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RCシステム

ある研究チームが200X年に思考集束が発生している空間を発見する。

この発見の世界への公表には、発見から2年を要した。

アメリカと日本の共同チームは、口を封じられていたのだ。

それどころかメンバー達は、1人として研究施設からの外出も許されなかった。

当然、外部への通信も監視下にあった。

施設の所在地は不明、メンバー構成、人数も不明であった。

唯一、施設名が「シェルターF」という事だけは知られていた。


その未知のフィールドには、「イデア」と名付けられた。

そしてそのフィールドに接触し、そこからある数式を1人の研究者は持ってきていた。

その数式をもとに作られた細胞再構築システムは、「RCシステム」と名付けられた。

そして一般公表された翌年には、まず医療の現場では採用された。

日本の大学病院であった。

患者は、裂脳症を抱えた生後4カ月の乳児であった。

その数式によると真水のなかで行う事になっていた。

医療プロジェクトは大がかりな水槽を作成することになる。

その資金源は、現段階でも不明である。

アメリカ、日本のプロジェクトの指揮運営の中枢は、曖昧と化していた。

そして数式から作成された薬品も存在した。

「ネクスフィア」と名付けられたその薬品を欠損部の近くに注入を行った。

そして既存の脳に微弱電気を流しこんだ。

すべて、水中の中だが、全員が数式より作成した特殊スーツを着ていた。

その後生命維持装置を繋げたままその乳児は水中の中を数日過ごした。

そこから真水を全て抜き取り、一旦の手術は終了した。

結果、驚くべき事が起きた。

乳児の脳は、完璧な状態で生成されていたのだった。その上、生まれ持ってあった脳の部分よりも新たにできた脳は、神経細胞の数が数倍、存在していた。

乳児は、術後、一か月で親の話す言語を理解していた。声帯変化も著しく、

当初は不完全な発語も数週間で発生していた。

この乳児は、「ファースト」と名付けられ、当然監視下に置かれた。

名目上は、保護者のもとに帰って行ったが、保護者の通信すべてが監視されていた。

この成果は、世界を震撼させた。

これをきっかけに様々な国で類似した手術を成功さていった。

この技術公表に不信感を抱く国も多く存在した。


「この未知の技術を手放しに評価してよいものか。」


当然生まれてくる考えである。

そして多くの学者たちがイデア研究を進めていった。

プラトンの哲学を見直す者も多く出てきた。

ひいては、ユングの「集団的無意識」も各種メディアで頻繁に取り扱われてゆく。


ファーストをはじめ、「RCシステム」を受けた一部の人間は、

「見える。」

と言うのだった。





チャールズ・ブロックは、ある事に気がかりだった。

しかし、それはある動作を行ったうえで、アクセスを使用すれば、気がかりでなくなる事を知っていた。

チャールズは、自宅の庭にいた。

そして口を少し開けて空を見つめていた。

正確にいえば、空と同時にイデアを見つめていた。

「どこに飛んで行くのだろう。」

そう言って、チャールズは、瞼を閉じた。



間野瀬トビオは、学園の問題児とされていた。

「またあの子にイメージを流しましたね。」

教師らしき中年の女性教師は、トビオにたいしてそう問いただす。

「彼が僕のそばに来て助けてくれって。

だから渡してあげたんです。彼のイメージを。」

とトビオは、女性教師の瞳を一点に見つめそう言った。

「あなたの行為は、下手をすれば、情報調整管理局に処罰されるのですよ?

わかっていますか?

あなたの親御さんがお金を払ってこの学園にあなたを勉強に励ませている理由はわかりますか?

あなたのアクセス能力をより良きものにしようというお考えあっての事なのですよ?」

と女性教師の眉間のしわは増えてゆく。

「わかっていますよ。だからより良きことを今から早速しているんじゃありませんか。」

そういってトビオは、職員室を後にした。

学園の広すぎると言ってもいい天然の芝生が生えそろった校庭をあるくトビオ。

彼もまた空を片目で見つめ、もう片方は、イデアから見つめていた。

「どこが着地点なのだろうか。」

トビオは、瞼を閉じた。


ほぼ同時にアクセスを行った

2人の意識は、イデアの中枢を行く前に衝突を起こしてしまった。

それが彼らをさらなる深淵へ運ぶきっかけとなった。

2人は、口をそろえて言った。

「ここは、どこだ。」







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