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お姉ちゃん。
花夜と涼夜の姉の話です。
私には…いや、私とお兄ちゃんにはお姉ちゃんがいた。
彩樹 海夜。
海に夜で海夜。
私の6つ、お兄ちゃんの5つ上。
優しくて、頭が良くて、美人で。
自慢の姉だった。
大好きだった。
「お姉ちゃん、髪結んでー!」
小学生の時は中学や、高校に行く前に必ず私の髪を結んでくれた。
「もう、本当花夜は甘えんぼだね。自分で出来るようにしないと!海夜は自分でやってたよ?」
「いいじゃん。お姉ちゃん上手だもん」
毎回文句を言いながら優しく丁寧に結んでくれて。
結び終わったら必ず頭を撫でてくれる。
それが凄く嬉しかった。
お姉ちゃんが似合うって言ってくれたから
今でも髪はツインテールにしてる。
そんなお姉ちゃんを神様は虐めた。
私が小6の時。お兄ちゃんが中1の時。
お姉ちゃんが高3の時。
事故にあった。
横断歩道で、信号無視のトラックに轢かれた。
幼稚園生を庇ったらしい。
お姉ちゃんらしい最期だった。
亡くなる直前、私の頭を撫でてくれた。
最後に触ってくれた髪をずっと切れなくて、
私の髪は今も伸びっぱなしだ。




