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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.8 エルヴァスティ王国

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第103話 王様に会おう その2

王様に謁見だ!

友達のお父さんだからな、仲良くしたほうがいいよな。

エルヴァスティ城、王の間――


 俺達はルーカスの父親である王様の前にやって来た。

 広い部屋の中、俺達から一段高いところに椅子が設置してあって王様がそれに座って隣にルーカスが立っている。

 俺達の両サイドには兵士達が列を作って並んでいる。


 俺の王様への第一印象……

 恰好が王様と主張している。 まぁ、上品な印象を受けるけど、所詮おっさんだな。

 俺がそんな風に王様を眺めていると、ルーカスが俺達を王様に紹介してくれた。


「おい、王の御前だぞ! 頭が高いって!」

 ボーっと王様を眺めている俺の服を引っ張るオスモに睨まれた。

 振り向くと皆が膝をついて、立ってるのは俺だけ?

 サニーも膝をついてる。

「カズヤ!」

「わ、解ってるよ」

 オスモがうるさいし、俺も膝をついて仰々しく礼をしたりしてみたが、王様は返事しないで手を少しこちらに向けるくらいの反応だった。

 俺達の挨拶が済むとルーカスが王様と話しを始める。

 直ぐにファングを排除すべきだとか、そんな類の話。

 ルーカスが一生懸命に説明している。

 あーでもない、こーでもないと……

 要は、ヤるかやらないかの2択だろうに。


「おっさん…… じゃない、えーーと、マテウス王様」

 俺は顔をあげて発言した。

「……ん?」

 王様がこっちを見ている。

「ルーカスが言ってるは、排除するのかしないのかだろ?

 それを、やらない理由を探すみたいに、ゴチャゴチャと……

 ファングを排除した方が良いんだろ?

 だから、お前、イルボ商会とか使って対抗しようしてたんじゃないのかよ?」

「カズヤ!」

 ん?

 小声で呼ばれたので見ると、オスモが俺を殺す勢いで睨んでいた。

 わ、解ってるよ。

 アレだろ? 言葉使い的な事だろう?

「貴方様の息子にも言いましたけど、その後の事なんて気にしないで良いんじゃないか、ないですか?」

 俺の後ろにいるオスモが、俺をつつくので丁寧な言葉を心掛けつつ聞いたのだが、王様が溜息を…… なんだ、コイツ!


「事態は、そう簡単なものでは無いのだ。

 他国との関係もあるし……」

 マテウス王が俺に口を開いた。

 やっと俺に話かけたかと思えば、凄く下らない答え。

「あのな、ファングってのは、現在進行形で謀反を企んでいるんだろ?

 だったら考える必要なんて無いだろう?

 痛っ! ……無いでしょう?

 お前は、痛っ! ……貴方は、バカですか?」

 オスモがガンガン俺を後ろから小突いてくる!

 俺なりに、精一杯上品に言ってるじゃん。


「……おい、ルーカス。

 そこの者、いま私にバカと言わなかったか?」

 王様がルーカスに聞いてる。

 耳が悪いのかな?

「父上! そんな事よりも事態は、急を要するのですよ!

 今、俺達がすべき事は何かと問うているのです!

 今すぐ、ファングの任を解き、憂いを排除すべきです!」

 うん。

 全くもってルーカスの言う通りだ。

 なのに王様ったら、なんなの?

「関係ない話をしたりと、集中力が足りてないぜ!

 しっかりしろ!」

 俺からも王様に注意してみた。

「お前!」

 なんか、王様が怒ってる。

「親父!」

 立ち上がりそうになった王様をルーカスが窘めている。

 全く、ホントにルーカスの父親か? 落ち着きが足りてないぜ。


「しかし、排除するとしても、奴が謀反を企んでいるという証拠が……」

 王様が言った。

 証拠?

「お前、頭、大丈夫か?

 おい、おっさんよ、イルボ商会にもファングってのが協力を求めてたんだろ? 馬鹿かお前」

 賢い俺が教えてあげないとダメなようなので、教えてあげた。

 フフフ、全く、俺ったら人が良いというか、困ってる人を見捨てる事が出来ない奴なんだな。

「証言だけでは証拠にはなりえぬ。

 何か…… そう他国を通じている事を示すような書簡などの確固たる証拠が必要なのだ。

 うん、ルーカス?

 やっぱ、コイツ馬鹿って言ってるじゃん!

 王様に対してオカシイだろ?

 コイツ、絶対ヤバい奴だぜ! 城に入れて大丈夫なのか? マジで!」

 王様がルーカスに…… てか、本人を目の前にして、酷い言いようだな、おい!

