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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.8 エルヴァスティ王国

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第100話 話し合い

さてと、おふざけもこの辺にして、真面目に話そうか、イルボ!

まあ、話を脱線させたのは俺のせいだが気にするな。


「カズヤ、ようやく、まともに話をする気になったみたいだな。

 ……まあ、そんなお茶目なところも、嫌いじゃない。

 カズヤよ!

 よくぞ、イルボ商会がお前達の街の魔物の反乱に関与していた事を調べ上げ、この場所にやってきた!

 ああ、褒美に認めてやるさ。

 このイルボ商会がお前達の街の魔物をそそのかした!

 しかし、流石はカズヤよのう…… このイルボ商会の関与に気づくとは。

 フフフ、お前達の街に手を出した理由は二つある」

 イルボがピースサインを俺の方に向け言った。

 イルボ商会にたどり着いたとか言ってるけど、ゴーブがあっさり吐いたのだが……

 特に謎解き的な事などなかったのだが、別に言う必要も無いな。 俺が有能な事には変わりないのだから!

 さてと、その理由ってのをだな。

「あっ!」

 思い出した俺は、後ろを見た。

 いた。

 マシャ!

 せっかく連れてきたのに、無駄になってしまう!

 イルボが惚けた場合に動かぬ証拠として突きつける予定だったのに!

 くそっ!

「マシャ、こっちこい!」

 ボケっとしてるマシャを手招きしてみたが、キョロキョロすんな!

 お前しかいないだろう!


「なんですか?」

 何ですかって、お前…… トラックに乗ってピクニックにでも行くつもりだったのか?

 ここ以外でお前に活躍の場など無いだろうに。

「もう、いいから、こっち!」

 俺は、マシャの腕を掴んで、イルボに言った!

「お前に情報を持って来る筈だった、マシャだ! 言い逃れは出来んぞ!」


「……」

「……」

「……」

 カズヤサイドの嫁達は、カズヤを大丈夫か? 的な目で見た。


「うん、だから、さっき認めたのだが?」

 困惑しつつイルボが言った。

「よし!」

 俺の気がすんだので、マシャから手を放す。

「カズヤ様?」

「ああ、マシャ、帰っていいよ」

 友達でもないし、用はもう無い。

 下がってください。

 ん?

 キョトンとしているんじゃない。

「じゃまだから、あっち行ってて」

 指示しないと動けないんじゃ、こまりますよ。

 まったく。


 マシャが小首を傾げながら後ろに下がっていった。


「自己満足は済んだので、聞かせてもらおうか。

 二つの理由とは?」


「おいおい、理由は2つあるとは言ったが、詳細は自分達で探るんだな。

 私達、イルボ商会がお前達の街に混乱をもたらした件は謝罪し賠償させてもらうが、その先の事までは教える事など出来ない。

 ……ただ、この国の未来がない事が理由とでも言っておこうか」

 イルボがニヤリとして言った。

「未来がないって一体何の事なんだ?!」

 クソッ!

 ちゃんと具体的に言ってもらわないと解らないぜ!

「フフフ、さあな。

 だが、カズヤ、お前ならば、真実にたどりつけるやもしれぬ。

 この国の宰相、ファングが他国と通じている事に!」

 ん?

 キリッとしてイルボが言ったが、それって?

「この国の宰相のファンクと他国が通じているのか?」

 オウム返ししてやったらイルボの表情が変わった。

 なんなの?

「……まさか、そこまで調査が済んでいたとはな。

 流石は、カズヤ。

 だとしたら、ファンクが王から王位を簒奪する計画の事も知っているのだろう」

 イルボの奴、勝手に観念した様子で話しを進めるが、なんの話?

 さっぱりだが、都合が良いので話を合わせるか。

「まあな、俺だぞ?」

 さも当然ですって感じで答える俺。

 しかし自分で言うのもアレだが、俺だからなんだって話だな。

「フフ、流石だよ、カズヤ。

 そのファングも他国に踊らされてるだけの人物。

 他国は、ファングが王位を簒奪したのちに、この国を手に入れる腹だからな」

 さっきから俺の事を流石って、何が?

