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不良の兄と、可愛い妹!  作者: 愛依
始まり!
10/37

嫌い。

「……き!彩樹!」

「扇、原?」

「大丈夫か?まだ寝てろ」

目が覚めた場所は、保健室。

「花夜、ぶっ倒れたんだ。」

「そうそう。奏悟が運んだんだよ。ここまで。」

扇原の一言で記憶が蘇って、

「っっっっっっっ!!!!」

顔から出火した。

奏悟って誰だ?平岡の名前だ。じゃあやっぱりあれは現実。

「あ、彩樹顔赤い。熱?」

「るっさい!お兄ちゃんは?いなかった?」

「あー、今奏悟が連れてかれた。絞られてんじゃね?」

「マジか。やばいね平岡。」

「そうだな。とりあえず寝てろお前は。」

「分かった。じゃあね」

平岡の安否が気になるところだが、その時は凄くだるくて、目を閉じたらすぐに眠ってしまった。




「ねーぇ!涼夜先輩まだぁー?」

次、目が覚めた時は、廃校になった学校の体育館のマットの上にいた。

時刻は18:30

「は?」

私は、確か保健室にいたはず。いや、いた。

なのに何故、体育館?

時間もすごーく経っている。

え、怖。

「あ、涼夜先輩の妹ちゃんっ、起きたぁ?おはよぉ。ぐっすり寝てたねぇー!睡眠薬って凄ぉい!」

「ここどこですか。」

甘ったるい声に、喋り方。

この声、1回だけ聞いたことがある。

前は、こんな喋り方してなかったのに。

「なんなんですか、春寧センパイ。」

「あれぇ、妹ちゃん怒ってるぅ?」

偉そうに、体育館のステージから見下ろしてくる、弓道部2年の春寧センパイ。

後ろに、3人くらいの男子がいる。

「最近部活にも来てないと思ったらこんなことしてたんですね。」

「妹ちゃん、怒らないでぇ?可愛いお顔が台無しよぉ?」

「うるさい。何がしたいの?何が目的?」

「涼夜先輩を呼ぶための材料よ。」

……やっぱり。

「お兄ちゃん、来ないんじゃないですか?帰っていいですか?」

「うるさい。だぁめ!動かないでくれる?」

ストン、とステージを降りた。

カッターなんて物騒なものを持って。

「私ね、ずぅっとあなたが嫌いだったの。」

「……」

「慶真先輩とか、曜や、理央にも媚び売ってさぁ?キモイのよ。その髪だって、慶真先輩にやってもらったんでしょ?ウザイ。」

カッターの刃を、カチカチと出す。


「その憎たらしいほど長い髪、短くしてあげるわ。」

「あ、」

誰かにナイフを向けられるのは初めてで、足がすくんでしまう。

「ばーいばぁい」

「あっ……」

右側の髪が腰のあたりから胸元までバッサリ切られた。

その瞬間に、頭の中のなにかが、ブツリと音を立ててきれた。


「おねぇちゃん……髪……」


死んだおねぇちゃんが、触ってくれた髪が。

撫でてくれた髪が。


「ああああぁぁぁぁぁあああああああああぁぁぁあ!!!!!」


私がくるったように叫びだした時。


「テメェ!!!!!!」

「きゃぁ!涼夜先輩っっ!!!」

お兄ちゃんが来た。

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