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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.4 挨拶回り

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第34話 オーガの里 その5

ライネに不味いとこを見られてしまった。

いや、別にまだ、エロ的行動をしてないので、俺にやましいとこなど一遍もないのだ、ここは、ちゃんと誤解を、誤解なのか知らんが、兎に角だ、言い訳をします。

 話の流れで、おっぱいのデカいオーガのアキナの背中に手を回していた俺。

 ソレをライネが目撃したらしく、泣きそうな顔をして立っている。

 兎に角、落ち着いて誤解を解くか。

「俺が大好きって言ったのは、オーガ達が大好きで見捨てる事などしないと言う意味だよ、ライネ」

 爽やかに言った。


「「おっぱ」って言ってましたよね? アキナのおっぱいの事ですか!」

 俺がポロっと言った事をライネが覚えていたようだ。

(クソッ! 気づいてやがったか! 誤魔化しちまえ)

「おっぱ? おっぱってなんだ? オーガだよ、ライネ。

 おはよう、よく眠れたかい?」

 爽やかな顔をしつつ内心焦って言った。

 こういう時は、話題を変えるに限る。

「ちゃんと眠れました…… って、誤魔化さないでください!」

 抗議するライネも可愛いな。


「カズヤ様、その方は?」

 アキナがライネをジッとみて聞いてきた。

 しょうがない奴だ。

「ライネだ。

 俺のフィアンセのライネ

 昨日の宴会の時に言ってなかったっけ?」

「カズヤ様の隣に座られてたのは見てましたけど、特に紹介とかありませんでしたよ」

 しょうがないのは、どうやら俺の方だったようだ。


「ライネ様、アキナでございます。

 どうか、宜しくお見知りおきを……」

 アキナがライネに跪いて言った。

 俺の時と態度が違う気がする…… 俺の眷属ですよね?


「あの、カズヤさん?」

 ほら、ライネが困ってる。


「アキナ、もっと、普通に接していいぞ。

 ライネが困っている。 むしろ、俺にもっと敬意とか」

「いえ、カズヤ様のフィアンセ様でございますから!」

 俺には跪く事なかったくせにな、アキナ。

 そして、俺の話をちゃんと最後まで聞け!


「あーー、ライネ。

 アキナの態度は、あんまり気にするな。

 最初の内だけだろう、そんな畏まった態度」

「そ、そう?

 でも凄いや、カズヤさん。

 こんなにオーガに懐かれるなんて」

 ライネが俺を尊敬するような目で見ている。

 とても気分が良い。

「俺は、ライネにさえ懐いてもらえたら、ソレだけで嬉しいんだよ」

「嬉しい!」

 ライネが俺に抱き着いてきた。

 やっぱり、ライネが一番可愛いな。

 オーガの女に浮気するとこだった、ゴメン。


「さ、ライネ様、この里を案内しましょう」


「え? おい!」

 アキナが、ライネの肩に手をやり、俺から引き剥がしやがった。

「カズヤさん!」

「ライネ!」

「大丈夫です、ぐるっと案内して差し上げるだけですから、さぁ、行きましょう! 直ぐ行きましょう!」

 強引にライネが連れ去られてしまった。

 まあ、危害を加えられる事など無いだろう。

 ……大丈夫だよな?


 少し不安に思いながらも、ラージャやペトリの元へと戻る事にした。

・

・

・



「ラージャ、これからどうするよ?」

 俺達に用意された家の中で作戦会議。


「お前が、勝手に扶養家族を増やしたのじゃ」

「そうですよ、さっさとライネの実家に向かえば良かったのに!」

 ラージャとペトリに責められた。

 全くその通りなのだが、

「今は、そんな事を言ってもしょうがないだろう?

 過去の事を言っても解決しない、大事なのは、今! だろ?」

「うわぁ、コイツ謝らない気なのじゃ!」

「そうですね、カズヤ様、今が大切ですよね!」

「ああ、その通りだ、ペトリ」

「ペトリが裏切ったのじゃ!」


「ラージャ、ネット通販でコレだけの人数を食わしていくと破産、お前のお菓子も買えなくなっちゃうぞって話だ」

「そ、それは、困るのじゃ!」

 俺とラージャは、困った。


「あの、食材は、オーガ達に狩りでもしてもらう事にしたらどうでしょう?

