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【創作BL】戦う魔王様!?~魔王様は勇者の仲間に紛れ込みました~  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第8章 孫が出来ました

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設定は読み飛ばす主義(1)

作った設定の説明回もどきです。

「……よし行ったか」

 カノンはレオン達が行ったことを確認して、ルカに微笑み返した。

「まずは、どうしてルカがこの時代に来たのかだが……」

「それが、どうも人間の方の都市で我が捕獲されそうになった時に、魔法が誤作動したらしくて……」

 人間に捕まりそうになった、と聞いて確かに弱い意味は捕まえ易いかも知れないが、何故魔王という立場で人の都市へ行く?。

 とりあえず一つずつカノンは確認していく事にした。

「……どうして捕縛される」

「今我はこれの影響で無力でして。それに、人間もいつまでやられっぱなしでいるつもりも無いらしくて」

「……そんな状態で、どうして人間の都市なんかに行った」

「いえ、魔族と人間と和平を結ぶために」

「…………………………………………」

「…………………………………………」

 カノンは何か変な事を聞いた気がした。

「えっと……和平? 人間と?」

「はい」

「ええっと、魔王がどうして人間をちょくちょく進行しているのかルカは知っているのか?」

「暇つぶしか、威光を示すためかと」

「……大抵の場合、魔王が復活したとしてあの性悪な光の神が勇者を選んだという信託と、人間達を襲わないという魔王と勇者との契約期間が切れて、のどちらかだ」

 そんな事も教えていないのかと、カノンは憤りを感じる。

 けれど、ルカは少し黙ってから、

「……先住民である闇の神の眷属である魔族への嫌がらせとして、光の神が人間を作った。そして、彼らを駆逐していくごとに力の強い“勇者”という人間が生まれた。微々たる力ではあるが、そんな者達を増やして魔族を危険に晒す必要は無い。けれど増えすぎても、この世界の魔族の領域に食い込んでくる……」

「そうだ。だから魔族を守るためにも魔王として、人を攻め入らなければならない」

 例えひきこもり気味でいたとしても、魔王としての責務を果たさなければとカノンは真面目に考えていた。

 敵対する者は容赦しないが、カノンは魔王として魔族への慈しみはある。

 そんなカノンに、ルカは一度瞳を閉じてから、

「……我が魔王を継いだ時には、光の神そのものが人となり、人間を襲うことでかの神の生まれ変わりと敵対するのを避けるのと、かの神の信託がなくなったために“勇者”が生まれなくなったのです」

「待て! 光の神が人間にだと! もしもあいつと直接対決したなら……」

「本来の力全てを出し切れるならば、勝てないと我も思います。そもそも魔族は、四天王を含めて多くの魔族達に力を分け与えすぎたために、光の神も闇の神も同等の力であったから、魔族達に力を分け与えた分、闇の神の化身である魔王は一対一では勝てない」

 そのとおりとカノンは頷いて顔を真っ青にさせる。

「そんな恐ろしい事になっているなんて。だが、まさかあのレンヤという者がそうではないのか?」

「……レンヤは我の恋人で、我を打ち負かして、我を手に入れました」

「やはりそうか……なんて事だ」

「ただその時、我に勝つための力が、我から提供されてしまって」

「どういう意味だ?」

「いえ、魔法が一切使えない状態の我が諸事情により魔王城から逃げ出さなければならず、その時世話になったのとその……やっぱり、レンヤの事が好きなので色々としてしまって」

