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■ 第13話:管理者の影
部屋を出た瞬間、空気が変わった。
「……誰かいる」
レイが低く言う。
気配。
人のもの。
今までの機械とは違う。
足音が近づく。
ゆっくりと、確実に。
カナが息を止める。
影が伸びる。
通路の角から、人影が現れた。
「……やっぱり、来てたか」
低い声。
作業服を着た男。
見たことのない顔。
「君たち、どこまで見た?」
問いではなく、確認だった。
レイは一歩前に出る。
「ここ、何なんだ」
男は少しだけ笑う。
「知る必要はない」
その一言で、空気が冷える。
「でも、もう見たんだろ?」
逃げ道はない。
レイは黙ったまま、男を見返す。
「なら——戻れないな」
その言葉の意味を考える前に、男が通信機に手を伸ばした。




