教会
ヴァル城の道路側には教会がある。昔はこの一帯の人達が集まり祈り葬儀や賛美歌を歌いクリスマスを祝ったのだろう。
今はもう駅の近くに近代的な教会があり、ここは忘れ去られた教会だった。が、フランソワーズが復活させ1年中クリスマス装飾の中世衣装で結婚式が挙げられる施設になった。教会の中はツリーの電飾が光り泡の雪が降らせられる。
ガブリエルの悲劇の恋の伝説のタペストリーまで掛けられている。
伽椰子とジョンもココで式を挙げたのだ。
両家の両親と家族だけで。皆忙しいので城を見学してすぐパリへ戻った。電車だと乗り継いで3時間くらいだ。
母の貞子は「ちょうど静岡みたいな感じかしら?」と理解していた。湖と古城と迫る高い山々に「ランドの新しいアナ雪エリアをスケールアップしたみたいね〜」と感動していた。
「ちょうどご先祖様が爵位貰った頃は、フランスも宗教問題やブルボン家が力を持ってきて、ヴァロア王朝も不安定だったんだ。王を守る近衛としてバロンとしてご先祖様は華々しく活躍したくらい命を狙われたみたい王家も。」長谷川先輩がフランソワーズからの受け売りで話す。
「宮殿内でもプロテスタントとカトリックで貴族同士でも殺し合いしてたみたい。一晩で万の数の人が殺し合う虐殺がパリであったとか。
王家一族を守り抜いて、ご先祖様は一介の農夫だったのにこの土地と城を与えられたんだって。
フランスは妾は正妻より権力あるから、ガブリエルも貴族の娘を正妻に子を産んで貰い、恋人を愛妾にしょうと思ってたみたい。
でも、そんな都会の貴族の慣習、恋人は知らないじゃん。だから、ガブリエルの凱旋で嫁を連れて帰ると聞いて恋人は絶望して身投げしてしまったんだよ。」と説明しながら教会でカメラを回す。
フランソワーズが製作依頼した巨大タペストリーにも崖から身を投げる恋人と花嫁を連れて凱旋するガブリエルが描かれている。
「この城は、16世紀に建てられたから新築時点で呪わてしまったんですね〜ガブリエルの恋人の名も残ってないし。どこに埋められているのか…」伽椰子は教会の中を歩きながらキョロキョロする。
今日は月曜日なので客も少ない。
シーンとした教会の中を撮影する長谷川先輩ジョンと一緒に巡る。
「ココの地下に昔はガブリエルも埋葬されてたけど、ユグノー戦争で破壊されたって。だから、今は近世の人達の墓しかないんだよね?」伽椰子が聞く。
「うん、1番最近は大叔父の墓だね。この城には住んでなかったから無事に天寿を全うしてるそうだよ。」と長谷川先輩がカメラを回しながら解説する。
「そのお墓とか見たりできないのかな?」伽椰子が聞く。
「うーん、現在の男爵の許可ないと無理じゃないかなあ?僕の家は分家の分家だし。」と長谷川先輩が首を傾ける。
「そこに入れれば、もしかしたら恋人の亡骸もあるかも?」伽椰子がカメラに向かって話す。
教会から出ると城の正門前はトラックなどが並んでいる。
フランソワーズは三船剛造一家に掛かりきりなのか?
スタッフさん達だけで、予定表を見ながら新しい飾り付けをしてる。
「マルニ男爵家はブドウの紋章なので、バッカス祭を予定してます。ブルゴーニュのワイナリーと提携していて当日は飲み放題とダンスパーティーをする予定なんです。」と言いながら学芸員スタッフがセッセと飾り付けをしている。
伽椰子もつい手伝って脚立に登って紋章の旗を飾るつける。




