第104話 暴力 on the rock
ファングに会いに行こう。
そうしよう!
ゴネたら王に見せたアレで黙らせる!
エルヴァスティ城、宰相の部屋の前――
「えー、フジノ家とおまけの皆さん、この奥に、俺達の街に舐めた真似をさせるに至った元凶がいますが感情的にならないようにな!」
俺は、嫁達、そして、オスモとサニーに言った。
ん?
オスモが手をあげている。
なんだ?
「はい、オスモ。 何か用ですか?」
「カズヤ、フジノ街に舐めた真似ってなんの事?
嫌な予感というか、嫌な予感しかしないのだが、この部屋に何をしに来たんだ?」
「あーー、そっか、オスモはオールストレームホテルにいたから知らないよな。
気にするな、ちょっとクーデター騒ぎがあっただけだ。
みんな! 感情的になるなよ、そんじゃ、突撃!」
ファングの部屋のドアノブに手をかけた俺の肩を引っ張られた。
「なんだ?!」
出鼻をくじかれた俺はオスモを見る。
なんなの?
「クーデター騒ぎってなんだ?! 聞いてないぞ!」
オスモが焦ってる。
うん。
「言ってなかったっけ?」
「聞いてないよ!」
「あ、そう。
でも、今言ったからいいだろ? 気にするな」
空気を読まないオスモにも困ったがものだが、義理とはいえ父親だからな、気遣っていった。
深く聞くな。
説明すんのがめんどくさい。
俺は軽く笑顔をくれてやってドアノブを回した。
「あっ! カズヤ」
オスモが何やら声をかけてきたが無視!
お前に構ってる暇など無い。
ガチャッ!
「ファング、いる?」
礼儀正しい俺hが言いながら部屋に入ると、驚いた表情の男がこっちを見ていた。
コイツがファングなのか?
想像と違うな。
俺の想像してたのは、頭が剥げてて腹の出てるおっさんだったのだが、目の前にいる男はどうだ。
しゅっとした、中々の男前じゃないか。
オールバックにした金髪の長髪に顎鬚。
やせ型で背も高い。
モテそうな男だ。
どうせ、仕事も出来る男なのだろう?
何不自由無い人生なのだろう?
妬ましいぜ!
それなのに、野望まで! 嫌になっちゃうよね。
「何者だ?! 何処から入ってきた!」
男が俺に声をかけてきたが友好的とは言い難いな。
いや、モテそうって先入観があるから感じ悪いと、こっちが勝手に思ってるだけかも知れん。
兎に角、話をちゃんとしてコイツの人となりを評価してあげた方が良いだろう。
しょうがねぇ、俺から歩み寄るしかないか。
お人好しで優しい俺がフレンドリーに接っしてやれば心を開くだろう。
「俺? 俺の名前はカズヤだよ。
あとな、何処からって、ドアからだよ? 見えなかったか?」
ニッコリ笑顔で俺は、ドアを指差して、入ってきたのはここだよと教えてあげた。
ホントに知らないって可能性があるしな。
あっ!
シコっと自家発電してる最中かも知れなかったし、ドアをノックしなかったのは、悪い事をしてしまった!
少し考えればわかるだろ、俺!
俺は、反省した。
「すまない。 ちんちん弄ってる最中かもしれないのに、突然ドアをあけて。
どうせ、何時も弄ってるんだろう? 顔を見ればわかる。 それなのに、俺ったら」
深く頭を下げた俺。
「カズヤ、コイツ、ちんちん弄ってたのか?」
「ああ、ラージャ。
多分、四六時中ちんちんを弄ってる顔をしているじゃないか、コイツ。
日常生活からそんな事ばっか考えてるんだよ。
いや、それしか考えていないのかもしれんな」
まったく困ったもんだぜ。
「……おい、ライネ、彼奴、ちゃんと手を洗ってるのかな?」
「そうだよね、あの手で、色々触ってるかと思うと、ちょっと……」
ライネとペトリの会話が聞こえたが、全くだ。
「ライネもペトリも不用意にその辺に触れない方が良いぞ。
彼奴、ちんちん触った手で、そのまま触れてる可能性が高い」
衛生的に怪しいので嫁達に注意を促す。
「無礼者め! 私が誰か知っているのか?!」
「じゃぁ、名を名乗れ!」
知ってもらいたいなら、ちゃんと名乗るべきだ。
俺は、当然の事を言ってやった。
ん?
俺は、自己紹介したよな?
「お前な、ちゃんと名を名乗れよ! 俺はちゃんと名前を言ったぞ!
ちんちんばっかり弄ってるから、常識がないのか!」
ビシッと言ってやった。
「お前、あんまりちんちん弄らない方が良いぞ!」
サニーが呆れて男に言ったが、全くもってその通り。
「お前らな、さっきからちんちん、ちんちんって…… 誰が、ちんちん弄ってるって?!
触ってないじゃん! ほら!」
男が、両手を広げて、股間を強調してきた!
「正気か!?」
俺は、男にビンタした!
嫁が居る前で何をしているんだ、お前は!
「ホントに困った奴なのじゃ……
真面目に話をする気がないのか?」
俺にぶたれた右頬を手で押さえている男にラージャが声をかけたが、全くだぜ!
