をした。
ほっぺをつついたら睨まれた。
「やめろ。」
「ごめん。だって扇原が何も言わないんだもん」
「あー、それは、その、頼み、なんだけど、」
「頼みぃ?」
首をグインと傾げてしまった。
そう言えばこんなに喋ってる扇原初めて見たかも。
「コスプレリー、弓道着じゃなくて巫女装束にしてくれないか?」
「はぁ?」
なんだその頼み。
「なんで?」
「いや、その、俺もコスプレリーでるから、衣装被るってゆうか、その……」
あー、またゴニョゴニョしてる。
「なに?」
「お前の巫女装束の姿が見たいかもしれない。」
「っ……!!」
何言ってるの。なんなのよもう。
「いいよ」
何答えてるのよ。
やなのに。
嫌でしょう?
なのに。
「巫女装束着てあげる」
なんで私はOKしてるんだろう?




