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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.4 挨拶回り

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第36話 金髪豚野郎

平和主義者を自称する俺。

ゴブリン達をイジメたってオークが直ぐ近くまで来ているんだって。

鬼助と鬼太郎がオークに仕返しをした仕返しにやってくるようだ。

全く。

暴力は、暴力を生む。 悲しい事だ。

 ブホブホ言って二足歩行の豚が団体でやってきた。

 オークって奴か?

 リアルで見ると、アレだな、食欲が全然湧かないのだが……


「はい、ストップ! ちょっと止まって!」

 両手を大きく開いて、進軍してくるオークの軍勢の前に立ちはだかるのは、俺とラージャとライネとペトリとボリスと弥助とアキナと鬼助と鬼太郎。

 ゴブリン達は、少し離れてプルプル震えている。

 オークにイジメられたらしいからな、可哀想に。

 俺がガツンと言ってやるからな。


「なんだ、貴様は? ブヒィ」

 先頭のオークが俺に話しかけてきた。

 喋った……


「おい、カズヤ会話したぞ、コイツ。

 ホントに食べれるのか? 我は、全然食欲が湧かないのじゃ」

「だよな、小説とかだとバクバク食ってるんだけど……

 流石に会話出来るのを食うとか……ないな」

「カズヤさん、ダメだよ好き嫌いは」

「ライネもアレを食べたりするのか?!」

「カズヤ様も食べてたじゃん。

 山猫亭で出てた肉の中にオークのもあったよ」

「ゲッ、ペトリその話は本当なのか? なのじゃ」

 ラージャが驚いているが、俺もだよ。

 少なからず、現実でオークを見た後だとショックだな。

「丸々太って美味そうじゃないですか?」

「そうよね、父さん」

「弥助にアキナ、会話してる相手を美味そうとか、凄いな」



「何をゴチャゴチャ言ってるブヒ!」

 リアルオークがブヒっと言ってきた。

「すまん! 俺は、どうしてもお前らを食材として見れない」

 礼儀正しい俺は、豚に教えてあげた。


「人に向かって食材とは何事ブヒ!」

「そうだ、ブヒ! 食材はお前らブヒ!」

「旨そうな人間ブヒ! でも、失礼な事を言ったお前は、凄くマズそうブヒ!」

 豚人間がブヒブヒ喚いている。

 なぜか、俺だけマズそうとか言われた。


「俺は鯨が頭が良いから食べちゃダメと言うタイプの人間じゃないが、二足歩行で会話が出来る豚人間を食おうと思わないだけだ!

 だって、普通に気持ち悪くないか?

 だがしかし、それが文化だと言うなら食べるのを否定しない! 皆さん、勝手にどうぞ!」

 俺が個人的に豚人間を食べたくないだけだ。

 他の人の考えは否定しない。


「なんの話だブヒ! お前、頭おかしいブヒ!」

「そうだ、そうだブヒ!」

「イカレあたまブヒ!」

「女は犯して食ってやるブヒ!」

「オーガもいるようだけど、こっちの方が人数が多いブヒ! 負けないブヒ!」


「黙れ、豚野郎! 人に向かって頭おかしいとか失礼だろ!

 初対面なのだから、もっと丁寧な話し方が出来ないのか、腐れ豚共が!」

 礼儀の無い豚人間に忠告してあげた。

 

「いや、カズヤ、お前も大概なのじゃ」

 

 豚人間がザワザワしている。

 忠告してやったのに、全くもってしょうがない奴等だ!

 あっ!

「思い出した! お前ら、女の子をさらってイヤらしいスケベな事するんだろ!

 羨ま…、汚らわしい!

 俺は心が広いからな、改心するなら許してやっても良い。

 もう人を食べないし、女の子は犯しませんと誓え豚野郎!」

「ゴブリンだって、女を犯すじゃないかブヒ!

 オーガだって、人を食べるブヒ!」

「……」


「……ねぇ、ライネ、今の話は? 本当なの?」

 小声でライネに聞いた。

 ライネが頷いている。


「……」


「それは、それ! これは、これ!

 人がどうとか言うのは、関係ない!」

 キッパリと俺は言った。

 人に注意する時は、自分を棚に上げないといけない。

 そういうもんですよ。


「ふざけんな、プギィィーー!」

「自分勝手プギ!」


 騒ぐ豚人間達の奥から一際大きな豚人間が前の方に歩いてくるのが見えた。

 アレがこの集団の責任者か?

 確か、オークキングとか言ってたな。


「何をやっとる、お前ら! さっさと、駆逐せんか! ブヒ!」


ドゴオォォオオン!


 騒いでいた豚人間が吹っ飛んだ。

 オークキングが手に持つ金棒を振り回したせいだ。

 何やら怒っているようだ。

 豚人間の癖に金髪で擬人化具合がより人間に近くなっている。

 益々、食欲が湧かないキャラの登場だ。


「金髪豚野郎! 仲間同士で喧嘩をするな!

 暴力は、見ていて気分が悪くなる」

「なんだと、この野郎ブヒ!」

 金髪豚野郎がフー、フーと肩で息をしながら俺を見た。

 金髪豚野郎の分際で凄く怒ってる。


「お前が、ゴブリンをイジメていた首謀者か?!」


「いや、どう見てもボスなのじゃ」

 ボソっとラージャが言ったけど、一応確認の為に聞いただけだ、バカめ!


