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正夢が見れるなら高次元世界でも無双できる?  作者: ブルーギル
第3章 王座争奪戦
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32話 生命とエネルギーの対決

 AブロックとBブロックの準決勝の翌日。

 今日は数万人いる満員の観客席に座ってCブロックとDブロックの準決勝を観戦。小雲先輩は足の負傷のために病院へ行っていた。


『さあ昨日の激闘から1日、今日も好カードが組まれているぞ! 昨日に引き続きわたくし早口と解説の星野先生でCブロックとDブロックの準決勝をお送りします。星野先生、よろしくお願いします!』


『楽しみですねぇ』


『さあ、まずはCブロック準決勝。なんといっても注目は、黄金世代の超能力者二人の激突でしょう! 勝つのは去年の学園MVPである弥生心乃が率いるチーム39か!? それとも昨年度準優勝チームの先鋒を務め、観客MVPも獲った千陽朝日が率いるチーム48か!? 去年はどちらとも決勝に進みましたが、千陽朝日が先鋒、弥生心乃が中堅、時谷未来が大将を務めていたため、黄金世代の直接対決は見られませんでした。しかし今年は、この3人を含む有力候補が全員大将です! 今年が選手として最後のこの伝説の世代の閉幕に花を飾るのは一体誰なのか。大将戦の直接対決に注目しましょう!』


 ワァァァァァァァァァッ!!!!!!




 大歓声の中、先鋒戦と中堅戦が終わり、観客が待ちわびた大将戦を迎えた。


『まもなく、皆様お待ちかねの大将戦が始まります! 大将戦の個人オッズは千陽朝日が2.3倍、弥生心乃が4.2倍となっています。そして、どちらも大将戦を勝つことで決勝進出が決まります』


 モニターにはゲートで待機する心乃さんと朝日さんの様子が映し出されている。心乃さんは白いバンダナ、朝日さんは黄色いバンダナをしている。


『それでは、Cブロック準決勝、大将戦スタートーーー!!!!』


 ワァァァァァァァァァッ!!!!!!


『フィールドは夜の城屋敷(しろやしき)!! 美しい桜と塀に囲まれた中央には、八重の城があるぞ! 城の中には障子に囲まれた畳の部屋が迷路のようにいくつもあります!』


『夜闇に身を潜めて、敵を暗殺するような歴史ドラマ風な情景が思い描かれますねぇ!』


 ピカッ……ドォォォォォォォン!!!!!


『か、雷か!?! すごい光とともに大きな音がしたぞ!!! その中心には千陽朝日がいる!! 一体何をしたんだ!?』


『音や光のエネルギーの反射から相手を見つけるためですかねぇ』


『外は月明かりのみ! 暗闇では敵を探しにくいと判断したのか、千陽朝日!!』


「あそこに千陽朝日がいるってことか! だったら誰がそんな危険なとこに行くかよ!」


『おおっと、しかし選手達は次々と千陽から離れていく! だが、逆方向には……』


「けけっ、逃げ切ってやるぜ! ……うわっ!!!」


「ふふ、今宵は満月が綺麗ですね」


 シュッ! パリン!!!!!


『青チーム、野矢選手、脱落です!! 逃げた先にいたのは白チームの弥生心乃だ!!!』


『弥生選手は相手の隙をつくのがうまいですねぇ! まるで相手の存在を完全に把握し、心を完全に読み切っているみたいですねぇ!』


 ピュンッ!!!!! パリンッつ


『千陽も動いているぞ! エネルギーを感知して相手を捉え、大胆なレーザービームでバッジを破壊していく!! ちなみに千陽選手のレーザーでけがをしないように、5年前から防具がレーザー耐性を持っているので、心配無用です!』


『あの遠距離攻撃は相当強いですねぇ! 攻撃の観点からは、やはり千陽選手が少し有利ですかねぇ』


『西と東で弥生と千陽の猛攻が続く!! 青チーム梶田選手、黄チーム大枚選手もあっという間に脱落だ! さあ、これで残るは千陽と弥生の二人だけとなりました! 二人の一騎打ちを制した方のチームが決勝へコマを進めます!!』


 ワァァァァァァァァァッ!!!!!!


 西側では、月明かりに照らされた緑色の長髪をなびかせる少女は中央の城を見つめた。


(やっぱり千陽くんは残るわよね。でも、彼を決勝に行かせるわけにはいかない。ここで私が止める……!)


 一方東側では、レーザーで焼けた戦場跡で、燃えるような赤い髪をした少年も城を眺めていた。


(弥生……そして理事長か。やはり何かを企んでいるな。二人には悪いが、僕ももう一つの顔のために、ここで負けるわけにはいかないんだ)


『さあCブロック準決勝もいよいよ終盤です! 両者が中央に(そび)え立つ城へと向かっていく!! 決戦の舞台は、美しい夜桜が舞う城だ!!!』


 二人は、それぞれ西門、東門を開けて、城へと入る。


『この城は1フロアにたくさんの部屋があり、それが8階まであるというかなり広い城です!』


 タッタッタッタッ!


