表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【創作BL】戦う魔王様!?~魔王様は勇者の仲間に紛れ込みました~  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第13章 主人公は限界だった

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/214

知らない事はまだある

 時間は、レオンがカノンに連れ去られた後に遡る。

「レオン様はいますか!」

 ホーリィロウが、真っ青な顔でイオ達の部屋にやってきた。

 現在レオン達が帰ってきた時、お祝いをするための用意をしていたのだが。

「……レオン様とカノン君……やはり両方戻ってきていませんね」

 深刻そうなホーリィロウに、そういえば彼もカノンを狙っていたのだったと全員が思い出した。

 だが、このお祝いの横断幕を見て、悲しげに溜息をつく。

「そうですか……カノン君はレオン様のものに……」

「で、でもホーリィロウ様はもてますから、すぐ良い人が見つかりますよ」

 そう後から追いかけてきた仲間がなだめるも、

「……僕はずっと昔からカノン君一筋だったのに」

「え?」

 全員がその言葉に疑問符を浮かべた。

 それにホーリィロウは小さく暗く笑って、

「昔、実践経験のためにとあるパーティにいたのです。その時に、カノン君がいて……何度も助けられて。当時鼻持ちならない子供だった僕は、自分がまだ弱いことに気づいたのです。そしてその時からずっと好きでした」

 あの後彼が魔王だとこっそり仲間の人が教えてくれて、それでも忘れられなくて、努力して強くなった。

 勇者に選ばれた時はとても嬉しかった。

 これであの人の傍にいられると思ったから。なのに、

「……僕が強くなる原動力だったのに、彼はレオン様のものに」

 ホーリィロウは今まで何でも手に入れてきた。

 それは、ホーリィロウにとっては簡単な事で。

 けれど一番欲しかったものは、何も手に入れる事の出来なかったレオンに渡ってしまった。

 そんなホーリィロウを不安そうに彼の仲間とイオ達が見守る。

 挫折をあまり知らないだけで、ホーリィロウは今まで順調に来たわけではない。

 そう、ホーリィロウはまだ諦めていなかった。

「そうですよ、大体レオン様は王子です。くくく」

 そう暗く笑うホーリィロウ。

 そこで全員が、そういえばカノンはその事を知らなかったなと思って、事情を知らないホーリィロウの仲間やイオとトランはだからどうなんだろうと首をかしげた。

 そこまで言って、ホーリィロウは溜息をつく。

「……もしもレオン様の無事こちらに帰ってこれたならば、僕達にも教えて頂けませんか? 色々と面倒なことになっているので」

 それに、イオ達は頷く。

 話はそれだけだったのだが、そう、すごすごと帰っていくホーリィロウを、レンヤが呼び止めた。

 不思議そうに振り返るホーリィロウに、

「貴方は、勇者に選ばれた事を後悔しますか?」

 その意味を図りかねて、けれど、ホーリィロウは首を振る。

「可能性をくれた分、感謝しています。完全に見込みがないのと、可能性があるのでは、天と地ほどの差がありますから……だから、僕は選んでくれた“光の神”に感謝しています」

「……そうですか」

 その言葉に何処かほっとしたようなレンヤに、ホーリィロウはいぶかしむも、その場を後にしたのだった。


「所で、いつごろカノンちゃん達帰ってくるの?」

 そう、ルカに問いかけるイオに、ルカがうーんとうなって、

「確か、朝だったかと。朝方レンヤ達といったあの場所の近くに、魔族の転送の魔方陣があるのでそれで戻ってくるのではないかと」

「へぇ、魔族の転送の魔方陣か。便利だね」

「ええ、人間には秘された魔法ですから。強固で複雑、かつ、魔族にしか使えないようになっている……そういうものです」

「あれ、四天王の城付近とかで僕達が使ったアレは?」

「ええ、あれは、人間達用に作った、技術をわざと下げて設置してあるものです。ですので十人位しか転送できません」

「そうなんだ。……ルカちゃんもそれを使うの?」

「え、いえ、我は魔法が今はすべて封じられている状態というか、Lv.0なので……」

 そういった途端、イオがにたっと笑った。

 その笑みにルカは身の危険を感じる。

「ええっと、我は用事を思い出し……ひぃ」

「良い事聞いちゃったなー」

 ルカが助けを求めるようにレンヤを見た。

 しかしレンヤは状況を見守っている。

「ルカちゃん。ルカちゃんにとっても良く似合うお洋服があるんだけれど、着てみない」

「い、嫌だ。とてつもなく危険な予感がする!」

「やだなぁ、ちょっとふりふりな女の子の服なのに」

「い、いやだ。そもそも女の子の服を買いに行った時、普通に女の子と我は間違えられたし!」

 そこでルカは墓穴を自ら掘った事に気づいた。

 イオが、ふふふと笑いながら、

「だよねー、ルカちゃんもカノンちゃんと同じでとてもよく似合いそう、じゅる」

「ひぃ、い、嫌だ。我だって一応男だし」

 とか何とか言いながら強制的にルカは、イオに服を着せられている。

「れ、レンヤ……たす、け……」

「レンヤ、ルカちゃんにこの服プレゼントするので手を打たない?」

「ルカ、がんばれ!」

「レンヤの薄情者ぉ――!」

 そんなルカの悲鳴が、部屋に響いたのだった。

次話は一時間後です。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