第38話 目的地に着いた
増えたな。
王都を出発した時は、俺、ラージャ、ライネ、ペトリ、ボリスの5名だったのに……
ライネの親御さんに挨拶する為、オールストレーム領を目指している。
街道を進む俺達は、トラブルを避ける為に人のいる村や町に寄らないでいた。
だが、流石に街道を進んでいたら人に出会ってしまう。
出会った人は必ず驚いて逃げていくが、通報されて冒険者や騎士が俺達を討伐に来たらどうしよう。
不安に思いながらの旅路って事ですよ。
一応前後に先発、後発隊を組んで警戒させているが……
ガタゴト、ガタゴト……
俺、ラージャ、ライネ、ペトリ、ボリスが馬車に乗っている。
そんな俺達と行動を共にするのは、
弥助率いる、オーガ族 33名
(成人) 男性18名、成人女性15名
ゴーブ率いる、ゴブリン族 65名
(成人) 男性 20名、女性 19名
(子供) 男児 10名、女児 8名
(老人) 男性 4名、女性 4名
金髪豚野郎率いる、オーク族 45名
(成人) 男性 45名
魔物達。
行動が俊敏なゴブリンの中から選抜した奴等を偵察警戒部隊としてトランシーバーを渡して前後に配置してある。
何かあれば、俺達に知らせが来る事になっている。
そのおかげでトラブルらしいトラブルなくいられた。
ちなみに、ゴブリンとオーク全員、名前持ちだ。
俺が名前を付けてやったからな。
ゴブリン、オーク、それぞれの種族毎に全員同じ様な見た目だったのが、名前を付けると容姿が少し変化して各々個性がでたし能力が向上した。
どうでも良いのだが、誰が誰だか見分けやすくなったので助かる。
総勢148名の大所帯。
オーガだけでもヤバいのに、こんなんじゃ……
「絶対にオールストレーム領を襲いにきたと思われちまうよ!」
馬車に乗る俺が頭を抱え叫んだ。
「でしょうね…… ハハハハハ」
ライネ…… 目が笑っていない。
「どうした? ライネもカズ君も!
毎日、毎日同じ事を言って。
軍勢が増えたから、賊や魔物に襲われる事無く安全に進めてるんだし、ライネの家に魔物を入れる訳じゃないんだから」
ボリスがニコニコと…… お気楽だな。
「悩んでも仕方ないか…… ライネ、遠回りになっても良いから先にお前の家の領地にある山ってのに行こうぜ」
「そうさせて下さい。
この人数の魔物を連れて家族の前に行くのはまずいでしょうから」
ライネもそう言ってくれたし、決定な。
「よし、そんじゃライネ、ボリスに道案内を頼む。
ボリスも頑張ってくれよ」
「カズ君、任せてね!」
って事で、俺達は、オールストレーム領にある人が踏み入らない山ってのにまずは向かう事に決めた。
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数日後、オールストレーム領に到着した俺達。
周囲を取り囲む山の中に不気味な雰囲気が漂うのが見えた。
「あれじゃないだろうな……」
嫌な予感がす
「ほら! カズヤさん、あの山です!」
やっぱり、あの山か。
呪われてるんじゃないだろうな?
……泣き言を言ったところで仕方ない。
ここまで来たんだ、今更引き返せないだろう。
「そんじゃ、なるべく人に出会わないように迂回して、あの山に向かうぞ!」
目標の山が見えた事により、進む意欲が増した。
流石に見えてるってだけで山越えをしなきゃなんないからな、思ってるより遠い。
ゴールが見えたので辛さは減った気がする。
俺達は、一泊してなんとか目的の山に足を踏み入れる事が出来た。
「この山がそうなのか?」
不気味な雰囲気と思っていたが、案外普通の山じゃないか?
今のとこ、異常は無し。
「ハイ! カズヤさん、ここならば領民や人が来ることも無いハズです」
そうか……
俺達は更に奥地へ向かう事にした。
人が来ないであろう奥地へ……
当然、道など無いので馬車は馬を切り離してラージャの空間収納に入れた。
道中、バカでかい熊や、猪の化け物のようなのとか、肉食の鹿のようなのが襲ってきたが、これだけの人数の魔物が居るのだ。
難なく倒し俺達の食料が増えただけじゃなく、ストックまで出来た。
キノコの化け物や木の化け物植物系の化け物も多くいた。
襲ってくる者全てを倒しつつ安住の地を目指す。
オーガもゴブリンもオークも頼もしい奴等だ。
奥に行くほど敵が強くなっていったが、俺達は団体で当たるのでそれほど苦労もしなかった。
戦闘を繰り返した事によるのか、魔物達もどんどん強くなっていってるのも楽に進めれてる要因だろう。
背丈ほどある草をかき分け、更に奥へ。
大きな壁のような岩があった。
馬車が楽に何台か通れるほどの幅の裂け目があったので、そこを進むと草が生い茂る草原のような場所に出る事が出来た。
近くに川も流れている。
草原の向こうには広大な森。
広さも申し分無さそうだし、先程通った岩が城壁の役目をしてくれそうな感じだし……
「ここに決めた!」
俺の言葉を聞いた皆の顔が明るいものになる。
「そうですね、日当たりもよさそうですし、作物も育てやすそうです」
「そうか、ライネ、お前農業とかやった事があるのか?」
「いえ、ありませんが、カズヤさんの選んだ場所なんだから、きっと上手くいきますよ」
案外ライネもお気楽だな。
「仮にダメならライネの家の領民から作物を買ってきても良いし大丈夫ですよ!」
「ペトリ、そしたら馬車が通れる道を造らなきゃなんないぞ」
ボリスの言う通り、ヤる事は山積だな。
「カズヤ様、ボリス様! 力仕事なら任せてくださいよ!」
弥助が力こぶを作りながら笑っていた。
魔物達もやる気に満ちているように見える。
「ああ、頼む!」
頼もしい仲間だよ、弥助。
魔物達を集め
「そんじゃ! みんな、お疲れ! 到着だ!
