第33話 オーガの里 その4
オーガの里の住人に名前を付けた。
そしたら、俺の眷属になったらしい。
その礼って感じで宴会をする事になった。
オーガの里の住人に名前を付けた後、宴会をした。
「カズヤ様、おかげで力が強くなりました」
「ご主人様は、そんな可愛い彼女が二人もいて羨ましい!」
「カッコいいし!」
「流石! おっさんにまで手をだすとは」
「オーガの女達を独占しないでくださいよ!」
「優しいし!」
などとと俺を持ち上げてくれるオーガ達。
彼等の正直な感想に、いたく感動し気を良くした俺は、褒美をやることに。
変な事を言った奴もいた気がしないでもないが、気のせいだろう。
ネット通販で日本酒や焼酎、ワインにビールを買ってやったのだ。
俺も飲みたいしな。
オーガの作った地酒? は、衛生的にどうかと思うので遠慮させていただく。
「カズヤ様! どうしました? 酒が進んでおりませんぞ!」
「あ、いや、ここの酒は、ちょっ!」
弥助に無理やり、変な色した酒を飲ませられた!
誰か助け… ラージャやライネ達が俺の買ったワインを飲んで、俺から顔を背けやがった!
あいつらも飲んでないから! 弥助!
「うぼが、ごぼ、ごぼ」
木の器に入った謎の酒が俺の喉を通って行った。
「お前らも、ちゃんとここの酒を飲んでやれよ、失礼だろ!」
「我は、焼酎でいいので、遠慮するのじゃ」
「カズヤさん、ワイン美味しいです」
「カズヤ様、俺は日本酒ってが気に入った」
「カズ君の買ってくれた酒は、どれも美味しいね」
「そ、そうか? へへへ、ほら、皆もっと飲んで」
褒められると、どうでも良くなった。
それに、オーガ達が初めて飲む酒に目を丸くしていてるのが面白い。
「カズヤ様の用意してくれた酒は旨い!」
「最高の主だぜ!」
「俺に焼酎もっと寄こせ!」
「日本酒の方が美味いぜ!」
「俺は、カズヤ様に忠誠を誓うぜ!」
評価も上々、とても気に入ったようだ。
酒が好きな民族なのだろう。
俺もラージャもライネもペトリもボリスもオーガ達もガンガン呑んだ。
当然ぐでんぐでんになった俺達は、この里で一泊する事になったのだ。
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「うぅ、気持ち悪い……」
昨日は飲みすぎた。
雑魚寝。
ラージャ達が寝息を立てている。
かなり酔ったが、休憩するのに用意されてた家にちゃんと帰れたようだ。
「今、何時だ?
しかし、昨日は、気が大きくなって散財してしまったな」
まあ、楽しかったから良しとするか。
喉が渇く。
「おい、ラージャ、起きろ、起きろって。
喉乾いたから空間収納に入れた水くれ」
死んだように眠るラージャを揺すって言った。
「うーん、ムニャムニャ……」
「むにゃむにゃって漫画じゃないんだから、おい、水」
ラージャを揺する。
起きろ、起きろ!
「う゛う゛う゛う゛う゛るさいのじゃ」
焦点の定まらない目をしたラージャが空間収納をあけてくれた。
「ありがと!」
俺は素早く2Lのペットボトルの水を取り出す!
その瞬間、空間収納が消えた。
「う゛う゛……」
どうやら、ラージャが力尽きたようだ。
また、寝息を立て始めている。
お疲れさん。
「何とか水を出せてよかったな」
俺は、ペットボトルのキャップをあけてラッパ飲み。
「ああ゛ーー、うめぇーー」
渇いた喉に、いや、体に水がしみ込んでいく。
生き返った気分だ。
薄暗い屋敷の中、ペットボトル片手に俺は、寝ている奴等を起こさないよう注意して外に出る。
辺りが明るくなり始めているが、薄暗い。
少し早く起きすぎてしまったようだ。
「……少し歩くか」
朝の澄んだ空気の里を散歩する。
鬱蒼とした森。
皆まだ寝てるのか、人影はない。
点在しているオーガの家から少し離れ、苔むした岩の上に腰かけるとヒンヤリとして気持ち良かった。
静けさに包まれ、心が癒されるようだ。
天国ってこんな感じなのだろうか?
「あーー、水、うまぁーー」
飲酒した次の日の水程旨い物はない。
しかし、2Lは少々多いか?
ボタボタボターー!
腰かけた俺はペットボトルを掲げ、頭から水を浴びた。
気持ちいいぜ。
「ふうぅ」
カッコいい俺が、カッコよく濡れた髪をかき上げる。
キリッ!
「……」
うん、誰も居ないとこでカッコつけてもしょうがないな。
バシャバシャ……
「馬車?」
いや違う。
水の音。
近くに水辺があるのか?
「水辺と音」
俺は、水音がする方へと向かう事にした。
静かに、そして素早く!
「これって、絶対アレだろ?」
水浴び!
女!
裸!
水辺はすぐ近くにあった。
音が聞こえたんだから当然か。
湖か?
バシャバシャと音が聞こえるが、
「クソッ! 草が邪魔で……」
ええーーい!
服を脱いだ。
コソコソしないで堂々と俺も水浴びにきたら偶然鉢合わせした的お約束で行きゃいいんだよ、行きゃ!
「おおーっと、水浴びと洒落込みますかぁーー!」
全裸で湖の前に立つ!
どこ?
