↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな病弱王女は年上の婚約者に過保護に扱われる  作者: やらぎはら響
はじめまして婚約者様

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/16

15

 というわけで廊下を歩いているのだけれど、視線がすごい。

 メメッレに背後からじっと見られているのがわかる。

 あれだろうか。

 新参者が不穏な動きをしないように見張る的な。


(よくあるシチュエーションよね。悪役令嬢が婚約者の家に来たらそんなふうに言われたりするのよ『星屑の乙女になんてなりたくない』でもあったの覚えてるわ)


 そこでふと我に返る。

 似てないか、ルクレッツィの状態。

 悪役令嬢ではないけれど、まあまあ問題のある婚約者が急遽同居。

 でも監視のような真似をティクルスがするかなあと考えたら、しなさそうだなと思う。

 あれだけ親身になってくれている。

 少なくともルクレッツィにはしなさそうだ。

 ちらりと背後を振り返ると、メメッレが静かに歩いている。

 表情が変わらないから、歓迎されているのかいないのか、わからない。

 やはりクール系か、慣れたら変わるのか。

 それはそうと。


「はふ、はあ、はあ」


完全に息が切れてきた。

体力がなさすぎると思うけれど、そんなに歩いたことがないから仕方ない。


「ルクレッツィ様、私が庭までお運びいたします」


 メメッレの申し出に、しかしルクレッツィは微妙な顔をした。

 女の人に抱っこさせるのはどうなのだと思ったけれど、息が切れて苦しいのでお願いしてしまった。

 庭はすぐ目の前に見えていたけれど、遊ぶ体力を温存したい。

 人に抱えさせておいてと思うけれど、外で遊ぶなんてはじめてなのだ。

 少しくらいは、はしゃぎたかった。

 庭に続く大きなガラスドアを開けると、そこは広かった。

 芝生が青々と茂り、季節の花たちが風に揺れている。

 そして置き方タイプや吊り下げタイプのバードフィーターがいくつかあった。


「ひろーい」


 ルクレッツィはぽかんと庭を見まわした。

 一軒家の庭とはこんなに広いものなのか。


 (一軒家っていうかお屋敷だからこれが普通なのかしら)


 そういえばセレブ一家のコメディドラマ『ノートンブル家』でもお屋敷は大きかったし庭は広かった。

 栄養剤を撒くはずが除草剤を撒いてしまう庭師も、そういえばいたなと思う。

 おそらくそんなドジっ子庭師はいないだろうけれど、挨拶くらいはしたいなとルクレッツィは思った。


※『ノートンブル家』

 セレブ一家に焦点をあてたストーリー。

 栄養剤を撒くはずが除草剤を撒く庭師を筆頭に、問題児の使用人しか出てこない連続シリーズのコメディドラマ。


※『星屑の乙女になんてなりたくない』

 王道の少女漫画。悪役令嬢が婚約者の家に来たらふさわしくないなどと蔑まれるシーンがある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。