18 .いいやつ倉島
もう7月。
昼の学食とゼミだけの付き合いだった倉島と、最近他でもよくいるようになった。
なぜだか懐いてくると俺は思ってきているが、向こうからすると、俺のことは、人見知りの親戚の子みたいだと言ってから、それにしか見えなくなっているらしい。
どうやら俺のお兄ちゃんポジションに立っているらしい。
正直ありがたい。
お節介焼きのいいやつだと思う。
「もうすぐ夏休みだな。」
んーと伸びをしながら倉島が言った。
あくびまでしている。
「その前に前期の試験な。」
「またオカンは楽しいこと考えてたのに台無しにするー!」
「ついでに、その前にレポートな。」
「あーこれだからオカンはやだ。レポートとか。。さらに増やすし。。憂鬱だな。。お前レポート終わった?」
「ああ、大体終わったかな。」
「まじか!!見せてくれ!」
「嫌だ!」
「なんで!」
「写す気だろう!」
「当たり前だ!」
「あほ!」
「ああ、そうだ!冗談はさておき、野球部の先輩からテスト情報もらったんだった。学食で勉強しようぜ。」
そうか。冗談でよかったよ。
「俺にも教えてくれるのか?」
「当たり前だろ。共に試験を乗り切って楽しい夏休みを送ろうぜ!大会もあるし。」
「アホは取消す。ありがとう。」
「俺、お前のそういうとこいいと思ってる。」
「ん?」
「素直にお礼言えるとこだよ。」
「!?」
「行こうぜ!お茶淹れてくれ!いつものやつ。」
「学食のただのお茶でいいのかよ。お礼に飲み物おごるよ。」
「いいよ。お前が淹れたお茶、美味いんだよな。そんでもってなんか落ち着く。」
「……」
「ほら。照れてないでさっさと行こうぜ。それで早く俺にお茶淹れてくれ。喉乾いた。オカン!」
「だからオカンはやめろ。小学生っていったりどっちなんだよ。」
「どっちがいい?」
「どっちも嫌だ。」
「じゃあなんて呼べばいいんだよー!」
「普通に呼んでくれ。」
「それはつまらん。」
「やれやれ。やっぱりアホだな。」
そう言われて、倉島は、にかっといつもの笑顔になった。
いいやつ倉島!




