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プリンとキス  作者: 雲母あお


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35/43

35.このあと時間ある?

今日は、かのこさんに会う日。

といっても、絵画教室の日なんだけど。


昨日、かのこさんに渡すクッキーを作って、今朝ラッピングをした。

「うん!よし!」

今回は、クッキーも自信作なのだが、ラッピングもなかなかよくできた。


本当にいい感じにできたな。

朝早起きしたから、朝の時間がゆっくり流れていて、朝から気持ちがいい。


いつも、家でも食べたいと言って少し残して帰るから、今日はベンチで食べる用と家で食べる用の2つを用意してみた。

かのこさん、喜んでくれるといいな。


クッキーを初めてかのこさんに持って行った時の、かのこさんが美味しそうに食べる姿を思い出して、自然に笑顔になる。


かのこさんの、あの美味しそうな顔、また見たいな。


渡す時に、割れないように、100均でいい感じの箱を買ってきたのだ。

箱の蓋を開けると、そっと二つの包みを並べて入れる。

「うん。ぴったりだ。これで持ち運ぶ時に気にせず運べるな。かのこさんに渡す時にクッキーが割れていたら嫌だからな。」

そっと箱の蓋をして、トートバッグに入れた。



今日は、午前中ゼミの集まりがある。


「さて、大学に行くか。」


まだ残暑の厳しい外に向かって、アパートから歩き出した。




もうすぐ後期の授業が始まるので、夏休みのゼミの課題について、一度先生と話す機会を持つということで、今日の午前中ゼミが行われる。


ゼミは、朝9時から始まり、12時頃終わった。

今日も頑張ったな!

3時間ぶっ続けのゼミは、正直疲れた。

もちろん水分補給はできるし、トイレ休憩もあったけど。


そして、昼ごはんをみんなで食べようという事になって、みんなでそのまま学食まで来たのだった。


学食で昼ごはんを食べ、1時間くらいゼミの課題について情報交換をした。


大学生らしい1日で、なんだか充実感を感じていた。


もうそろそろ学食が閉まる時間になり、食器を片付けていると、スッと隣に櫻庭さんがやってきて、俺の耳元で、小声で声をかけられた。


「戸ノ岡君。」


このあいだ、倉島から美希さんの苗字を教えてもらったからバッチリだ。

美希さんは、桜庭美希さんというらしい。



「桜庭さん、なに?」

と、応えることができた!

サンキュー倉島!


「この後予定なければ、ちょっと付き合って欲しいところがあるんだけれど。」


「…?」

急に何??

俺に付き合って欲しいところ??

皆目見当もつかず、驚きすぎて固まっていると、


「終わったら、図書館の前で待ってて。」

とだけ告げて、友達の所へ戻って行った。



俺の返事も待たず・・・


まぁ、今日はかのこさんに会うために夜出かけるだけだから、午後時間はあるけど。

いやいや俺に何の用事?何かしてしまったのだろうか?とネガティブ俺が心の中でずっと言っているが、ここは無視しておこう。


うん。頑張れ!俺!

とりあえず、図書館の前まで行って事情を聞こう。

うん。そうしよう。


そう言いながらも、なんで呼び出されたのかわからないことが不安で、ネガティブ俺が心を占めていく・・・



食器を片付けると、食堂の出入り口へと歩き出した。





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