バシャッ!
「キャッ!」
いた! そこか――
「カズ…… 君?」
さあ、服を着よう。
「ちょっと、カズ君! 待って!」
水浴びしていたボリスが叫んでいるが、用などない。
裸で風邪になったら大変だとばかりに、急いで服を着た。
爽やかな朝が台無しだぜ。
・
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湖から集落の方に戻ってみたら、みんなもう起きたみたいだ。
明け方だというのに、オーガ達の朝は早いのか?
「おはよう!」
女のオーガに挨拶した。
朝から嫌な物を目撃してしまったからな、女のオーガでも見て目の保養をしなければならぬ。
近くを歩いていたデカいオーガの女に声をかけたのだ。
ホントに、引き締まった良い体だ。
「ああ、カズヤ様、おはようございます」
振り返った女の胸がぶるんって!
素晴らしい!
「うむ! ……えーと」
「アキナです」
「そうそう、明菜ね」
自分で名前を付けたけど、覚えていない俺。
いや、女のオーガの胸を触ってぶん殴られてたからな、記憶が飛んだのかもしれん。
しかし、露出が多くて良いね!
目が浄化されていくようだ。
「……あの、あまりジロジロと見られると」
「あ、ああ、ご、ごめんなさい!」
「……いえ」
「……」
「……」
俺のせいだが、気まずい空気になってしまった。
「あ、あのさ、あんた達に名前つけていったけど、眷属ってのになるんでしょ?
良いの、それで? 何かメリット的なのあるの?」
気まずいから別の話題をと思って言ったのだが、そうだった、聞きたかった事だ。
「俺の支配下に入るって事になるんだから…… アンタ等にとって大変な事なんじゃないの?」
「強い者に従うのは、当然です。
それに眷属となった事により、我々はオーガからハイ・オーガやバロネット・オーガに進化する事が出来ました」
進化って、ゲームみたいな事を言い出した。
見た目が全く変わっていない。
こう、もっと胸がデカくなるとか……
あれか? 気分的なものなのか?
そして、何か勘違いしているのかも、強い者って…
「俺、そんなに強くないと思うよ」
正直に言った。
普通の一般人だし。
だが、アキナに呆れた顔をされた。
「そんな事はありません。
族長の父さ、いえ、弥助様を倒したとなれば、相当な実力者です
ちなみに、弥助が唯一バロネット・オーガに進化した者でございます」
そうなのか?
弥助も変化ないぞ。
アキナも勘違いが激しいな、ラージャだって俺と同じくらいの強さだろうし、俺達が強いって?
もしかしたら、見た目ほどこっちの人は強くないのかも。
だって俺は、地獄から来た普通のカッコいい青年だもの。
「ところで、俺は何をすればいいんだ?」
「我々の主として行動して頂けばよろしいかと……」
主としての行動?
「なんだソレ? 主としての行動ってなんだよ?」
「私達を導いてくれればいいんじゃないんですかね?」
なんかボヤっとしてる答えだな。
「あんた達は、眷属になると俺に何をするんだ?」
「カズヤ様の命じる事に従います」
いや、別に頼み事など無いのだが……
「あんた達を養っているかぎり、俺の命令を聞くって事か?」
「まあ、そう言う事だと思います。
こっちも初めて眷属になったから分かる訳ないじゃないですか」
ちょいキレ気味なの?
主に対して、その態度はなんだ!
「命令に拒否できないって事か?」
ニコニコして、おっぱいに手をやっ
バチンッ!
「やめて下さい」
ビンタされた。
いきなり拒否されたぞ?!
痛いし、やっぱ、俺は強くないじゃん!
「我々は、奴隷ではありませんから、意志はございます。
セクハラには断固とした態度で臨みますから!」
睨まれた。
拒む場合は、口で教えてほしい。
ビンタするまえに。
「それと、眷属を辞める選択肢も私達にはありますからね。
ただ、その場合は、元のオーガに戻り……」
辞めたりする自由があるんだな。
なら、俺もか?
「あ、あの、俺から眷属を辞めてもらう事とかは可能ですか?」
アキナが驚いたような顔をしている。
首になるとでも思っているのだろうか?
まぁ、主人に手をあげる危険人物だしな。
「それは…… あの、カズヤ様は、私達がお嫌いなんですか?」
アキナが俺をのぞき込んで…… 近ッ!
結構可愛い顔をしている。
たわわに実った大きな胸が目の前に…… 絶対に辞めさせない!
「ハハハ、大好きに決まってるだろ! 心配するでない!
お前も、弥助も、オーガ達は優しいからな、俺がここのオーガに好感をもっているってわかるだろ? ん?
……アキナ、どこか静かなところで、今後の事を話さない?」
ビンタされ鼻血が出ている俺は、優しくアキナの背中に手をやり言った。
ビクッとしたアキナだが、俺の手を払いのけない。
……そうか。
俺は、信頼されてる!
ただ、俺から眷属解除出来るのか質問を誤魔化された感が半端なくあるがな!
「何が、大好きなんですか?」
「そりゃぁ、このおっぱ」
声がして振り返ると、ライネが泣きそうな顔をして立っていた。
不味い!
誤解、誤解をされてしまう!
アキナってオーガの女性と個人面談しようと思ったら、ライネに見つかった。
下心以外ない俺は、当然焦る。
でも、まだ、何もしていないんです。
だから、誤解です、ライネさん!
って事で、次回も、乞うご期待!




