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持ち物が多い事で心に建前の充足と安堵を与える。

当然、それは物質的であったり、形にならないものであったりする。

例にとってみれば、知識量であろう。

多ければ多いほど本人の中では、未知に遭遇する割合は低いと錯覚する。

しかし多すぎた情報は、選択肢の必然的増加を伴い、決定時により多くの思考運動を必要とする。

つまり思い切った行動にたいして躊躇してしまうのだ。


 ところで人は、決して脳内運動を怠りたいわけではない。

しかし、日常的にその認知思考の効率性を上げるには、現段階での脳の使用率では追いつかないのである。あるいは、多くの体力を必要としてしまう。

では、その割合を上げればいいのかという事になるとまた別のお話になってしまうだろう。

なぜなら我々が無意識で同族だと思っている隣の人は、特定値で脳の使用率を抑えている同族だからである。

それが変わってしまえば、同族ではない。

姿かたちの同じ別の種族であろう。


現人類が必要としたものを不要とし、現人類が不要としたものを必要とする別の人類。






「国民はあくまで、政府という大きな生き物を動かす微生物のようなものです。

しかし、実際の微生物を例に取ってみましょう。

アメーバの網膜の付着により失明をしたという実際の例があるでしょう。

つまり人員配置を間違えれば、大きな集団は、下手をすれば短時間で死に絶えます。

政府という宿主が健全であれば、我々は与えられた役割を果たし死ぬ。

つまり政府により我々の作り出したものを謹んで献上するという形になるのです。

これは、大きな形を例にとってみせたのものですが、

身近な人間関係でも同じことが言えるでしょう。

お互いにうまく人付き合いを行っているという成功報酬を互いに与えられたと錯覚できれば、

その2人は、接近の度合いが増すでしょう。

つまり、みなさんに伝えたいのはこのシステムに悲観することではないのです。

知る事です。

この世界が過去も未来も延々と続く1つの根幹を知ることが大事なのですよ。」

と女性が話し終える。

その女性がいる一室には机がいくつも並んでいる。

サークル状にその女性を囲む形で並んでいる。

その座席には、10代後半と思われる男女10数名前後が座っていた。

皆、その女性を見つめていた。

「さぁ、質問を受け付けますよ。」

と女性は発する。

すると4~5人の生徒が手を挙げる。

女性は、少し悩むポーズをとってから、

「では、あなた。」

と1人の青年を指名する。

「では、現在の世界の在り方は、分散した国という個人が先の大戦や、政治経済のやり取りによってある程度まとまりを有した形だということですか?」

と終始、女性を見続けそう言った。

「その通りだと思いますよ。ただ、数多きものには特異点というものが常に存在しています。

それがきっかけで今後の在り方は、基準値を変えるかもしれません。

このまとまったように見える今の姿も次の段階へ移行しようとているかもしれませんよ。」



20XX年。7月12日。

日本にいるほぼ9割の人間が遺伝子世代と言われる時代。

遺伝子操作を受けた世代が産んだ子供たちが多くを占める時代。

世界の多くの人間は、科学が過程の存在であることを承認している。

つまり科学の絶対性などと言う錯覚に陥っていないのである。


「我々なにかしらの情報収集という役割が課されている。」

と1人の老人がいう。

「どうしてそう思うのですか。」

と1人の青年が尋ねる。


「わからないのか。君だっていつも行っている事じゃないか。」


なぜ人は、学問を発達させたのか。

多くの学問という解析ソフトを要して何を理解しようと指向したのか。


「この世の終わりの日か。」

「家族が消えたらそれが終わりの日だ。」

多くの人は、多くの討論を行った。

そのときだけは、

人は、個人ではなく集団という生き物になる。融合したように会話が恣意的なものになる。


「1人1人がキャタピラーの様に前へ前へ進んでは、地面を見つめ、また後ろから前へ行くんだ。」

ジェームズ・ブロックが17歳のときに友人と教師の前で発した言葉であった。


「日本のテレビなんてもうやる気は、ないね。

見ろよ。またただただ流している。別に視聴者なんかどうでもいい。

視聴者が関心がないんだ。スポンサーのためさ。

紙幣に価値がないように、このテレビの報道も価値がない。

だって、何が起こるかみんな、うすうす感じてるじゃないか。この次元にはないシステムで

僕たちは、今を見てるんだぜ?」

間野瀬トビオは、そう抑揚もなく友人と教師の前で発した。



「官房長官、長期化していた話し合いの進展が現れたの事ですが?」

取材陣にそう問いただされる日本の官房長官は、質問に答える。

「えードルエト共和国が我が国に向かって発射したミサイルが我が国に被弾した事に関して、

アメリカとの数回の会議により、我が国の憲法88条、防衛的戦略法により、進行を開始するという形で方針が定まりました。

アクセス能力のある者を除いてすべての特権ライセンスのあるものは、出兵の義務が発生しますので、

えー、これより送信されるメッセージに従ってください。」


「信仰心を忘れた我々に訪れるのは、地獄あるのみ。」

路頭で演説を行う男、ミカエル。

多くの人は、空を見つめながら歩いている。ミカエルの存在など最初から無かったかのように

ミカエルにぶつかる歩行者たちは、どこか満ち足りた顔をしていた。

「僕たちの今の信仰対象は、僕たち自身だ。」

リュックを背負い、母と手をつなぐ少年は、

ミカエルにそう言い放った。

ミカエルは、笑った。











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