「親父! カズヤは俺の友達だぜ! ちゃんと礼節をもって接してくれよ!」

 そう!

「流石、ルーカスだぜ!」

 本当にルーカスがまともな奴で良かったよ。

 俺はホロリときた。

 

「いや、友達だからってなんなの?! 完全に頭イカれてる。

 オカシイじゃん! コイツの言動、さっきから!」

 不服そうな王様、いや、マテウス。

 ……俺に喧嘩を売ってるんだろうか?

 こんなにも下手にでている俺に!

「親父、しっかりして!」

 そうだ、そうだ!

「そうだぞ、しっかりしろ、お前!」

バッ!

 俺が言うと、即座にマテウスが俺に顔を向け、

「なんじゃ、お前! ふざけんなよ!」

 だと。

 マテウスが俺に?!

「なんだ、文句あんのかこの野郎!」

 立ち上がりそうになった俺は、服を引っ張られた。

「邪魔すんじゃ… ヒィ!」

 こ、怖ッ!

 俺を殺さんばかりのオスモの表情!

 それを見て俺は、立ち上がるのを辞めた。

 ふう……

「……あ、あの、すみませんでした。

 失礼な言動は、謝ります。

 それでですがね、お前が心配すんのも解るけど、俺達にちょっと任せてみろよ。

 な?

 俺の言ってる事、解る? 解るよな? ん?

 いいか、ファングってのが謀反を起こそうと思ってた事を認めさせれば良いんですよね?」

 マテウスが理解できるように噛み砕いて説明してあげた。

 少し会話しただけで解ったが、コイツは余り利口ではなさそう。

 なので、ちゃんと細かく言わないと理解出来ないと判断した。

 そう思えば、腹も立ちませんよ。

「フフフ」

 笑顔で接するのも忘れない優しさをみせた俺。

 うん。

 マテウスが鬼の形相。

 怒ってるの?

 多分カルシウムが足りてないのだろう。

 どうでも良いけど、どんなに腹が立っても兵士に俺達を拘束させないって、やっぱルーカスのお父さんだけあって、度量が広く大きいとは思った。

「よし! 決まりだ!

 みんな、ファングってのに認めさせに行くぞ!」

 話は終わったので俺は立ち上がって嫁達に言った。

「決まったって、何を勝手に?!」

 マテウスが俺に。

 しょうがない奴だな。

「あのな、俺達みたいな、国に雇われてる人間じゃない第三者だから良いんだろ?

 国としては証拠もなしに手を出せないらしいからな。

 そりゃそうだ。

 正しいよ。

 証拠無しで処分なんてしたら、国内の他の貴族達から不信感をもたれるし、国外には国がまとまっていないとみられるだろうしね。

 いいか、俺達が今からやる事は、王様もルーカスも一切関係していない。

 頭のおかしい奴が勝手に行動する事だから。

 その方が、アンタにとっても都合がいいだろう?」

「し、しかし…… お前は何故、なんの得もないようなそのような真似を?」

 マテウス、何故解らない?

「だって、俺はあんたの息子のルーカスの友達だからな。

 友達が困ってるみたいだから、ちょこっと動く。 それだけだ」

 キリッ!

 決まったぜ……

 それだけ言うと俺はカッコよくその場を立ち去

「お、おい! カズヤ、俺の件は?」

 オスモに止められた。

「……」

 なんですか?

 無言で俺はオスモを見た。

「いや、俺の出世の件。

 てか、俺の事一切言及されないのだけど、大丈夫なのか?」

「……ああ、そうか、忘れてた」

 いや、俺が悪いんじゃない。

 ルーカスが部下にするって言ってたんだから間違いなく俺が悪いんじゃない。

 でも、嫁さんのお父さんだからな、知ったことかと無視するなんて出来る訳がない。

「ああ、オスモ、任せろ!」

 俺はオスモに笑顔で答える。

 オスモも安堵した表情だし、うんうん。


「おーーい、ルーカス、これが出世の件、有耶無耶にしてんじゃないよって怒ってるぞ」

「おいっ!」

 爽やかにルーカスに声をかけたとたん、オスモが俺を羽交い絞めにしてきやがった!

 自分じゃ催促出来ないから俺に頼んだくせに!

「なんだよ? ちゃんとルーカスに聞いてあげようとしたのに?!」

「言い方! 言い方もう少し考えて!」

 半泣きでオスモが俺に訴えかけるが、何か問題があったか?

