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【創作BL】戦う魔王様!?~魔王様は勇者の仲間に紛れ込みました~  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第5章 戻ってきた日常(2)

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硝子な心

 多分見物していた客だろう、彼にカノンは聞いていた。

「赤い衣装の魔族の集団がやってきて、踊り子をよこせと。でなければどうなるか分かっているなと」

「赤い衣装……他に何か特徴は?」

「そうですね……ああ、赤い石の、炎をかたどった飾りをつけていました」

「炎をかたどった赤い石」

 考え込むようにカノンは、顎に手を当てて、

「服装はどちらかというと個性的な方でしたか?」

「……そうですね、見たことも無いけれどきっちりとしたカッコイイ服でしたね、言われてみれば」

「ありがとうございます、分かりました」

 そうお礼を言って、カノンはレオンを連れて、人気の少ない部屋の隅に行く。

「きゃあ、カノン大胆!」

「こういうときは冗談を言うのはやめろ」

「はい」

「……多分、炎の四天王だと思う。イオを連れ去ったの」

「……何でまた」

「それは当人に聞いてみないと。ただ、服装とか踊りとかそういったものに興味があるらしい」

「詳しいな、カノン」

「……昔父様から聞いた」

 一応カノンも魔王なので、魔族の有力者達の知識は持っている。

 実際に文を贈り、彼らがどのような考えなのかを問うたのは数週間前の事。

 念には念をと、こうやってカノンがじきじきに動いているわけだが。

 困ったなと、レオンが呟いた。

「奇襲をかけるにも、俺達三人で、何処にいるかわから無いイオを探し出して、連れて逃げないといけない」

「前回の、風の四天王のようなわけにはいかないだろうね。かといって手伝ってくれそうな人間なんて……」

 そうカノンが、難しそうに呟いた所で声がかけられた。

「手伝おうか?」

 気が付くと、先ほど眠らせたはずのホーリィロウが立っていた。


「眠らせる魔法を使っておいたのに?」

「補助の魔道具で、効き難くはなっているんだ。もっとも少しは聞いていたおかげで、イオ君が連れ去られた時は動けなかったけれどね」

「……そうですか」

 そこでカノンはもしも彼らを眠らせていなかったなら、イオは無事だっただろうかと自問自答してしまう。

 けれど過ぎ去った事よりも、今はイオをどうにかしなければと頭を切り替える。

 そして、先ほどホーリィロウは何といった・。

「手伝っていただけるのですか?」

「勇者の仕事は主に人助けだからね」

 そうにこやかに笑うホーリィロウに、カノンは戸惑ったように見上げて。

「本当に?」

「ええ。特に貴方が望むのであれば」

「はい! そこまで!」

 レオンがホーリィロウとカノンの間に割り込んだ。

 レオンの顔が心なしか血の気が引いているように見えるのは気のせいだろうか。

 カノンを背後に隠すようにレオンがホーリィロウに向き合い、

「よろしく」

「少し位お話させて頂いても良いのでは? レオン様」

「……カノンは、"幼馴染"だから。悪い虫がつかないようにしないと」

「それを言ったなら、レオン様も悪い虫では?」

 二人の間お空気が重い。そこで、

「ごめんなさい、僕、ホーリィロウの事誤解していた。その……ありがとう」

 とカノンがレオンの横から顔を出し、少し頬を赤らめて満点の笑顔で微笑む。

 こんな笑顔俺だってめったに見れないのにと、心の狭い事をレオンが考えていると、ホーリィロウが顔を背けた。

「いや、当然の事をしたまでです」

 そんな風に顔を背けて答えるホーリィロウ。

 目を合わせないその様子に、カノンが少ししょんぼりしたように目を伏せる。

 だから一応恋敵とはいえ、ホーリィロウの気持ちも分からないでは無いレオンは、カノンに付け加えた。

「カノン、あんまりそういう可愛い顔で悩殺するのはどうかと思うんだ」

 落ち込んだようなカノンが、レオンのその言葉を聞いた瞬間半眼になった。

「……そういう発想しか出来ないのか、お前は」

「人間の三大欲求の一つは性欲です」

「堂々と言うな! 少しは恥じらいを持て」

「え? 『僕、恥ずかしい……』こんな感じですか?」

 唇に手を当てて、しなを作るレオン。

 カノンはため息を付いて、頭が痛そうに首を振った。

「気持ち悪いから止めてくれ」

「酷い! 俺の硝子のように繊細な心が傷ついた!」

「随分と硬いんだな」

「その代わり脆いぞ?」

 ああ言えばこういうレオンに、これ以上問答していてもしょうがないとカノンはホーリィロウに向き合う。

 ホーリィロウは何処か楽しそうに笑っていた。

 それが何となく気恥ずかしくなり、カノンは話題を振る。

「それで、いつ頃出発しますか?」

「僕が聞いた範囲ではイオ君に踊りを教わりたいといっていたから、そんなに酷い扱いはされないだろう。とりあえず酒を抜いてからの方が良い」

「確かにトランも凄い事になっていたから……でもその理由であれば、すぐに酷い目に合わせられそうに無いかな……」

「逆に酷い目にあわせているかもしれないけれどな」

「どういう事?、レオン」

「いや、その理由だとまあ色々。どの道助けに行く事に変わりないから大丈夫だろう」

 それ以上レオンは話すつもりが無いらしく、誤魔化したまま。

 そして待ち合わせの時間を決めて、カノン達はホーリィロウと別れたのだった。

お気に入り、評価ありがとうございます。とても励みになります。



次回更新は未定ですが、よろしくお願いいたします




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