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不良の兄と、可愛い妹!  作者: 愛依
笑いあり!涙あり? 夏合宿!
31/37

特技?

「花夜ちゃんの部屋広いね〜」

「そうですか?」

「うん!凄い広い!」


そんな広い(?)部屋も、10人入れば少し狭い。

特に面白い物のない私の部屋を、みんな物色していた。


「ねぇ、花夜ちん」

「あ?」

「えっ、なんか俺に対して当たりキツくね?椋夜くんそっくり」

「そんなことないですー!なんですか?曜先輩」

「いや、ピアノあるから、弾けるのかな〜と思って」

「弾けないのにある訳ないじゃないですか。」


保育園の頃、白いグランドピアノに憧れて買って貰った、ちょっとお値段高めな白の電子ピアノ。

中3の時は、受験勉強の息抜きに、かなりお世話になった。


両親が仕事で家にいないことが多く、暇だった私は、ピアノの他にも、学習塾や、バレエ、柔道、剣道などたくさん習い事をしていた記憶がある。

お兄ちゃんは、バレエの代わりにキックボクシングを習ってた。


あ、だから喧嘩強いのか。


「あれ、葵も習ってなかったっけ?」

「ちょっとだけね」

「ハナヨルちゃんピアノ弾けるんだ〜。以外!」

「ちょっとどうゆう事ですか?」


てゆうか理央先輩はハナヨルで通すんだな。

まぁいいけど。


「なぁ、彩樹」

「なに、扇原」

「弾いてよ、ピアノ」


うっわ、すげぇ嫌な顔。

あの顔は私が嫌がるのをわかって言ってんな。

sなのか?


「やだよ。めんどくさい。」

「えぇ、じゃあ皐月先輩」

「俺!?」

あぁ、先輩に飛び火しちゃった。

ごめんなさいー。


「俺は下手くそだし…」

「でも、かなり楽譜ありますよ?先輩」

「うーん…」


今までに弾いたピアノの楽譜を先輩に差し出す。


「じゃあ、俺が弾いたら彩樹も弾いてな」

「えぇ!?ちょ、先輩!」


私の了解を得ずに勝手にピアノに向かい合う。

いつの間にか楽譜をセットしていた。


…ヴェートーベンの月光、第三楽章だ。


凄く綺麗で、聞き惚れてしまいそう。

絶対ちょっと習ってたレベルじゃないし、どこかで聞いたことがあるような気がした。


「……ここまで」

「え?終わりにしちゃうんですか?」

「いや、ここまでしか弾けないんだ」


優しい笑顔で私にピアノの席を譲る。

あの演奏のあとは凄い弾きにくいのだが。


「よし、じゃあ、弾こう。」


意を決して鍵盤に手を置く。

曲はショパンの幻想即興曲。

小学校の5年生くらいで、どうしても弾きたくて、凄く練習した曲だ。


弾き始めてからは、特に何も考えてなかった。

ただ、とても楽しくて、夢の世界にいるみたいで、みんなの前なのを忘れて弾き続けた。


「…凄い綺麗。」


演奏が終わる。

雀野先輩の声で私は現実に引き戻された。

いつの間にか、お兄ちゃんと朱神もいる。


愛未先輩によると、かなり大きい音を立てて部屋に乗り込んできたらしい。

全く気づかなかったけど、もう少し静かに出来ないのか、あの不良。


「凄いね〜!花夜ちゃん見直したよ!ただの不良かと思ってた!」

「朱神にだけは言われたくないです」

「ひどいなぁ〜。てか今の時間分かってる?」

「時間?」


部屋の壁掛け時計を見る。

時刻は18:30前。


「…そろそろお開きにしましょうか?」

「そうだね!」

「また明日〜!」

「さようなら、先輩!」


いろんな人に手を振って、その場は静かになった。


「…ピアノ、上手だった。」


みんなが帰ってからお兄ちゃんがなんか言ったけど、うまく聞こえなかったから、

とりあえず笑っておいた。

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