22.11人いる!
どこも人手不足のようです。
射沢翔太視点
二人で黙って歩くのも変だと思ったのだろう。
関西弁で明るく話す子と歩く。
「お姉さんてどんな人?」と聞いて来るので一人っ子だと答えると
「?」になった。ああ礼華ちゃんの友達だったから何か聞いてるな。
「お姉ちゃんと呼んでるけど父の妹、叔母なんだ。おばさんって呼ぶと怒るから。」
と言うと納得していた。
「お姉ちゃん、って呼んでんの?」
「うん、子供みたいでしょ?」
「そんな事はないけど。」
何故だろう、ほぼ初対面なのに全然吃音が出ない。
「この前はありがとう。」
ああ、入学式の後の変な男の事か。
「全然役に立たなくて・・・、かえって迷惑だったんじゃない?」
いきなり手を出してしまった。馬鹿だ。冷静に対応する五十嵐先輩が眩しかった。
「ううん、知らん顔する人が多いのに有難う。」
前、母の患者にクレーマーがいて、この前の男みたいだった。
理屈も何にもなく喚き散らし、暴力をふるう・・・。大嫌いだった。
咄嗟にあれを思い出した。 彼女に言う必要はないだろうけど。
部室には一人だけ人がいた。
中村礼司さん、礼華さんのお兄さんだ。
驚いた事に野球部主将で唯一の3年生らしい。
野球を実際にやった事はないけど内申が良くなるから、と笑っている。
入部届やら用具の説明やらしてくれる。そして、
「よし、11名だ。」と言った。大丈夫かこの野球部?