ここを切り開き、俺達の村を造ろう!」
辛く苦しい行軍をしてきた俺の家族、そして仲間の魔物達。
「食い物も沢山あるし、良いとこだとおもいますよ、カズヤ様!」
「水辺も近くにあるしな!」
「とりあえず、この辺の草を刈ってしまうか?」
「道中長かったけど、良いとこじゃないか!」
ガヤガヤと魔物達が新天地に到着した事を喜んでいるようだ。
「ラージャ空間収納からオーガ達の家であるテントを出して。
到着早々疲れていると思うが、みんなでこの辺の草刈りするぞ!
薪も集めてくれよ!
終わったら、宴会だからな! 今日は記念日、酒も肉もバンバン出すぞ!」
「やったぜ! 宴会だ!」
弥助が大喜び。
いや、みんなか? ホントに宴会が大好きだな、みんな。
俺もだけど。
「父さん、さっさと邪魔な草を刈っちゃいましょう!
みんな! 宴会出来るように、この辺綺麗にするよ!」
アキナが皆を仕切ってくれ作業が始まった。
今日は晴れてるから良いが、住居の手配が急務だな。
暫くは、向こうの森で雨をしのぐとして……
「ラージャ、ちょっといいか?」
「なんじゃ?」
ラージャを呼び出した俺は、残金を確認した。
現地通貨
3,456ゴールドと8,654ギル(日本円にして約 34,568,654円)
日本円
11,562,500円
「現地通貨を2000ゴールド日本円にしよう」
「わかったのじゃ」
ラージャの承認を貰い日本円に変換する。
「えーと、木を切ったりするのに必要だろ?
斧 80本 96,000円
あると便利なんじゃないか?
鉈 100本 1,000,000円
スコップもあったら良いんじゃないか?
剣先スコップ 50本 100,000円
一本だけ買っとく?
大型チェーンソー 150,000円
混合燃料4L×2缶 5,400円
あっ! 金槌や鋸、鉋や釘とかも要る!
金槌 50個 50,000円
鋸 50本 70,000円
鉋はサイズ別に10個ずつで計 30個 335,000円
釘 各種サイズ 合計 100kg分 450,000円
俺に……
マウンテンバイク 50,000円
カッコいい見た目で選んだ
陸軍サバイバルナイフ 7,200円
金槌や鋸、鉋や釘なども、とりあえず購入っと!」
「おい、本当に必要だったのか? 数とかも適当だったのじゃ」
「何かに使うだろ? ざっくりで良いんだ、ざっくりで!
無駄だったら、売ればいいんだ、売れば。
多分ネット通販で買うより高く売れるだろうからな!
って事で、合計、231万3,600円でした。
ラージャ、残り2千924万8,900円も残ってるから大丈夫だって!
……それに、酒とつまみと宴会のものも必要だろ?」
ラージャの顔つきが変わった。
フフフ、好きだな、お前も……
「それの方が大事なのじゃ! あと、デザートにお菓子も必須なのじゃ!」
「任せておけい!」
テンションが上がって、宴会用の酒やつまみやお菓子やジュースで500万程使ってしまった……
ま、まぁ、余っても空間収納に入ってたら腐らないし、無駄にならないだろう。
残金
現地通貨
1,456ゴールドと8,654ギル(日本円にして約 14,568,654円)
日本円
24,205,400円
この日、俺達は、疲れた体で草を刈り終えた後、ストックしてた肉と酒で宴会をした。
草刈り機を買えば良かったと今更思ったところで、しょうがない。
兎に角、宴会は夜遅くまで続いたのだった。
何もないとこだけど、これから発展していけばいい。
力持ちの魔物が何人もいるんだ、みんなで頑張って生きて行こう!
あと、早くライネの親御さんに挨拶に行きたい。
って事で、次回も、乞うご期待!




