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湖城の悲劇  作者: たま


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チョロい女

警察が人も亡くなってないのに本腰入れたのは、倒れた老人がフランス人にもファンが多い有名俳優だったからだ。長男夫妻がやっと意識を取り戻し会話出来るようになった翌日、食中毒を乗り越える体力が無かった大俳優は息を引き取った。

子供と孫の会話は訳されセンセーションナルに報道された。

特に三船ソックリの若い野心家のモデルは、モデル事務所に画像の問い合わせが殺到した。

物証が無い上に長男夫妻は、末のモデルが我が子をそそのかして事件を起こさせた!と曲解した。

事件として立件されなかったのだ。 

食中毒をどうやって誘発したのだ?と疑問視されたし、それで人が殺せるのか?トイレ出た後手を洗わないフランス人は多いので全く問題にならなかった。

長男夫妻も息子を連れて早々に東京の弁護士の元へ。長女母娘も大急ぎ東京に戻った。

新興宗教の教祖から弁護士を付けるので法定相続の遺留分を貰うように言われたのだ。どこからか遺書の内容をケイスケみたいに知ったのだろう。

葬儀は日本で行われる事になったが、色々と揉めそうだ。

末っ子のモデルだけはパリへ。取材やテレビ出演があり残った。フランス人もゴシップが好きだ。


バッカス祭は騒動の中でも無事に終わった。

フランソワーズは、やっと一息つけた。マルニ男爵は、初仕事だったが依頼者が亡くなり報酬は無かった。が「バロン探偵事務所」の名はフランス全土に広まった。

「心配だ…」ジョンは、取材の電話を受ける男爵を見て不安になる。

「良いんじゃない?すごい運を持ってる気がするわ。」久々城に来た伽椰子が笑う。手には大きな紙袋が下げられている。

「城に来て大丈夫かい?」ジョンが伽椰子を心配してハグする。男爵の事務室兼住居だがお構いなしだ。

「準備できたわよ。本当なの?ご先祖様の恋人の遺体の場所が分かったって?」部屋に入って来たフランソワーズがいぶかしそうに聞く。

「はい、もうずっとフルールに粘着されてましたから。彼女の背景の城は今のお城と違うんですよ。

大叔母様のお姉さんも会いました。地下の牢屋や拷問部屋まで逃げ込んでましたが、フルールの呪いから逃げられず…」伽椰子が言うと驚く。

「小さい時に聞いたけど、私はもう埋められてると聞いたの。そう確かにご長男夫妻が閉じ込められてた部屋の奥が牢屋でその奥の湖に張り出した部分に拷問部屋の廃墟があるって聞いたわ。今もあるのね!

封鎖されてるから、また破壊しないと行けないけど。」フランソワーズはジョンを見る。

「すごいお嫁さんを見つけてきたのね?」と言ったがジョンが首を振る。

「違うよ。自分からネギ背負って鴨が来たんだよ。僕も驚いたよ。」ヒドい言われようだ。

「あっ、チョロいお姉さんだ!会いたかったよ〜」声がして少年が飛び込んできた、玲だ。

「あの…息子がお世話になったそうで、ありがとうございます。」愛人親子はまだ城に残っていたのだ。

「息子がやっと退院できたので、これから帰ります。」と会釈して去った。

「もうちょっと太った方が良いよ〜今だと僕の方が胸あるよ〜」と元気になった少年が帰国できるのが嬉しいらしく帰って行った。

「ねえ…何があったの?なんで伽椰子の胸が板だって知ってるの?」ジョンが伽椰子に詰め寄る。

「知らないわよ〜何もしてないよ〜!!」伽椰子は踏んだり蹴ったりで泣くしかない。

「ハア〜ッ、チョロいのね、ホントに。」フランソワーズも失望する。伽椰子はやっぱり城に来るんじゃ無かったと後悔する。



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