↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プリンとキス  作者: 雲母あお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/43

41.良い関係だね

『あなたがいいんです!』

まっすぐに俺の目を見て言った明人さんの目から、目をそらすことができなかった。


そんな俺に、にこりと笑いかけると、


「それでは、少々お時間をいただきますが、お待ちいただけますでしょうか。ただいまご用意をしてまいります。」


綺麗な姿勢で立ち、スッと会釈をする。

対応もとても丁寧で気持ちが良い。


明人さんが立ち去ると、俺は店内を見渡してみた。


観葉植物が置かれすっきりとした。

ゴミゴミしていない。

テーブルもほどよく離れていて、隣の席の話し声が気にならない。

木製のおしゃれなテーブルにと椅子コンセプトがはっきりとしているようだ。

俺は、南フランスとか行ったことないけど海外にも行ったことがないけど、青と白を基調としていて清潔感があり、海外のおしゃれなカフェを彷仏させる店内だった。


「素敵なカフェだな。」


誰にに言うわけでもなく、思わずつぶやいていた。


そんな俺の小さなつぶやきも拾ってくれて、桜庭さんは、とってもうれしそうに笑った。

「そうでしょう。とっても人気なのよ。なんといっても居心地が良いの!」

「うん。居心地いいね。男一人でもこられそうな気がする。」

「うん!実際にいるよ。一人でケーキセットを楽しんでいる男の人!そして、なんといっても、デザートと紅茶がとってもおいしいの!」

そう言ってから、少し頬を赤く染めて、

「あ、あの・・・。えっと、彼氏が作ってるからって言うだけじゃないのよ。ここの店長さんのお菓子が本当に絶品なの。まだ、オープンして日が浅いんだけれど、少しずつ固定客がついているんだって。ほら、さっき来た時に最初に会った店員さん、ここの店長さんなの。」



あの人、ここの店長さんだったのか。

意外と若くて驚いた。


「彼氏さんは、お菓子の専門学校とかに行ってたの?」


「行ってないよ。このお店で働くようになってから、ものすごく努力してる。」

お冷をこくりと飲んだ。

俺もお冷に手を伸ばした。


外は暑かったから、氷の入ったお冷は、今の俺たちには格別だった。


「私がこのお店を見つけて、このお店に彼氏を連れてきたら、私が頼んだプリンアラモードに衝撃を受けて、ちょうどその時、店内にウェイター募集って書いてあったのね。その場で面接受けちゃったの。」


「行動的な人だね。」


「そうでしょう。そこもとっても気に入ってる。」

うふふ、と嬉しそうに笑う。


「それでね、そのまま採用されたの。オーナーが、彼氏の熱意に負けちゃって。」

今度は、思い出し笑いをしている。


「本当はお菓子が作れる人を募集していたらしいのだけれど、でも、ウェイターさんが1人で配膳とか切り盛りしてくれたら、オーナーがその分お菓子作りに専念できるから、役割分担をしようって言うことで合致して、採用してもらえることになって。それから一生懸命ここで働いて、時間があるときに、オーナーにお菓子作りを教えてもらってるみたい。」


「そうなんだ。」

相槌を打ちつつ、どんなお菓子の特訓しているんだろうなと、とても気になった。

いいな。

と、少し羨ましいと思ってしまった。


「そうなの。それで、時々、試作品をこうして食べさせてもらって、意見を言ってるんだ。

私は作れないけれど、甘いものとカフェ巡りが大好きで、たくさん食べてきたから、味はわかるつもり。お店情報とかもたくさん調べて、美希特性のデザートガイドマップみたいなのを作って、彼氏が休みの時に、彼氏の勉強になるように、デートがてら一緒にデザートの食べ歩きをして研究しているんだ。」

ちらっと厨房の方に目をやると、またお冷をこくりと一口飲んだ。



「まぁ、研究しているのは彼氏だけだけどね。私は、もっぱらおいしいお店探しと、美味しく食べるだけ。でも、彼氏と会う前からそれをずっとやってきたの。私の趣味なの。今は、その趣味が役に立って、とってもうれしいなぁって思ってるんだ。」

話終わって、満足そうな顔をしている。

そんな桜庭さんをみて、幸せなんだなと感じていた。



「良い関係だね。」

心からそういうと、桜庭さんは、隠すことなく満面の笑みを浮かべた。


「ありがとう。そう言ってもらえるとうれしい。」



そこへ、明人さんがワゴンをおしてテーブルの前にやってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。