「お前には、がっかりだよ! なぜ、俺の様に真面目に会話が出来ない! 名を名乗れ!」
ビシッっと指差して注意した。
いい大人が情けない!
「ねえ! さっきから、お前等、何者?!」
「テメェ、舐めてんのか! 名前を言えって言ってるのに!
質問に、質問で答えるんじゃねぇ!」
俺は、傍に会った椅子で男をぶん殴った。
なぜ、理性的に会話出来ないんだ! 俺、悲しい!
オラッ!
頭に椅子による打撃を受けた男が膝をついた。
会話の最中に座るとは、失礼な!
「コイツ! カズヤ様を軽く見てる証拠ですよ!」
「そうだよな、ペトリ!」
俺は椅子で片膝をつく男を殴る!
ああっ!
椅子が、壊れちゃった。
寝るんじゃねぇ!
俺は、ビンタして、意識が飛びそうだった男を呼び起こす。
ちゃんと、起きろ!
「カズ君、落ち着いて!」
「ああ、すまんボリス」
ボリスが俺がトラックから持ってきてた角材を渡してくれた。
確かに、椅子なんて貧弱だから直ぐ壊れちゃうのに、俺ったら!
「ありがとな、ボリス!」
俺は、にっこり笑って気遣いの出来る嫁さんに嬉しくなった。
「わ、私は、ファング! この国の宰相だ!」
角材でぶん殴ろうとしたら、ちゃんと自己紹介してくれた。
うん。
やっぱり、人間、誠意って大切だよね。
俺の真摯な努力が実を結んだ瞬間と言えよう。
さてと、尋問と洒落こみますか!
「よし、これから、お前に尋問するから、正直に答えるように!
正直に答えない場合、拷問を加えるからな!
俺は、暴力が苦手だから拷問なんてしたくないからね、ちゃっちゃと答えてよ」
恐怖感を与えないように俺は笑顔で言った。
「おまっ、今までのは?!」
「あ?」
こっちが下手に出ると、付け上がる。
どうして、お前はそうなんだ?
ちゃんと会話出来る態度になるように角材で一発殴っといた。
綺麗に側頭部に入った角材。
そんじゃ、もう一発!
「ヤメロ!
どう見ても、俺には、お前が悪人に見えるぞカズヤ!
突然、部屋に入ってこの人に暴力をふるって! 何を考えてるんだ?!」
もう一発殴ろうとした俺をオスモが後ろから羽交い絞めにしてきた。
「オスモ!」
嫁さんのお父さんを普通に呼び捨てにしてしまったが…… 確かに。
俺が常識なかったな。
「よし! 今までの事は水に流して、ちゃんと話をしよう、ファング!」
爽やかに言った。
そうだよ、俺は平和的な人間だもの!
「あ、頭おかしいよ、お前……」
ファングが…… イラッとしたが俺は我慢したね。
些細な事に腹を立てるような小さい男じゃないから。
「お前! カズヤさんに失礼だろう!」
ファングの顎にライネの蹴りが入った。
「コレコレ、暴力はいけないよ」
俺はライネを窘める。
暴力からは何も生まれない。
「ごめんなさい」
ライネが俺に謝罪してきた。
「いや、次回から気をつければ良いんだよ」
非を謝罪する事が出来るって、中々出来ないことだ。
ソレをしたライネを誰が責めれるというのだろう。、
って事でお俺はライネを許す。
いや、夫である俺が率先して範を示すべきなのだ。
「ライネ、暴力ではなく対話だ!
俺がそれとなくファングから情報を引き出すから、お前は大人しくな!」
そう言って俺はファングに向き合う。
北風と太陽って知ってるか?
知らないだろうな。
気にするな。
口を割らすには、強行な手段だけじゃダメって事だぜ。
フフフ……
「お前! 他国と通じてこの国を我が物にしようとしたな?!
はい、そうですと言え!」
俺はファングの胸倉を掴んで聞いた。
どうだ!
吐け!
「そんな、無茶苦茶な!?」
「答えが違う!」
俺は、ぶん殴る。
俺的に正しい答えが出るまで殴るかからな。
因みに、部屋に入るまでの行動は動画に撮らせてもらってます。
動画なんて切り貼りすれば、どうとでもなるし、民衆の思考の誘導も出来ますよ。
日本のテレビを参考させてもらうぜ!
都合のいい場面だけ編集って事!
ホントに、テレビって良心の塊だね。
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結論から言おう、ファングが王位の簒奪を企てていた事を認めた。
いや、そう言うふうに編集させてもらう。
そいつが証拠映像になるな。
放送倫理規定。
プッ。
どうでも良いが、せっかくラージャの買った物を使う事もなかった。
王位の簒奪に関わる協力する貴族なども俺の真摯な説得(暴力)によって白状したし、一件落着か?
……いや、違うな。
ああ、そうそう、因みに俺がラージャの空間収納で買った物とは……
対話って大事だよね?
俺は真摯な対話とエスプリ的暴力のスパイスでファングに簒奪の事実を引き出した。
発言はちゃんと動画で記録したからこっちのもんですよ!
後は日本のマスコミを見習い、切り貼り都合良く編集すれば完成ですよ!
って事で、次回も、乞うご期待!




