21.クラゲはショータを捕獲する。
ショータ入部です。
海野美月視点
恥ずかしい。窓ガラスに映る自分の姿、スカートが短すぎる、ガッチリした足が強調される!
だいたい無理やろ、女子一人で他の生徒もおる教室に入って男子生徒勧誘してこいって。
逆ナンやん、不審者やん。好奇の目で見られるの必至やん。
ああおるな、ターゲット(射沢翔太)、一応周りの女子に確認したら知ってる子が多かった。
超絶美男子やけど気難しくて反しかけても笑うだけ,返事してくれへんらしい。
なんやそれ? お高くとまっとるやん、とは思うけど、礼華との友情のためや。
イメージトレーニングしてきた通り話しかける。
「あの、私、野球部にマネージャー何ですけど、野球部に入って欲しくってぇ、
あっ女子マネージャーも大勢いて、髪型とかもー。」
上目遣いで見ながら、どっから出とるんやという声、しかも標準語で言う。
我ながら気色わるい、サブイボ出とるやろな。
「入部します。」
「それでぇー、他にも―、って! 何て言うた?」途中から地声になった。
「野球部に入部します。こちらから部室に行こうと思ってました。」
・・・おい礼、界まで短くしたスカートで柄にもない演技した私の努力は無駄やったんかいな。
スカートの長さを戻しながら話しかける。
もう作ったキャラクターやなくても良いやろう。
「部室に入部届書きに来てくれる?ユニフォームのサイズとかも聞きたいし、あっ、結構お金かかるけど
大丈夫?」
大丈夫らしい。部室まで来てくれるらしい。
礼華、貸しやで、当分奢ってや。