『両者はまるで迷路のような城で、お互いを探しているようだ!!』


『おそらく彼らの周りは次元が歪みすぎて、次元のセンサーでは簡単に見つけられないんでしょうねぇ!』


 タッタッタッタッ!!


 バッ!!!


『さあ、両者が6階の大広間で出会ったぞ!! 二人の距離は100 mくらいか!?!?』


 ピカッ……ドォォォォォォォン!!!!!


 シュンッ!!!


『千陽が弥生をめがけてレーザー光線を放ったが、それは命中せず!! これは弥生が避けたのか!?!?』


『いいえ、今のは弥生選手が念力で千陽選手を惑わせて外させましたねぇ!』


 心乃さんの目はエメラルドに輝いており、【生命の次元】を通じて朝日さんの心を侵食し、操ろうとしている。


『弥生が千陽の精神に干渉しているのか、千陽は思うように動けないようだ! レーザーを乱射するが、全く弥生に当たる気配がないぞ!!』


「あなたの心を完全に乗っ取ることはできないけど、惑わすくらいならできるのよ!」


「……君が強敵であることなんて、はなから知っているさ。でも、僕は負けるわけにはいかない!」


 千陽の目がますますルビーのように輝きだした。


「これは……熱い……!!」


『おおっと!! 二人の発汗が尋常じゃなくなってきたぞ!! ああっと、館に火がついている!!』


『千陽選手が気温を大幅に上げ、さらに館に火をつけましたねぇ!!』


『レーザーを命中させる精度の高い技は使えないものの、全体への攻撃は混乱していても使えるということか! 火は瞬くまに燃え広がり、一気に炎のフィールドとなったぞ!!』


 心乃さんは部屋を移動したり、上の階へ上がったりするが、この猛暑と炎からは逃げられない。果ては頂上まで上がり、もう逃げ場はなくなった。

 朝日さんも心乃さんのマインドコントロールを【エネルギーの次元】でなんとか弱めながら、ゆっくりと頂上にたどり着いた。


「……どうやら早く決着させないといけないみたいね」


「……終わりにしよう、弥生……!」


 パチパチ……パチパチ……


『燃え盛る炎の中、念力で千陽の心身を封じながら攻撃を仕掛ける弥生と、光や熱、風や音など様々なエネルギーを使って迎え撃つ千陽! まさに異次元!! これが次元を支配する超能力者同士の衝突だ!!!』


「さあ、終わらせましょう!!!」


 心乃さんの目は一層輝きを増した。


『ああっと! さらに千陽の動きがさらに鈍くなっていく!! マインドコントロールを一段強めたようだ!! これは弥生で決まりか!?!?』


「!!」


 バタッ……!


『た、倒れた……! 弥生心乃が急に意識を失って倒れたぞ!!!』


「すまない、弥生。君の戦姿に敬意を表して、最終手段を使わせてもらったよ」


 パリン!!


『弥生心乃のバッジが割られた!!! 勝者は千陽朝日、チーム48決勝進出です!!!』


 ワァァァァァァァァァッ!!!!


『それにしても弥生心乃は大丈夫か!? 体中のエネルギーががなくなったかのように、動かなくなったぞ!!』


 パチン


 朝日さんが指を鳴らし、辺りの炎は静まった。




「……っ!! 私、今急に脱力して……」


 心乃さんが意識を取り戻した頃には、既に火は鎮火し、朝日さんは既にその場にはいなくなっていた。

 心乃さんは手で胸の壊れたバッジをさする。


「……そっか。私、負けたのね……」


 城の焼け跡に残された少女はそのまま横になり、焼けて壊れた障子から散っていく桜の花びらと、丸い月が昇った星空を眺めていた。


『星野さん、今のは……!?』


『千陽選手が弥生選手のエネルギーを吸い取ったのでしょうねぇ。でもおそらく、そんな大技は、かなりの至近距離でかつ大量のマナを消費しないと発動できないのだと思いますねぇ』


『なるほど、まさに千陽選手の最後の手段というわけですね。超能力者の二人はその名に恥じない素晴らしい戦いを見せてくれました。会場内からはたくさんの歓声と拍手が沸き起こっています!! さあ、14時からは引き続きDブロックの準決勝が行われます!』


 俺は観戦するのに夢中になりすぎて、この試合が始まる前に買ったフランクフルトがまるごと残っていた。


「決勝に進んだのは朝日さん……。ということは、時谷未来とこの朝日さんに対して、俺は小雲先輩なしで戦わないといけないのか……」


「誰がなしと?」


「こ、小雲先輩!?」


 そこには病院にいったはずの小雲先輩がいた。


「おい七道、お前病院は!?」


「行ってきました。大した事はありませんでした。明日はしっかり出られます!」


「ちょ、無理するなよ七道! 医者がそう言っても結構な重症だろ……」


「出ます!!!」


「わ、分かった。でも、絶対無理はするなよ!」


「はい!」


(昨日の感じからしても、軽い怪我ではなかったはず。本当に医者は大丈夫と言ったのかな……)

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