 ベラベラと喋って大丈夫か、こいつ。

 不安になるほどのポンコツじゃないの?!

「ああ、その通りだ」

 キリっとして俺は答える。


「フフフ、カズヤ、やっぱりお前は凄い男だよ」

 イルボが勝手に自白してるだけで、俺は何もしていないのに何が凄いのだろうか? 

 しかも何か嬉しそうにしてるし、気持ち悪い。

 そんな事よりも、何でそんなに詳しいんだ?

「ファングってのとイルボ商会がつながってるって事だよな?」

 悪党め!

 俺は、イルボを睨む。

「確かに、イルボ商会は表向きはファングに協力している」

 イルボが言いましたよ、皆さん! やっぱ、悪党だぜ!

 そう言おうとした瞬間、イルボが言葉を続けた。

「だが、この国を守るためにファングに協力するフリをしただけだ!」

「……ああ、知ってた」

 相変わらず俺は適当に知っていたフリをした。

 国を守る為って?

 意味が解らない。

「その為に…… カズヤ、お前達の街を…… すまん」

 混乱してる俺にイルボが謝ってきたけど、全然、意味が分からない!

「……国を守るために何で俺達に危害を加えなきゃなんないんだよ?」

 なんかムカつくな。

 どして協力要請とかできなかったんだ?

 どうして俺達から街を奪うような真似をする?

 俺よりも金髪豚野郎の方が話を聞いてくれるとでも思ったのか?

「他国からの援助を背景にファングは力をつけている。

 我々は、それに対抗すべく力をつけようと……

 王家にも秘密にしているお前の街を、魔物達を使って、手に入れようと思ったんだ!」

 そうだったのか。

 うん。

「なんで、俺達の街なんだよ! ふっざけんな! 全然、意味が分からんぞ!」

 イルボの胸倉を掴んで叫んだ。

 だって、そんなの自分勝手すぎんだろ。

「手に入れるためにって、お前な!

 金髪豚野郎達は、本気で独立出来ると思って俺を裏切ったんだぞ!

 街で一緒に頑張ってきた仲間を騙して、俺が、はいそうですかって言える訳ないだろう!」

 殺してやる!

 俺は、イルボを締め上げる。

「やめてください! 会頭が死んでしまいます!」

 フローラの声が聞こえたような気がしたが、構うもんか!


ガッ!


「なんだよ!」

 肩を掴まれた俺は顔を向け言った!

 

「カズヤ、殺すな。 もう少し話が聞きたい」

「ルーカス…… くそっ!」

 ルーカスに止められた俺は、イルボから手を離した。

 イルボが膝をついて、咳き込んでいる。

「ルーカス、こいつはやっちゃいけない事をした」

 俺の目の前では、イルボがゲホゲホやっている。

 ルーカスがそんなイルボの元へと……


「おい、しっかりしろ。

 なんでお前が国を守ろうと思った?

 先程、我々と言ったが、ファングに対抗しているのは誰だ?」

 ルーカスがイルボの肩に手を置いて聞いている。

 そんな奴、足蹴にすればいいのに。

 

「ル、ルーカス王子?!」

 ルーカスに気づいたイルボが驚いている。

 俺と一緒に王都に帰ってくるなど考えてなかったのだろう。

「ファングを止めようとしていたのは、あ、貴方の御父上様でございます」

 頭を下げたイルボがルーカスに答えたが、フジノ街で王子殺されかけたじゃん!

 おかしいだろう?!

「なんで、王様が王子を危険な目に合うオールストレーム領へ向かわせたんだよ?

