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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.4 挨拶回り

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第37話 カズヤ式教育法

金髪豚野郎と豚人間達の処遇だが、そうだな……

「おい、ちゃんとお前の部下に命令しろ」

「わ、解りましたから、もう殴らないで欲しいブヒ」

 鼻血を出してる金髪豚野郎は、俺に言われヨロヨロと立ち上がる。


「皆の者、整列するのだ! 早くしろ! もう殴られたくないブヒ!」

 必死にオーク達に整列するよう指示をする金髪豚野郎。

 豚人間もちゃんと言う事を聞いてくれるとなんだか可愛く見えてくるな。


 オーク達が広場になってるとこに整列した。

 多くが逃げ出したが、まだ、50名程残っているな。


「カズヤ様、オークを並べてどうするんですか?」

「殺して、食べちゃいましょうよ」

 オーガの弥助、アキナの父娘が俺に聞いてきた。


「こ、殺さないでブヒィ!」

 金髪豚野郎が俺にしがみついて命乞い。

「いや、だから殺さないって」

「ホントですよねブヒ、助けてくださいブヒ」

 心配性だなぁ。


「鬼助、鬼太郎、向こうでプルプルしてるゴブリンを連れてこい」

「は? はあ」

 鬼助と鬼太郎がゴブリンを呼びに行った。


「おい、残ったオーク達! 二人一組になって向かい合え!」


「ブヒ?」


「いや、だから向かい合うんだよ」

 俺が言った意味が分かんないのか、モタモタと……

 しょうがないので、一組向かい合わせて、同じようにしろと指示した。


「カズヤさん、どうするんですか?」

 ライネが聞いてきた。

 ペトリもボリスも意味が分かんないって顔をしているな。

「オーク達を許してやるつもりだが、その前にゴブリン達をイジメた罰を与えておくんだよ。

 ただ許すなんてゴブリン達からしたら納得できないだろ?」

「そういうもんですかね?」

「まぁ、見てなって」


 鬼助と鬼太郎に連れられ、65名のゴブリンの男女が俺の近くにやってきた。

「ゴブリン達、今からやる事をしっかり見てるんだぞ」

「あ、あの、カズヤ様、どうなされるおつもりですか?」

 ゴブリンの代表者のような老人ゴブリンが聞いてきた。

「見てたら解る」


 視線をオークに戻すと、二人一組向かい合いが完成していた。


「はい、それじゃぁ二人一組になって向かい合ったな。

 それじゃ、お前等、目の前のオークをぶん殴れ! 本気でやれ」


「ブヒ?」

「何を言ってブヒ?」

「どうして?」

「ええぇぇ」


 オーク達がザワつきだした。

「あー、やらないと、お前等を食材にするからな!

 それと、俺が本気でやってないと判断したら、即、オーガに命令して食材になってもらうから、皆頑張るように!」

 オーク達、オーガ達の目の色が変わる。


「死にたくねぇブヒ!」

「やらなきゃ殺されるブヒ!」


 オーガ達は、急いで殴り合いを始めた。

 オーガ達は、食材を処理する為に鉈や棍棒をもって集まってきた。


「カズヤ様! あそこの本気じゃないんじゃないですか?」

「お前等、手を抜いて良いんだぞ!」

「早く食わせろ!」

 オーガ達がオークに向かって野次りだしている。

 殺されたくないオーク達は必死で目の前のオークをぶん殴り続けた。


「おい、ゴブリンのみんな。

 どうだ? 楽しいか? お前達がもういいって言うまで続けさせるから」

 ゴブリン達が驚いた顔をしている。


「カズヤ様、ちょっと酷いんじゃないか? 残酷だよ!」

 ペトリが俺に抗議してきた。

「ゴブリンの集落を壊滅させたりって残酷じゃないのか?

 あいつ等は殺して良いけど、こっちはダメって事は無いだろう?」

「それでも、こんな痛めつけるような真似……」

 ライネ、そんな悲しそうな顔をしないでくれ。



「ハハハ、いい気味だぜ!」

「散々俺達をイジメやがって!」

「俺達の仲間がどれだけお前達に殺されたか! 思い知れ!」

「もっとやれ! 豚共!」


 ゴブリン達が大喜びで騒ぎ出した。

 よっぽど鬱憤が溜ってたのだろう。


 血だらけで、フラフラになりながらお互いを殴り続けるオーク達。


「お願いだ! もう止めさせてくれ!」

 金髪豚野郎が俺に懇願してきた。


「おらっ! パンチが遅くなってきたぞ! そんなに食材になりたいのかお前等!」

 俺は、金髪豚野郎を無視して殴り合いをしているオーガ達に言った。


「酷い! 悪魔だ! お前を許さない、絶対に殺してやる!」

「黙れ!」

 俺に向かってきた金髪豚野郎の腹を思いきり殴った。


「ぐ…… はっ」

 金髪豚野郎は、腹を押さえて倒れこむ。

 その光景を見たゴブリン達は完全に引いてるみたいだ。



「も、もう止めてくれ! 十分だ!」

「そうだ、酷いよアンタ!」

「強いからって、何をしても良いのか!」


 ゴブリン達が俺に文句を言い出した。


「なんだお前等、こいつ等を許すのか?

