先輩のウザ絡みがウザイ。
「お兄ちゃん、二人とも着いたって!!」
「あぁ。」
あっとゆうまに時は過ぎて、ついに合宿当日だ。
朝の6時半。
部活より早めに、姉妹を家に迎え入れる。
「花夜姉、椋兄!おはよー!」
「おはよう。」
相変わらず顔のそっくりな二人だ。
性格は真逆だけど。
「アクア、弓と矢、預かるよ」
「花夜姉ありがとう!」
礼儀正しい姉のアクアと、
「マリンも。」
「……ん。」
少し不良に近づいてきた妹のマリン。
進学校に通ってるから、成績はいいが、将来が心配だ。
…お兄ちゃんみたいにならないといいけど。
「二人とも、あと30分間くらいで学校行くから、準備しといてね!」
「はーい!」
「……」
…ほんとに性格似てないなぁ。
「あ、皐月先輩おはようございます」
「はよー。お、その二人が例の姉妹か。」
「おはようございます!よろしくお願いします!」
「……」
マリン、挨拶しようよ…
皐月先輩をチラっと見てすぐに視線を地面に向ける。
さすがマリンだ。
皐月先輩で良かった。面倒な先輩だったら大変。
「じゃあ自己紹介しよう。ちょうど全員揃ったし。」
「そうですね。じゃあ、アクア」
「はい!」
中学で生徒会事務局に入っているアクアの声は、良く通る。
「漣学園中等部2年の、渚沙 空愛です!1週間、よろしくお願いします!」
パチパチパチと、拍手が鳴り響く。
私が初めてここで自己紹介をした時を思い出した。
私はこんなハキハキ喋ってなかったけど。
「アクアって可愛い名前だね〜!漢字あるの?」
途端に響いた声。
曜先輩の声だ。絶対絡むと思ってた。
「漢字は…空に愛で、アクアって読みます!」
「綺麗な名前だね」
「ありがとうございます!」
さすがアクア。
ウザプレイボーイに完璧な対応だ。
「次はマリン。ほら、前向いて?」
「…漣学園中等部1年。渚沙 愛鈴。」
アクアの時と同じく、拍手が鳴り響く。
「マリンちゃんの漢字はー?」
でた、曜先輩。
ほんとに可愛い女子好きだよな。
マリンは多分突き放す系だけど。
「…自分で考えろ。もしくはアクアに聞け。」
やっぱり。
高校生にあの口調。超カッコイイ。
「ははっ!面白いね、妹ちゃん!アクアちゃん、妹ちゃんの名前はなんていうの?」
「マリンです。愛に鈴でマリン。失礼なこと言って、ごめんなさい。」
「全然大丈夫だよ!マリンちゃん、合宿でよろしくね〜」
あんなに突き放されてもヘラヘラしてる曜先輩を1ミリくらい見習いたい。
マリンは心底めんどくさそうな顔をして舌打ちをした。
それからの練習は大変だった。
主にマリンと曜先輩が。いや、全部曜先輩が原因か。
やたらと曜先輩がマリンに絡んでて、そのたびにマリンが突き放して、アクアが凄い謝ってて、なんかゴチャゴチャだった。
けどまぁ、たまにはこんなのもいいかもしれない。




