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■第19話:外への扉
外部接続区画。
普段は人の来ない、静かな場所。
空気すら、どこか薄い。
「ここ……」
カナが周囲を見渡す。
壁面に埋め込まれた、小さな観測ポート。
外部と接続されるための中継点。
「直接出るわけじゃない……でも」
レイは手を伸ばす。
「外に、一番近い場所だ」
端末を起動。
アクセス要求。
——拒否。
赤い警告表示が浮かぶ。
「やっぱり……」
カナが肩を落とす。
その瞬間——
表示が、揺れた。
ノイズ。
そして、静かに消える。
「……まただ」
レイは息を飲む。
「誰かが、許可してる」
明確な操作ログはない。
だが、確実に“通されている”。
カナが不安そうに言う。
「これ……誘導じゃないの?」
レイは迷わない。
「それでもいい」
指先がパネルに触れる。
「止められてないなら、進める」
ロックが解除される音。
低く、重い機械音。
その向こうにあるのは——
閉ざされていたはずの“外”。
「……行くぞ」
もう、引き返せない場所まで来ていた。