「それで魔力を与えてしまったと。そして倒されたといいたいのか? ルカ」

「……はい」

 そうか、それであの勇者は恐ろしいほどの力を持っていたのかと納得して、次いで光の神とは関係ないのかと思いカノンは安堵する。

 その様子を見ながら、ルカはカノンが誤解したであろう事に気づいていたが黙っていた。

 そしてその不安がなくなったからだろう。

 魔力の受け渡しについてカノンは考えて、ルカ達がキスしまくりとはまったく、僕の目の黒いうちはそんな事をさせないぞとカノンは心の中で毒づく。

 そこで、ルカが続けた。

「話を戻しますが、他に様々な理由から、父の代からは暇つぶしと威光を示すためというニュアンスが強くなってしまっているのです」

「何でだ」

「ええっと、もうちょっと人間に甘くても良いかなっという事で」

「……………………」

 カノンは黙った。確かに今現在、特にカノンが人間に絆されかけているのは事実で。

 その影響がここまで出てしまったのだろうか。

 カノンには分からない。ただ、

「……時代が変わったのか」

「はい。特に我の時代はまだ一度も人間を襲った事がありません」

 その話についてカノンは疑問を持つ。

「……何でそれならば勇者が……あのレンヤとやらがいる」

「いえ、どうも父が人の王に手を出されかけた挙句、元魔王だと気付いてやられる前にやれとなったそうです」

「……馬鹿か! その人の王は。というか魔王がどんなものだと、人の王とどう関わっているのかも知らないのか!」

「なんといいますか、我が攻撃しなかったのであまりにも平和であったため、平和ボケしてしまって、その人の王はそういった事を一切学ばず……学んだとしても覚えておらず、遊び暮らしていたらしいです」

「人間がばらばらでは面倒だから存在させてやっているというのに……確かに彼らには特に光の神は手心を加えてやっているようだが、身の程を知らない」

「……お祖父様、あまり悪口は言わないでください」

「だが……」

「けれどそのおかげで我はレンヤに再び会う切欠が得られたのです。それに、魔族の都市と人の都市との交流により新たな進歩を遂げるでしょう。ですから、悪いばかりではない」

「……魔族の都市? そんなものが有るのか?」

「え?」

「え?」

「……あ、そういえば、お祖父様は魔王城に引きこもっていたのでしたか」

「……そんなものが有るのか。それは行ってみたいな……」

「……止めたほうが良いと思われます。我もあまり行きませんし」

「何故だ?」

「魔王は魔物達に愛される存在なので、魔王が都市を訪れるとその関係上都市機能が麻痺してしまうので、できるだけ来ないでほしいとの事です。魔物達は個人的には来てほしいですし見たいらしいですが」

「……好かれているのか嫌われているのか分からない」

「確かに。そのため、都市の支配は基本的に四天王が担っており、魔王がそういった能力を持たなくても機能するように作られています。それでも魔王としての仕事が完全に無いわけではないですが……」

「……僕は何もしていない。それに四天王がそんな役割を担っていたなんて……」

「大丈夫ですよ。これから少しずつ変えて行けば良いのです。分かった時が、一番早い修正をする機会のですから」

 ただ彼らが今舞おうと敵対している可能性があるのをルカは知っているのだろうか?。

 それとも、今後和解するのか。もしくは本当は敵対していないのか。

 いずれにせよ、魔王と四天王が後々良好な関係になるのは確実のようだった。

 それがどのような過程を経るのかは分からないが。

 まずカノンはルカにうなずき、

「……そうだね。ところでルカ。四天王とルカはどのように付き合っている?」

「一緒に魔王城に住んでいます。仕事の関係上その方が都合がいいですし、それに昔から我の事を可愛がってくれていましたから家族のように思っていますし」

「……昔からという事は、僕の息子に当たる者と同年代ぐらいか? あいつらに襲われたりしないのか? あいつら、どいつもこいつも僕にキスをするから……」

「あ、それは大丈夫です。父様が言うには『幼い頃から上下関係をきっちり教え込めば、襲おうなんて気を起こさない』だそうです」

「な、なるほど。ちなみに四天王は、僕の息子の事をなんて言っている?」

「サドとか、襲う以前に恐怖が込み上げてきて、そんな恋愛対象にはならないとか散々言っています。我には優しい父様なのですが、四天王には少し厳しいかもしれません……」

 そんなほわんとしたルカに、そうなってくると逆にルカに狙いを定めてこないか心配ではあったが、一応彼らを信頼しているようなので、そういう対象ではないのだろうとカノンは思った。

