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■第30話:目覚め
静寂。
戦闘が止まっていた。
機械兵たちは動かない。
全てがカナを見ている。
「……私、何なの」
震える声。
カナ自身が一番怯えていた。
頭の中で、断片が繋がり始める。
白い研究室。
培養カプセル。
無数のモニター。
そして——
『感情適応型個体、起動します』
知らないはずの声。
なのに、知っている。
レイが前に出る。
「カナ」
だがカナは後退する。
「来ないで!」
涙がこぼれる。
「私、人間じゃないかもしれない……!」
その瞬間、管理者の声が響く。
——対象確認。
——“観測補助個体カナ”を発見。
レイの表情が変わる。
「ふざけるな……!」
拳を握る。
「カナはカナだろ!」
その叫びに、カナの目が揺れた。
感情。
怒り。
悲しみ。
恐怖。
それらが一気に溢れ出す。
次の瞬間——
空間が爆発的に歪んだ。
管理領域そのものが悲鳴を上げる。
ジンが叫ぶ。
「下がれ!!」
誰も知らなかった。
カナの感情そのものが、この世界のシステムに干渉できることを。
そして——
“本当の異常”が、今、目を覚まそうとしていた。