「ほう、旨そうな人間、しかも、女か……

 皆の者! 楽しめそうだぞブヒィー!」

 金髪豚野郎がライネ達を見て舌なめずりしやがった。

「……人の事をそういう目でみるなんて、最低だぜ!」 

 ビシッと言ってやった!


「カズヤも良く女の尻や胸をみてるのじゃ」

「ラージャ、少し黙ってろ」


「カズ君…… 心配してくれてありがと。

 でも、儂の体は、カズ君だけのものだからね☆」

「……」

 ボリスがウインクしてきたが、どうしたら良いのだろう。


「カズヤ様、危な」

 弥助? 何を叫ん


ボガァアアアア!


「カズヤさん!」

「カズヤ様!」

「カズ君!」


 いきなり脳天に金棒を受けた俺は、地面に突き刺さった。

 釘みたいに。


「ぷぷぷ、余所見してるからなのじゃ」

 ラージャが口元を押さえて俺に……

 よし、後で拳骨決定だ。


「次は、誰だ? まあ、全員皆殺しするから順番など、どうでも良いブヒな!」

「金髪豚野郎! よくもカズヤ様を!」

「そうだよ! 金髪豚野郎の分際で俺のカズヤ様に手を出した事を後悔させてやる!」

 ライネとペトリがかなり怒っている。

 いや、見た目ほど大した事無いから……


「金髪豚野郎って呼び名で確定なのかブヒ!」

 金髪豚野郎が金髪豚野郎と言われて憤慨している。

 事実だから罵倒では無いと思うのだが…… あっ!


「死んで詫びろ、金髪豚野郎!」

「ブヒッ! いつの間に!」

 金髪豚野郎の背後に回ったボリスが振りかぶった剣を


ガッ!


「え?」

「ブヒィ?」


 俺は、ボリスの手を掴み斬るのを防いだ。


「どうして? カズ君……」


「貴様は、俺が倒したハズなのに、何でなのだブヒ! ブヒ!」

 金髪豚野郎が鼻水たらして驚いている。

 汚いな。


「ボリス、暴力はいけない。

 弱い者イジメは良くない事だ」


「ブヒィィイイイイ!」

 金髪豚野郎が俺に向かって金棒を振り上げた。

 辞めとけば良いのに。


バチンッ!


 とてもスローな動きなので、がら空きの顔面にパンチを入れた。

 これなら、ベテラン亡者の方が強かった。


プシュッ!


 豚鼻から鼻血を吹き出し、膝から崩れ落ちる金髪豚野郎。

 落ちてきた頭を蹴って仰向けにした。

「よっこいしょ」

 馬乗りになって、


バゴッ!


「ブヒッ!」

 ぶん殴った。


バゴッ! バキッ! ドゴッ!……


 金髪豚野郎の両腕は俺の脛で押さえつけてあるので、無防備な顔面に容赦なく振り下ろされる俺の拳。


 オーク達に剣を向けて威嚇するボリス。

 弥助達やオーガの男達がオークを睨みつけている。

 威嚇や睨まれている事よりも、今目の前でボスがあっけなく倒され、ぶん殴られている姿に呆然としオーク達は、抵抗するわけでもなく只ジッとその光景を見ていた。

 現実感が無いのかもしれない。

 食料であるハズの人間が素手で自分達の上位種であるオークキングを打ちのめしているという光景の事が。



「や、やめて… ブヒィ……」

「人間を犯して殺して、ゴブリンの集落を壊滅させて、自分は無事だって思ったのか? ん?

 勘違いするなよ、俺はお前を殺さない。

 俺は、お前のような奴と違うからな」

 殴りながら教えてあげた。


「カズヤ、その辺にするのじゃ。

 どうやら、ここいらの奴は弱いみたいじゃから、死んでしまうぞ」

「そうか? まだ、いけると思うんだけど、俺は優しいからやめとくか」

 ラージャに言われた俺は殴るのをやめて、立ち上がった。

 拳が金髪豚野郎の血で真っ赤だ。

 豚人間達に俺は敵意がないとニッコリ笑いかけてあげた優しい俺。


「ひ、ひぃいいい! プギィイーー!」

「に、逃げ……」

 オーク達が腰を抜かしている。


「あっ! カズヤ様! オークが逃げます!」

 鬼助が言う通り、後ろのオークが走って行くのが見えた。

 しょうがない奴等だ。

 せっかく、性根を叩き直してやろうと思っていたのに半分くらいに減ったじゃないか。


「おい、お前の部下が逃げたぞ、金髪豚野郎。

 俺は優しいからお前の部下を殺さないでいてやるつもりなのに……」

「た、助けてブヒ……」

 かすれるような声で金髪豚野郎が言ったけど、教えてやる。

「ゴブリンもお前らに襲われた時にそう思ってたと思うぞ」

 

ハートフルカズヤ事、俺、藤野 和弥は、オークのボスを愛の鞭で懲らしめた。

これで反省してくれると良いのだが……

世界の皆が俺のように優しくなれば、みんな仲良くできるのにな。

さてと、この金髪豚野郎と豚人間をどうするかな……

って事で、次回も、乞うご期待!

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