 

「カズヤ、オールストレームの件はちゃんと手続きを始めるから心配するな。

 しかし、カズヤ達が国の為に犠牲になろうとしているのに、貴様は、自らの出世を……」

 揉めてる俺とオスモにルーカスが言った。

「ほら、あいつもちゃんと考えるてるんだから、そう急かすなよ」

「王子をあいつとか言うのやめて!

 しかも、お前の評価上がって俺の評価が確実に下がってるじゃねぇかよ!」

 心配性だなぁ、オスモは。


「辺境の領主が、王子に対して……」

 マテウスがオスモにぼそりと。

 オスモの表情が急変した。

「マテウス陛下、王子に対して失礼な事を言ってるのはカズヤです!

 納得いきませんが、どうか、どうか、お許しくださいませぇ!」

 オスモが土下座している。

 可哀想に。

 貴族も大変だな。


「オスモ、土下座なんてしなくていいから!

 おい、おっさん!」

「お、おっさ……」

 マテウス、貴様が王様だろうが知るか。

 俺にとって、お前なんかよりオスモの方が大事だからな。

「オスモに高圧的に接するんじゃないよ!

 そんなんだからファングってのが裏切るような真似を考えたって思え!」

 まったく、困ったもんだぜ。

 常識の無い奴ってのを相手にするのは疲れますよ。

「ルーカス、さっきから失礼な態度のあの男は何者なのだ?」

「なんだよ、俺の友達だぜ!

 カズヤは、親父が配下にしろって言った、オールストレームの天才だ!」

「あれが?!」

 マテウスが俺を指差してる。

 いや、確かに天才じゃないけど失礼だな。


「あのな、俺達は善意で動くけど勘違いすんなよ。

 正直、俺は、この国がどうなろうと知ったこっちゃない。

 さっきも言ったけど、友達のルーカスが困ってるから助けるだけだ。

 勘違いしているようだから言うけど、俺は、お前の部下でも配下でもなんでも無い。

 だから、さっき第三者って言っただろ? ちゃんと理解しろ、馬鹿」


「ルーカス!」

 王様が俺じゃなくルーカスに声を荒げた。

「親父、カズヤの言ったとおりだ。

 あいつは俺達の部下でも何でもない。

 ただの善意で協力してくれようとしている、底なしの馬鹿野郎なんだよ。

 だけどな、親父。

 オールストレーム領に行った俺は確信している。

 あいつの自信は伊達じゃない。

 だから、俺達は関与せず、カズヤに全てを任せよう」

 ルーカスがドヤ顔で王様に言ってるが、買いかぶりすぎだぜ。

 だが、友達が俺の為に父親に言ってくれてんだ、それに答えるのが、男だろ!


「ラージャ!」

「なんじゃ?」

「空間収納! 買い物すんぞ!」

「お菓子買うのか!」

 そんな訳ないだろうと思ったが、ラージャが空間収納を開いてくれた。

 そんじゃ……

「こいつでいいか」

 俺は、選択!

「なんじゃ、お菓子じゃないのじゃ」

「いいから」

 決定っと!


ドンッ!


 王の間に、はいっ、出ました!

 何もないとこから突然物体が出てきたので、王様や兵士達が驚きの声をあげている。

 フフフ、気分が良いぜ!


「これが俺の力だ!」

「我も協力してるのじゃ!」

 即座にラージャ訂正を求めてきやがった。

 うん、

「俺とラージャの力だ!」

 ラージャをチラッと見たら納得の表情。

 問題なし!


「な、なんだ、それは?!」

 マテウスが購入したモノを見て驚いている。

 そりゃそうだろう、何もないとこから、こんなモノが出たんだからな。


「フフフ、親父、これがカズヤ達の力だ。

 ファングの件、任せてみようぜ!」

 ルーカスがマテウスに言った。


バッ!


「は?」


 マテウスがいきなり膝をついて?!


「カズヤ殿、先ほどまでの失礼の数々、申し訳ございません!

 貴方様は、大魔法使いだったのですね!

 愚息を友とおっしゃるあなたにお任せいたします、どうか、このエルヴァスティ王国を救ってくださいませ!」

 マテウス、いや、王様が俺に頭を下げた。

 大魔法使いって…… 俺は、購入しただけなのだが。

 いっか、別に。

 気にしない。

 そんじゃ、

「うん、任せて。

 でも、関係無い事にしといてね」

 お願いされたので俺はちゃんと答えた。

 善は急げ。

 そんじゃ、行きますか。

 俺は購入したそいつをラージャの空間収納にしまうように言った。

さてと、王様にもあったし、さっさとファングを処理して家に帰ろう。

って事で、次回も、乞うご期待!

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