夜の電話。
その日の夜。
『もしもぉーし。花夜ー?』
時刻は23:30。
「どうしたの、奈寧華。夜に電話なんて。」
奈寧華から電話がきた。
『いいじゃーん。奈寧華ね、また花夜ちゃんと遊びたいの~部活でも会いたいし~!』
「はぁ?部活って奈寧華サッカー部のマネージャーでしょ?花夜弓道部だもん。」
『そうそう、だから、花夜もマネージャーしてよ』
「無理。」
もう、あの子は何を言ってるんだ。
マネージャーだと?
やだやだ。
せっかく今、部活がなくて楽なのに。
何言いやがる。
『酷ぃ~。でも安心して!花夜の学校のサッカー部さんに頼んどいたからねっ!』
「はぁ?何言ってんの?」
『奈寧華がね、そっちの部長さんに、お願い♡って言ったら、いいよぉ、って!』
「嘘でしょ」
やばい。奈寧華、本気だな。
『ホントだよー。来週の土曜日にウチの部活と練習試合だから、会おうね〜』
「え、ちょっ、まっ……」
ブチッ……と、電話が切れた。
マイペース悪魔。
早速次の日に、悪魔の呪いに惑わされた男が現れた。
「彩樹花夜ちゃんいる~?」
サッカー部の、部長。
3年、台地 将眞。
チャラい見た目の変なやつ。
「なんですか。」
「お、いたいた。今日から宜しくな、マネージャーちゃん」
「謹んでお断りいたします。」
なるべく丁寧に頭を下げて逃げようとするが、逃げられない。
「ダメだよ〜。奈寧華ちゃんに頼まれたんだから」
「そんなの知りませんよ」
「俺が知ってるの」
うわぁ、めんどくせぇやつ。
「まぁ、やるかやらないかはべつとして、1回だけ来てくれ。」
うわぁ、チャラい癖に頭なんか下げやがる。
しかも大人数の目の前で。
こいつ、これを狙ってたな。
「チッ……わかりましたよ」
案の定、頷いてしまった私に台地は意地悪く笑っていた。




