口喧嘩が最高に強い
「男子が2階の空き部屋、女子は3階の空き部屋を使ってください!
男子は女子部屋に入室禁止。女子は男子部屋に入室禁止です。」
時刻は17時。
少し早めに部活を切り上げ、弓道部員は私達の家に集まっていた。
「荷物も、それぞれの部屋に置いてください!」
「「はーい」」
「えぇ〜」
みんなの返事の中に、1つだけ不満気な声が聞こえる。
まじで迷惑なやつだ。
「…なんですか?曜先輩」
「女子部屋と遠いの悲しいんだけどー。なんで入っちゃだめなのー?」
「下心丸出し。」
扇原が貶すような視線で曜先輩を見ている。
いいぞもっとやれ。
「ねぇー花夜ちん、俺マリンちゃんと話したいし〜」
「嫌です。」
「マリンが嫌がってるので無理じゃないですか?」
「…でもさぁ、女子部屋入室禁止は辛いって。せめて多目的ホール的な部屋あった方がいいと思うんだけど。」
…まぁ、そうかもしれない。そうかもしれないけど。
でも、曜先輩は危い気がするしなー。
「じゃあ、23時まで、私の部屋を多目的ホールにします。
それでいいですか?」
「許すー!」
なんでそんなに上から目線なんだよ。
扇原がゴミを見るような目で曜先輩を見ていた。
そんなこんなで時刻は2時間後の19時。
夜ご飯の時間だ。
「ねぇ、夜飯は誰が何作るの?」
「うーん、何か食べたいものあります?私とお兄ちゃんと、渚沙姉妹で作りますけど」
「ねぇハナヨルちゃん!おれ、カレーたべたい!」
声を上げたのは理央先輩。
カレーなんて、見た目だけじゃなくて、中身も可愛いじゃないか。
「カレーで、いいんですか?」
「うん!甘いのがいい!」
…小学生…?
色々考えて言っているのか、それとも天然か…
「…花夜」
そんなことを悶々と考えていると、背後で服の裾を掴まれた。
私と同じくらい低身長(145後半)のマリンは、とても可愛い。
ちなみにアクアは高身長。私より背が高い。
年下に身長を抜かれるとは…無念だ…
「マリン、どうしたの?カレー嫌?」
「違う、えっと、マリもなんか手伝う…」
「ありがとう!じゃあ、お兄ちゃんと買い出し行ってもらっていい?
カレーだって伝えれば多分わかると思う。」
「分かった」
なんたってお兄ちゃんは冷蔵庫の中身と調味料は把握してるからな。
ご飯を作るのは、小学生の頃からお兄ちゃんが担当だ。
あんな見た目でもかなり料理が上手い。
そこら辺の女子はそのギャップに萌えるらしい。
全くわからん。
「椋夜は部屋?」
「うん。多分部屋にいると思うから、一緒に行ってきて」
「うん」
何だかんだマリンもしっかりしてるし安心だ。
2階からマリンの声が少し聞こえる。
「椋夜、起きて。カレーの材料買いに行く」
「めんどくせぇ」
「うるせぇ早く起きろ」
「花夜と行けよ」
「花夜に椋夜と行けって言われてんだよ」
「めんどくせぇな、とっとと準備しろチビ」
「うるせぇ巨人」
多分口喧嘩でお兄ちゃんを動かすのはマリンが一番上手いと思う。