 彼らも自分等の食べる物くらい自分で用意するでしょうし」

 ペトリが何を言ってるの的に俺達に言った。

「確かに……」

 ペトリの言う通りだ。

 俺がすべて賄ってやらないといけないような気でいた。

 昨日の宴会でも料理がでてたし、俺が来る前から生活してたんだもんな!

 そうと決まれば!

「でも、昨日の料理は旨くなかったから調味料だけでも大量に購入だ!」

「そうなのじゃ! ホントに旨くなかったのじゃ! クソマズなのじゃ!」

「確かに食べれるってだけで、マズかったですもんね!」

「よく平気であんなクソ不味いもの食ってるよな、あいつ等!

 って事で、ラージャ空間収納オープン!」

 ネット通販接続!

 塩、醤油、砂糖、ポン酢、マヨネーズ、ケチャップにソース各種!

 どんどんケース買いしていったのが空間収納に入っていく!

 金が流れるように減っていく。

 必要経費!

 気にすんな俺!

「カズヤ様、調理器具も必要じゃないですか?」

「確かに!」

 鍋や包丁、まな板に食器、ガンガン買うぜ!

 金を貯めておいて正解だぜ!

 ラージャの空間収納ってどんだけ入るんだ?

「まだ、入るのか?」

「全然余裕なのじゃ」

「必要最低下のものは、これぐらいか?」

「ついでに、お菓子もかうのじゃ!」

「はい、今は必要ありません」

 購入完了!

「な゛!」

 ラージャの機嫌がすこぶる悪くなった。


「朝ごはん前にお菓子を食べたら、ご飯が食べれないでしょ?」

「ご飯食べたら、お菓子食べていい?」

 子供か、お前は。

 しょうがない。

「好きなの買ってやるけど、ちゃんと歯磨きしろよ」

「嬉しいのじゃ! カズヤが大好きなのじゃ!」

 ラージャが抱き着いてきた。

「もう! ラージャちゃん、カズヤ様は、俺のだよ!」

 ペトリも抱き着いてきた。

 こんなラージャなんかに嫉妬したのか?

 フフフ、モテモテで嬉しい限りだが、こんな事をしている場合ではない!

「お前ら離れるのだ! 美味しい朝ごはんの為に俺達で作業してやらないといけないからな!」

 そう言って、家から出ると、弥助が申し訳なさそうに立っていた。

「……」

「……」

「……」

「……」


 凄く気まずい。


「あ、あの、昨日の食事、そんなに不味かったですか?」

「あぁぁ、いや、そのぉぉ……」

 デカい声で旨くないとかマズいとか言いすぎた。

 申し訳なくて、まともに弥助の顔が見れない。

 ごめんなさい。

・

・

・



オーガの里、中央広場と言う名の空き地――


 朝食は、具沢山の味噌味スープ。

 鍋の具材は、昨日の宴会の残りや今日の朝に男達が狩ってきた動物。

 鍋にコンソメスープの素と味噌を多めに入れてガンガン煮た!

 臭みとか独特の味に負けないように濃い目の味付けにした。

 あと、ネギや白菜、サトイモも入って栄養満点だろう。

 栄養士じゃ無いから知らないけど。

 ちょっと味見したけど、昨日の料理に比べりゃ、数段旨い。

 焼いただけ、水で煮ただけのに比べりゃ旨いに決まってるか。

 コメも欲しい所だが、こんだけの人数分を炊くのは大変だから辞めといた。

 金が大分かかりそうだしな。

 ボリスが照れた様子で「カズ君にみられちゃった」と耳元で言われ、気が遠くなったりしたが、朝食の用意が済んだ。


「そんじゃ、弥助。

 朝ごはん出来たから、みんなを集めてくれ」

「解りました、カズヤ様!

