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【創作BL】戦う魔王様!?~魔王様は勇者の仲間に紛れ込みました~  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第7章 戻ってきた日常(3)

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あれ、いつもと違う件

 今日の夜は満月なので、昼間は大人しくしつつ、夜は宿を抜け出そうとカノンは考えた。

 考えはした。

「それじゃあ、行って来るから!」

 とレオンが言って走り出したのを、カノンは、そうか、レオンは何処か行くのかー、と見送っていたら、イオに小突かれる。

「カノンちゃん、レオンはナンパしに行っちゃったのに良いの?」

「……しまった」

 カノンが慌てて追いかけるもレオンは既に影も形も無い。

「レオン……」

 機嫌を悪くしてレオンの姿を探すカノン。その様子がイオには珍しく思える。

 そもそもいつもなら、レオンのその行動に、ああまったくもう、といった感じで、もっと仕方が無いなという雰囲気があるのに、今はむすっとして、レオンの事なんか知らない、といった感じである。

 これは、面白いわー、とイオが心の中で思いつつ、この展開は見逃せないと確信した。

「じゃあカノンちゃん、今日は僕とトランも一緒に探すよ」

 珍しい申し出に、カノンはイオを見て、トランを見て……半眼になった。

「……面白がっているだろう」

「まさか! 酷いよ、カノンちゃん。僕の好意をこんな風にないがしろにするなんて!」

[……まあいいけどさ。悪いのはレオンだし。……他の奴に目ばっかりいって……」

「……ソウデスネ」

 イオは前から思っているのだが、カノンは自分が何を言っているのか、レオンにどれほど執着しているのか気付いていない節がある。

――それとも気付きたくないのかな?。

 さっきの事といい、そうとも考えられるが、いずれにせよカノンがレオンを意識しまくりなのは変わりない。

「ようし、僕も頑張っちゃうぞー」

 イオが何故か張り切った声を上げたのだった。


 見つけた先にいるレオンは、何故か銀髪の子ばかり三人侍らせていた。

 むしろレオンが少し引いているようにも見える。

 というか、レオンが捕まえられている感じだ。

 もう少し近づくと、綺麗な子で男の子二人と女の子一人。

 そしてそれを視界に入れた瞬間カノンは息を呑み、動きを止めじっとレオンの方を見て、そしてイオが止める間もなくきびすを返して走り去った。

 しかも魔法で速度を上げた挙句、屋根の上まで飛び乗っていくので追いかけられない。

「トラン、どうしようか」

「とりあえずレオンに報告だな」

 そう二人が駆け出す。加えて二人をを見たレオンが心底ほっとした顔をしていたが、次にカノンが走り去ったと聞いて焦っていた。

「え、だっていつもなら……」

「うん、蹴りいれて引きずり倒して連れ帰ってくるよね……でも見た途端、カノンちゃん逃げちゃった」

「そうか……」

「レオン、嬉しそうだよね。気持ちは分かるけれど早く探して、なだめないと不味いんじゃないかな?」

「そうだな。俺、頑張る。さっきの奴らみたいに、俺の事、カノンはアクセサリー扱いしないし」

 気の毒な発言のレオンを連れてイオ達はカノンを探そうと走り出したのだった。


 レオンのばか、ばか、ばかっ!。僕だって銀髪じゃないか。だったら他の奴にすれば良いのに!。

 思わず頭にきてついその場を逃げ出してしまったが、気が付くと見知らぬ場所に来ていた。

 やけに高級そうだが、静かな建物が連なっている。

 こういう場所はあまりいない方が良いと思いカノンはそこから離れようと歩きだす。

 そこで角から人影が一つ飛び出してくる。

 それを見てカノンは叫びそうになり、けれど違う事に気づく。

 彼は、カノンの獲物ではない。

 けれど、どうも誰かが探しているようだから、カノンは彼の手を引っ張って小さく呪文を唱える。

「いたか!」

「いや、こちらにはいない」

 そう彼らは話して去っていく。いなくなったことを確認して、カノンは術を解いた。

「ありがとう、助かったよ。えっと……」

「カノン。所で聞いて良いか?」

「何でしょう」

「お前はレオンの親戚か?」

 そのカノンの問いかけに、彼は警戒したようだった。

 だから、カノンは説明する。

「においが……ではなく、姿も似ているから……」

 観察するようにカノンを見る彼に、カノンはついレオンと比較してしまう。

 レオンはもっと柔らかく、優しくカノンを微笑んで見る。

「……君はレオンの“仲間”のカノン、か?」

「知っているのか?」

「……ああ。一度、私も話してみたかったんだ。……少し、時間がもらえるか?」

「良いですが……貴方の名は?」

「ミラン。私はレオンの従兄弟にあたる」

「それではミラン、よろしく。ところで行きたい場所はある?」

「ホーリィロウの所が良い。彼にも少し話があるから」

 それに頷いて、カノンは歩き出したのだった。

お気に入り、評価ありがとうございます。とても励みになります。


次回更新は近いうちに。よろしくお願いいたします。



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