転校生。
「ねぇ、扇原。ほんとに転校生くるんだ」
「あぁ。」
興味無さそう。
詰まんねぇやつ。
「平岡、当たり年の主犯になると思う?」
「しらねぇ。」
うわ、こっちも冷たい。
「歌楓ちゃん、おはよ」
「おっはよぅ!転校生、女の子なんだって!」
あぁ、優しい。
可愛いなぁ。
「そうなんだ。どんな子だろうね」
「あ、先生来た」
優衣香ちゃんの声でしっかり前を向いた。
「転校生紹介します。」
先生の声のあと、扉の開く音がした。
「わ。」
その容姿に皆、息を呑む。
「白城 麗羅。よろしくおねがいします。」
「……綺麗な子…。」
誰かが、そう呟いた。
その通りだ。
長いストレートの黒髪に右目に付けた眼帯。
「でもなんか、厨二病ぽい」
「黙っときなよ」
黒のぬいぐるみを抱いてる姿は確かに厨二病ぽかった。
けど、着てるのは規定通りの制服だ。
「えー、っと。白城さんは桜華学院から転入してきました。片目が見えないので、色々助けてあげてください。」
桜華学院。
超名門のお嬢様学校。
偏差値くそ高くて、金持ちの通う学校。
席は私の隣。
「白城さんよろしくね」
「白城はやめて。名前は?」
「あ、えっと、彩樹花夜。じゃあ麗羅って呼べばいい?」
「えぇ。よろしく。」
ニコリともしない。
無愛想なお嬢様。
「彩樹、ムスッとしてないで助けてやれよな」
「わかってますよ!」
先生のからかいを受け流しながら、私はチラリと麗羅を見た。
長い黒髪。
黒の眼帯。
真っ黒な瞳。
ぬいぐるみを大事そうに、抱えて、
制服は一緒なのに、変なオーラが出てる。
なんでだろう。
「どうかした?」
「別に。変な子だな、って思ったの。」
「どうゆうことかしら」
「べーつに。」
そこで初めて、麗羅がクスクスと笑った。
「さすが今年の当たり年の主犯ね。」
小さく呟いた声は、よく聞こえなかった。