 鬼助(おにすけ)! 鬼太郎(おにたろう)! 皆を集めよ!」

 弥助が側近? に言った。

 小さい鬼助と大きい鬼太郎はこの里で弥助の補佐をしていたらしいオーガだ。

 宴会の時に紹介してもらった。

 二人とも気のいいオーガだ。

 女のオーガは気が強いのが多いが、男のオーガは優しい。


 やがて、里の住民がみんな集まってきた。

 炊き出しが始まり、デカい寸胴に作ったスープをオーガ達に渡していく。

 鬼助と鬼太郎が混乱しないように他のオーガ達を誘導、整列させていた。

 オーガは魔物だって言ってたけど秩序とか、ちゃんとあるんだな。


「なんだ、コレ?! ホントに何時もの食材か?」

「お前、さっき貰ってたじゃないか!」

「お前だって、何杯食う気だよ!」

「カズヤ様が来てくれて良かった!」

「カズヤ様に俺は忠誠を誓うぜ!」

「旨すぎる!」

 オーガの声が聞こえたが、満足されているようだ。

 そこまで、感動される程じゃないだろうけど、昨日よりマシだろう。

 兎に角、みんなが美味しい美味しいと言ってくれるのが嬉しい。


 食事が終わり、ライネやペトリ、オーガの女達に手伝ってもらって後片付けを終えた。



「弥助、ちょっといいか」

「なんですか? カズヤ様」

 食後、ゆっくりしていた弥助の元へ、俺はラージャとライネ、ペトリ、ボリスを引き連れて話しかけた。

・

・

・



「俺は、お前達の主となった、カズヤ・フジノだ!」

 弥助に集めてもらった里のオーガ全員に向かって言った。


「カズヤ様、ソレは、知ってます」

「そうだよ。 みんな、名前を付けてもらったもんな」

 オーガ達がざわついた。

 俺は、弥助を見る。


「黙れ! カズヤ様のお話の途中である!」

 弥助の一言で静かになった。


「俺は、これより、ライネの実家、オールストレーム領へ向かう!

 お前達、眷属となった者達全てを引き連れてだ!

 こんな場所に居ても危険だからな」

 オーガ達が意味が解らないといった顔をしている。


「ここだと、王都に近すぎて、冒険者や騎士に見つかる場合もあるし、安全とは言い切れないだろう?

 今まで大丈夫だからって、この先も大丈夫って言いきれるか?

 むしろ、今までお前等が討伐されなかったのが奇跡みたいなもんだぜ!」

 オーガ達が不安そうな顔になった。


「人間なんぞ、俺達の敵じゃねぇ!」

「そうだ、そうだ!」

 あ、また騒ぎだしたな。


「はい、そこの意見した君。

 数人が相手なら大丈夫だろうね、でも、エルヴァスティ王国が組織だって攻めてきたら絶対負けちゃうよ?

 数百、数千の兵士に勝てるの? ねぇ、無理でしょ?

 討伐された他のオーガの里を知って危険だから、奥地へ、奥地へって少しずつ住処を変えてきたんだろ? ん?」

「それは……」

 人間に負けないと息巻いてたオーガが口澱んでいる。

 この里の事を弥助から聞いたからな。

 そりゃ、テントみたいな家になりますよね。


「はい、そこで今日は皆さんに良いお話を持ってまいりました。

 オールストレーム領に人が立ち入らない山があるってライネが言うからさ、そこを俺達の住みかにしようと思います。

 王都からも遠いし、山を開墾してスローライフと洒落こもう。

 別に強制しないからね、俺達と一緒に新天地を目指す人は用意開始でお願いします」


「俺、そして俺の娘アキナと鬼助と鬼太郎の4名は、カズヤ様について行く!」

 弥助が言った。

 ……俺としては、食い扶持が減る方が助かるので、是非ともみんなここに残ってもらいたいものだと内心思っているのだが、みんなどう出るだろうか?

無理して着いてこなくても良いのだが、どうだろうか?

別に人望などなくて良いので、女の子が沢山ついてきてくれたら良いなって感じで思っている俺。

緩くいこう、緩く。

って事で、次回も、乞うご期待!

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