 おかしいだろ?!」

 たまらず声を上げた俺。

「ファルガの力が強い王都にいるよりは、辺境の地にいた方が王子の身が安全との判断でしょう。

 王は、フジノ街の存在を知りませんから。

 単に急発展した辺境の都市とでもお考えだったのかもしれません。

 ですが…… 私は王子がオールストレーム領へ王子が向かわれるのがチャンスだと思いました。

 フジノ街の協力者、金髪豚野郎達が国からの独立を望んでいる事に気がついていましたから。

 王子がオールストレーム領にいる時にクーデターを決行するように促しました。

 勿論、王子達に危害を加えず保護するようにも要請してです。

 そして、クーデターが成功した暁には、私がオールストレーム領に出向き、王子に全てをお話しして独立を宣言させると……」

 イルボに言われたが、金髪豚野郎達と意思疎通がなってなかったみたいだな。

 金髪豚野郎、王子を殺すとか言ってたし。

 どうせ、どっちも利用してやれ的に思ってたからだろう。


「あのな、そもそも、ルーカスが独立を認めると本気で思ってたのか?」

 呆れて俺はイルボに聞いた。

「カズヤ、私がファングではなく王に付いたのは、ファングを排除した後に、この国の国家運営に関われるだけの地位と発言権をいただける事になっているからだ」 

「その辺は流石に考えてたって訳かよ。

 ……てかさ、王様は、なんで自分で、そのファングってのを排除しないんだ? 王様だろ?」

 わざわざイルボ商会を使わなくても良いだろうに。

 そう俺は疑問に思った。

 イルボ商会は、確かにデカい商会だけどなんで?


「カズヤ、恥ずかしい事だが、ファングはこの国の中心人物で他国にも顔が利く男なのだ。

 表立って反抗してくれれば別だが、今はまだ手を出してこないって相手を親父もむやみに切れないのだろう。

 クソッ! 親父は、なんで俺に話をしてくれなかったんだ!」

 ルーカスが苛立った顔をして答えてくれた。

 しかし、他国と通じてるのに切れないものなのかね?

「失礼ながら、王は、王子が早まった行動をとらぬよう秘密裡に行動されていたのだと思います。

 しかし、きっと機会をみて王子にお話しになられたハズ。

 そして、王子のおっしゃる通り、ファングは、謀反の機会を伺っているところでございます」 


「そもそも、なんで王様はイルボ商会に協力しろって言ったの?

 それにさ、協力しろっつったって商会からしたら、支配者が誰になろうと商売が出来たら関係ないんじゃないのか?」

「俺は、商人だからだ。

 ファングが資金や情報を寄こすように裏でイルボ商会に接触してきた時と同じ頃に王が商会に同じような要請をしてきた。

 そこで俺は、自分を高く買ってくれた王に付いた。 ソレだけの事だ」

「さっき言ってた国家運営に関われるって王様との約束を信じたって事?

 だからって、危険だろ、二重スパイ的な事をやってもリスクだけでお前にメリットなんてないだろ?」

 聞いたが、イルボが顔を横に振った。

「王、マテウス・エルヴァスティ陛下は、平民である私に国家運営に関われる地位を約束してくださったのだ。

 たかが平民出の私にだ。

 もし本当に私が国家運営に関わる事が出来るのならば、もっと、もっと商売を活性化して他国と交易を広げ、この国を、民を、もっと豊かにしたい。

 当然それは、このイルボ商会にとって大きなメリットになる事だし、皆が笑って豊かに暮らせる国が私の夢だからだ!」

 ご立派な理想だ。


「あのな、それなら俺と協力すれば良いのに、なんで金髪豚野郎にクーデターなんてさせるような真似をした?

 めんどくさいし、時間がかかるだろう? 俺より、金髪豚野郎達の方が信頼出来たって事?」


「それは…… もう一つの理由が関係している」

 もう一つの理由?

 あ、ああ、思い出した。

「そういや理由は二つ! とか言ってたな。

 なんだ? わざわざクーデターを起こさせた理由ってのは?」

 なんだか言いにくそうな、イルボに俺は詰め寄った。

もう一つの理由ってなんだ?

回りくどい真似してまでするような理由って?

って事で、次回も、乞うご期待!

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