 そこではたと気付く。

「けれどそれでは、満月の夜はどうする。全てが果物だけを食べる、見目麗しい力の弱い魔物だけではないだろう? ……ああ、それと僕は今は、そういう魔物と人間のハーフで、レオンの幼馴染だと記憶操作をしているから」 

「ええっと、記憶操作ですか?」

「そうだ」

「……分かりました」

 思案するようにルカは黙りこむ。

 突然黙ってしまったルカに、カノンは何か変な事をいってしまったのだろうかと不安になる。

 それに気づいたのかルカは何でもないですと笑って、先ほどのカノンの疑問に答える。

「満月の夜の、魔物の破壊衝動は、我の代では何といいますか……発情する呪いに変わってしまって」

「……おい」

「ちなみにこの首飾りの原型は、お祖父様がが自身が満月の夜の衝動に悩まされないようにと作り上げたものです」

「そうなのか……でも、そんなものを使う必要があるのか? 僕が」

「……今現在も人と関わっていますので、その保険として作ったのかもしれません。詳しい事情は我も知らないのです」

「そうか……しかしそんな首飾りの魔道具がどうして、そんな村人Aレベルの能力になるものに変わったんだ?」

「いえ、何でも父様が恋人の勇者につけようかなと思ってつくり、宝物庫に放置したのを我が誤ってつけてしまって」

「何故そんなものを誤ってつけた」

 そこでふっとルカは遠くを見るような目をして、

「全てはバナナの皮が悪いのです」

「それならば仕方が無い」

 はあと、カノンとルカはお互いため息を付いた。

 あの辛さは同じもの同士にしか分からない。しかし、

「人間の勇者が恋人であるのならば、そんなものに改造する必要が無いのでは? 息子にはその衝動が出なかったのか?」

「我自身がその満月の夜の破壊衝動が出ず、また、魔力が強いためにそれを抑えることが出来たため、父様が恋人と出会ってからもその日は我が手を握って抑えていましたから。その呪いが変化するまで」

「何故呪いは変化した」

「色々ありまして」

 そうさらっと流される。そんなルカを見て、

「何か隠している事があるだろう?」

 と問いかけると、ルカはびくっと体を震わせた。

 とても困ったように視線をさまよわせるルカに、カノンは仕方が無いと笑って、

「それらに関してはそのうち教えてもらえるか?」

「はい。その時がくれば」

 今はそれで十分。ルカは未来から来たのだから過去にどの程度影響が出るのかわからないから、けれどそれでもいろいろと話してくれたほうだと思う。

 それはカノンへの信頼なのだろうと思い、それ故に孫のルカが更に愛しくなる。

 だがそれ故に、

「……レンヤは気に入らないが」

 つい声に出してしまうと、ルカが悲しげに、

「何も言わないから、何も感じていないわけではないのです」

「……そうだな。ただ、僕はあのレンヤに酷く敵意を感じる。それを分かっていて欲しい」

「……分かりました」

 そう悲しげにルカは頷く。

 その理由もルカは分かっていたから。だから黙っている。

 そこで、話を変えようと、カノンはあの約束を思い出した。

「そういえば、子供の作り方を教えて欲しい」

「……お祖父様、それよりも、満月の夜の衝動を抑える首飾りを作りませんか?」

 ルカは全力で逃げた。

 だって、それを言うと何かとても良くない事が起きるような気がする。

 というか、レンヤとの関係もあり、何か嫌な予感がする。

 そう、本能的にルカは悟ったので言ってみるが、

「……まあいいや。確かにもうすぐレオン達が戻ってきそうだし、魔道具の話なら聞かれても問題ないだろうし。でも、そのうち教えてね?」

 にっこりと有無を言わさずカノンに微笑まれて、あう、と小さく呟いてルカは頷いたのだった。

お気に入り、評価ありがとうございます。とても励みになります。


次の更新は18:00ですがよろしくお願いいたします。

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