傾けて。
「ねぇー、扇原ー。死にたい。」
「死ぬな彩樹。諦めろ」
「可愛いわよ、花夜ちゃん。」
「死ぬよ、ねぇ、死ぬからね」
彩樹花夜。ただ今公開処刑中。
「これ絶対巫女装束じゃないよね。スカートだし、短いし!!!」
「いいじゃん。どうせ制服のスカートミニなんだから。」
「あれは!朱神がっ!!!!」
学級活動はこれから、私にとっての地獄だと認識した。
“体育祭種目準備”
再来週に迫った体育祭の、衣装などの準備だ。
「ほら、花夜ちゃん。早くお着替えなさったら?」
「やだ。麗羅が着ればいいじゃん。」
「私は体育祭見学するから大丈夫よ。」
「ずるい…………」
麗羅に衣装を押し付けられ、仕方なく空き教室に入るの。
「…どうしても着なきゃダメかぁ……」
1人で呟き、私は衣装に袖を通した。
──数分後
「ねぇ、麗羅。めっちゃ恥ずい…」
「なんか、すごく、可愛いわ…早く教室入りましょ…」
「……わかった」
ガラガラ、っと、教室の扉を開ける。
思ったより、みんなの視線が集まった。
「うっ……」
思わず、うめき声が零れる。
「堂々として。前をみて?」
麗羅が、耳元で囁いた。
社交界などによく行っているであろう麗羅は、慣れているのかもしれない。
「わかった……」
思い切って、前を向く。
声に、耳を傾けてみた。
「可愛い…」
「こっち来てー」
「写真撮ろうよ!」
「え?」
「可愛いわよ。花夜ちゃん。」
その時の麗羅の表情は、とても優しげだった。