 俺に意見できんのか? あ?」

 ゴブリンに向かって言うと皆が黙りこんでしまった。

 そんなものか……


「待ってください!」

「ん?」

 先程の代表者のようなゴブリンが俺の前に立った。

「なんだよ? 言いたい事でもあるのか?」

 ゴブリンが震えている。


「制裁は、もう十分です。

 やめてあげてください、どうか、どうかカズヤ様!」

 土下座して俺に頼んできた。

 勇気を振り絞って俺に意見してきたんだろう。

 よっしゃ!


 地面に倒れている金髪豚野郎が土下座するゴブリンを驚いた顔で見ているのが見えた。

 そのゴブリンに感謝しろよ。


「はーい、殴り合いヤメ! 終了ーー!」

 殴り合いをしていたオーク達に言うと、安堵した表情になりバタバタとその場に皆倒れこんでいく。


(ったく、俺に頼むのが遅いから焦ったぞ。

 危うく全員死んじゃうトコだったじゃないか……

 殺し合いなんて、地獄だけで十分だ! 兎に角、ホッとしたぁ!)

 俺は冷静な表情を崩さない。


「おーい、ラージャ!」

「なんじゃ? 極悪人」

 睨むんじゃない、ラージャ。

「誰が、極悪人だよ!

 ゴブリンが負け犬根性のままじゃいけないと思ったから、あえてだな…… 何だ、その顔! 完全に信用してない顔だろソレ!

 もう、良いから空間収納開いて。

 ネット通販で薬とか買うから、早く豚人間を治療しないと可哀想だろ?」

「え?」

 ラージャがキョトンとした顔をしている。

 まさか、お前…… 俺がこんなの楽しんでやってたとでも本気で思っていたのか?

「……よ、よし、開くのじゃ!」

「頼むぞ」

 俺は、怪我したオーク達のためにシップや栄養ドリンクなどを購入し、ライネ達やゴブリン達に手伝ってもらいオークの手当をした。


 ん?

 ふと見ると、金髪豚野郎がゴブリンの代表者に話しかけている。

 思うトコでもあったのか?

 どれどれ、聞き耳でも立てますかな。



「なんでだ? 俺達は、お前達を沢山殺してきたのに……」

「あんた達も十分傷ついたし、死んだところで仲間は帰ってこない。

 それに、嫌になったからね。

 血だらけで殴り合うオーク達の姿を見ていると、つくづく暴力が嫌になった。 それだけだよ」

「……」

 金髪豚野郎が黙っている。


「オークだけじゃない。

 人間にも狩られ、俺達も人間を襲って……

 俺達は、カズヤ様について新天地に行く。

 あの悪魔のようにお強いカズヤ様の元で、穏やかな生活を送るんだ」

「……穏やかな生活か」

 金髪豚野郎は何やら思うところがあったようだ。


「どうだ、お互いに許し合う事が出来ないかもしれんが、争い合うのがバカバカしくなっただろう?

 暴力なんて、痛いだけでロクなもんじゃないよ」

 俺は、金髪豚野郎とゴブリンの代表者に言った。


「カズヤ様! 俺達も一緒に新天地の仲間に入れてくれないか!」

 金髪豚野郎が土下座して言ってきた。

 は?


「いや、ほら、人数も増えてるしさ、お前達もココを離れたくないだろう?

 無理しなくて良いから!

 それに、ライネ達から、お前等を暴力で無理やり仲間にしたと思われるし!」

 扶養人数が増えてしまう!

 なんとしても阻止!


「そうか、貴様等! 俺達の仲間の末席に加えてやろう!

 俺は、カズヤ様の幹部にして四天王が一人、バロネット・オーガの弥助!」

「弥助、お前何を」

「弥助様、ありがたき幸せ!

 この金髪豚野郎、誠心誠意、カズヤ様に忠誠を誓いまする!」

 金髪豚野郎が臣下の礼をとって弥助に首を垂れていた。


「いや、何を勝手に……」


「弥助! それでこそ、幹部よ! あっぱれなり!」

 ボリス?

「……おい、ボリス、お前は自分が何を言っているのか解ってい」

「カズ君、これでわが軍の勢力も大きくなるね!」

「人の話を聞け!」


「フフフ、ご心配なさらずとも、こいつ等が粗相なり謀反なりをした場合は、食料にすれば良いだけです!」

「何を言ってるんだアキナ」

 話に割り込んできたと思ったら……

「ナイスアイデア! 流石、我が娘よのう… これは、俺の四天王の座も危ういか? フフフ」

「弥助、さっきから、その四天王って何なんだよ!」

「父娘して、カズ君に尽くすが良い! ワハハハ!」

「だから、人の話を…」



 そんな光景を眺める三人。 


「また人数が増えるのかよ? ライネ、お前の家大丈夫か?」

「普通に無理だろ? こんなに魔物を連れて帰ったら、お父さん驚いちゃうよ!」

「そんな事はどうでも良いのじゃ!

 カズヤは馬鹿なのじゃ! 買って貰えるお菓子が減るのじゃ!」


 ペトリ、ライネ、ラージャは深くため息をついた。

配下が増えた。

い、いや、ほら、最悪魔物の食糧になるし…… 出来ないよ。

もう会話バリバリしちゃってるから、食べちゃうのも食べられちゃってるのを見るのも嫌だ。

どうすんだコレ?

って事で、次回も、乞うご期待!

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