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■ 第12話:残された映像
通路の先に、小さな部屋があった。
扉は半開きで、内部には古い端末が並んでいる。
レイは一つに触れる。
かすかな光が灯り、画面が起動した。
「動く……」
カナが驚く。
映像データが残っていた。
再生すると、粗い映像が映る。
白い服を着た人間たち。
何かを観察している様子。
その先に——
透明な隔壁の向こうに、人影。
だが様子がおかしい。
動きがぎこちない。
まるで呼吸が合っていないような——
「これ……人?」
カナがつぶやく。
その瞬間、映像が乱れる。
ノイズ。
そして、短い言葉。
『適応率、低下——』
そこで切れる。
レイは画面を見つめたまま動かない。
「実験って……何を……?」
答えは、まだ見えない。
だが、このコロニーが“ただの居住地ではない”ことだけは、はっきりしていた。




