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【織田信長編】第18章:オリエント統一戦争、神の領域への進撃

魔導蒸気機関の鉄路と、圧倒的な常備鉄砲隊を手にした覇王・織田信長は、ついにその牙をオリエント全域へと剥いた。光の書物が映し出したのは、エルサレムを中心に広がる砂漠の大地が、急速に黒い煙と鋼鉄の軍靴によって覆われていく幻影であった。元の歴史では、イスラエルは周辺の大帝国であるエジプト、アッシリア、そして新バビロニアの気まぐれな侵略に常に怯え、貢ぎ物をむしり取られる弱小国に過ぎなかった。「攻め込まれるのを待つなど、余の兵法にはない」信長は不敵に笑い、南蛮マントを風に激しくなびかせた。「敵が巨大であればこそ、こちらからその急所を突き、一網打尽にする。鉄路を用いて数万の常備軍を瞬時に国境へ配備し、エジプトの戦車隊も、アッシリアの騎兵も、すべて我が鉄砲の三段撃ちの前に平伏させてやるわ。この戦いは、単なる領土の奪い合いではない。古い神々の権威を地上から駆逐し、人間が自らの力で平和を掴むための『天下布武』の完結である」信長は自らの苛烈な覇気を万年筆の先へと込め、光の文字を侵食していった。彼が刻み込んだのは、個別の部族や王国の枠組みを完全に解体し、広大な領域に一元的な秩序をもたらすための、近代的な国家主権の最高概念であった。――「統治権」(とうちけん)――「主権」(しゅけん)戦国覇王の力強い筆致が、聖典に眠る古い「諸国の侵略と滅亡」の記述を、圧倒的な武力による「超巨大帝国の一元的統一」の記述へと塗り替えていった。『総督ゼルバベル率いるイスラエル連邦軍は、宣戦を布告してきたエジプトおよび周辺諸国の連合軍に対し、電撃的な進撃を開始した。鉄路によって瞬時に移動した鉄砲隊の斉射は、古代の戦車や槍ぶすまを一瞬で粉砕した。王は勝利の地で宣言した。「これより、エジプトからバビロンに至るすべての土地の主権は、我がエルサレム政府に帰属する。諸国の古い神々は廃され、唯一無二の『法』による統治権がこの大地を支配するのだ」』信長が改訂を終えた瞬間、オリエントの地図がエルサレムを中心とした鮮やかな一色に染まった。戦火は瞬時に消え去り、そこには神の奇跡に頼る弱小国ではなく、圧倒的な軍事合理性によって全土を統一した、人類史上初の「近代的超帝国」が誕生していた。「フハハ! 天下は我が手の中にあり!」信長は刀の柄を叩き、豪快に笑った。「神どもよ、これが人間の、そして余の天下布武だ」【伊藤博文編】第20章:オリエント平和連盟、多国間条約の調印一方、時空の対極でその圧倒的な統一の可能性を眺めていた伊藤博文は、武力による強引な併合ではなく、対等な「法と対話」による不滅の平和秩序の構築に挑んでいた。信長が力による統一を選んだのに対し、伊藤が目指したのは、周辺のあらゆる大帝国を一つの机に就かせ、世界初の「国際連盟」を創り出すことであった。元の聖書では、諸国は互いを「割礼なき異邦人」として憎み合い、血で血を洗う不毛な戦争を何世代も続けていた。「武力による平和は、いつか更なる武力によって覆されます。国家が真に永続するためには、互いの独立を認め合う『法の枠組み』が必要です」伊藤は眼鏡の奥の目を鋭く光らせ、万年筆を静かに構えた。彼の脳裏には、明治の日本が欧米列強との間で辛抱強く外交交渉を重ね、国際社会における対等な地位を勝ち取っていったあの近代外交の真髄が脈打っていた。「エジプトも、バビロンも、ペルシアも、すべてを等しく『国際法』の支配下に置くのです。宗教や民族の壁を越え、対等な立場で利益を分かち合うシステム。それこそが、神なき世界における真の救済です」伊藤の筆先から、青く澄んだ理性の光がページへと迸った。明治の先達たちが、国家の自立と平和を法的・組織的に担保するために生み出した最高概念が、今、古代の聖典に刻まれる。――「外交」(がいこう)――「条約」(じょうやく)これらの近代国際政治の精髄が、聖書に描かれていた「終わりなき宗教戦争」の記述を、完全に塗り替えていった。『総督ネヘミヤは、エルサレムの大議事堂にエジプト、アッシリア、ペルシアの皇帝たちを招き、歴史上初の「オリエント平和連盟(国際連盟)」の創設を宣言した。各国は対等な外交関係を結び、以下の『多国間安全保障条約』に調印した。「第一条。加盟国は互いの主権と領土を尊重する。第二条。紛争が生じた際は、武力ではなく、連盟裁判所における法の議論によってこれを解決する」』伊藤の万年筆が最後の文を綴ると、エルサレムを囲む国境線からすべての銃口が取り払われた。そこには、互いを侵略し合う野蛮な王国は消え去り、共通の国際法の下で自由通商と平和を謳歌する「近代的な国際社会」の雛形が完成していた。「これで、旧約聖書の改訂は真の完成を見ました」伊藤は万年筆を胸に収め、誇らしげに微笑んだ。「信長公、我々の創り出したこの『理性の設計図』が、これからの地上を永遠に照らし続けるでしょう」

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