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Last Resort  作者: 当廟
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やばいじゃんね、これ。

ちょっとこれは勝てる気がしない。強制負けイベントじゃないんですかね?

明らかに現段階で戦う相手じゃないでしょこれは。

せめて二次職とか種族進化とか挟んでからやるもんじゃないの。



「気味悪い見た目してるなぁ、あれ物理的に目が光ってんの?」



完全に日が落ちて真っ暗になった世界で紅い眼だけが見える。


前に目算でS1のボス前から街までで10km程度はありそうだと考えてた。

それを基準にするならばマップが1マス10km四方として……20km位?

感覚でギリギリ2マスくらい?だから3マス手前として。方向的にキャベンデッシュ領より南だからE2S1。

まぁその辺かな。大雑把だけど。



「しっかしアレ動いてないのか、サイズ感狂っててそう見えるだけなのか?」


「いやーアレ動いてなさそうじゃないですかぁ?派手に登場した割には拍子抜けですねぇ。あ、どもおひさです」


「どーも、数日ぶりかな。てっきりそのまま突っ込んできたり攻撃してくるもんだと思ったんだけどね、あくまでも登場ムービーカットインって感じなのかな」



演出と割り切って、そう考えるならば次のトリガーは何だってことになるんだけども。

時間経過かイベントか、いっそ誰かが近づくまではそのままだったりして。流石にないかそれは。優しすぎる。



「ですかねぇ。ところでヤギリさん、神託聞きに行きますぅ?」


「神託?そんな行って確定で聞けるようなものなの?かなりレアなイベントだと思ってるんだけど勝手に」


「あーそうかぁー。ヤギリさんって掲示板見ないんでしたねえ。何か教会で神託が下りたとかで発表があるらしいです。教会前の広場ですって」



聖女とかそういう重役NPCでもいるのかな。真っ白な訳の分からないのは見たことあるけど。

あれもシチュエーションが違えば神託だって言えなくないのかなぁ。


…あれ?Break Carrier? 何か見覚えというか聞き覚えがある気がするんですが。

システムメッセージのログで確か……あった。気のせいじゃなかった。


ただの記号で古い伝承だっけか。教会に来いとかも言ってたような。

なら丁度いいか、偶然とは思えないし誘導されてる気もするけども。

考えても仕方がないし流れに任せよう。という訳で。



「ならイベントムービー見に行きましょっか」


「うぇーい、神託で倒せとかそんなんですかねぇ?フレーバーテキストみたく背景でも聞けたりするのか。何にせよある程度の指針位は定められるように情報欲しいですなぁ」


「山背負って引っこ抜く超ド級レイドボスだしね、HPが膨大だったりダメの通りが悪かったりギミック攻略必須だったり、何にせよ手間がかかりそうだ」


「トライ&エラーがゲームの醍醐味なのはわかるんですけど邪魔くさいからあんまりしたくないんですよねぇ。ある程度目処漬けて効率よくやりたいというか当てもなくやりたくないとうか」


「神託次第では直接叩いてみて確かめるしかないんだろうなぁ。あーでもアーカイブあたりがどっからか情報掘り起こしてきそうな気もするけど」


「ですねぇ。しかしやっとタイトルらしくなってきたと思いません?」


「え?」


「え?」



何やら話が噛み合わない。齟齬があるようだが一体どこに。

Resortにあんな化け物は居ないでしょ普通は。始めるきっかけのムービーにだっていなかったしさ。

今でこそ結構な割合を戦闘につぎ込んでしまっている感じがあるが、それだって結局は新しいフィールドを開拓して行く為に必要なものだから。

そう考えれば本来の大筋からはそこまで逸脱はしてないはず。



「Last Resortでしょ?」


「Last Resortですよ?」


「え?」


「ヤギリさん、Last Resortの意味って言うのかな?名詞?諺?まぁとにかく何を意味してるかですよ」


「そのまんま最後の楽園とかそういう意味じゃないの?現実じゃお目にかかれないような」


「あーその意味も含んでるとは思いますけど多分メインは違うと思いますよ。おそらくは『最後の手段』『最終兵器』『切り札』『奥の手』そっちの意味ですねえ。」


「へぇ、要するに他の選択肢が消えてそれだけしか取りえないってことか。ヴィランの自爆みたいな」


「ですです。元はそういう意味だったみたいですけど今はとっておき的な意味でもあるみたいですねえ。だからタイトルはその辺のダブルミーニングじゃないんですか」



なるほどなぁ、素直に関心。その辺の慣用句とかは知らないと全く別の意味でとらえることになってしまうわけで。


でもって賢くなったところで人だかりに到着。

見た目的にNPCも多いか。宗教の強い世界で大本山のお膝元に居ればそうもなるか。



「全く見えないな」


「見えないですねえ」



人の壁が分厚すぎる。見えない聴こえないだと全くもって来た意味がなくなってしまうんだが。

単純にイベントに乗り遅れたともいえるけども。



「ヤギリさん、肩車してください」


「…高度な心理戦を伴う罠か何か?」


「セクハラで通報したりしませんって、単純に視界確保と直線で音拾うためです。もう始まるみたいですし」


「あー確かに聴覚強化あれば聴こえそうな距離ではあるか。任せた」



心を無に、明鏡止水で……

あぁ後ろの人ごめんなさい、今からあなたの前に壁が出来ます。

ってか別にこれ掲示板とかでも内容見れたのでは。もう遅いが。



「お、出てきましたよ。全身真っ白な女の人ですねえ。眼だけ真っ赤です。アルビノ?そういえば宗教って階級で色とか決まってませんでしたあ?真っ白ってどうなんですかねえ?」


「宗教ごとに色々あるし何とも。神道系は白とか紫が偉かったような気はするけども。ここはやっぱ世界最大宗教ベースなのかね」


「ですかねえ。見た目と建物だけで判断しちゃってますけど。……んん?」


「どうかした?何か気になるものでも見つけた感じ?」



見えないから詳しくは分からないがしきりに首を動かしるような気がする。



「───やっぱそういう……いやでも……うぅん……」


「一人で納得してないで出来れば教えて欲しいんだが」


「あぁすいません、やっぱり神託ってこうピーンときたり電波受信する感じのスキルだったりするんですかねえ。ふっと思っちゃって」


「特殊な取得条件のスキル説はあるかも、会長とかアーカイヴ辺りに投げてみたら案外答えがすんなり出て来るんじゃない?」


「ですねぇ、選択肢には入れときます。あ、始まりましたよ」



とは言えだ、人の壁に遮られ声自体は何となく聞こえるが内容まではよく分からない状態で。


適当に要約してもらって聞けば、黒いのは敵で人への試練である、過去に幾度となく表れた厄災の一つ、目標はここ聖都である。みんなで協力して乗り越えようと。



「あーこれ掲示板でも言ってたやつですねえ。川は地平に、山も地平に、荒野の道とかいうやつかな。農民ばっかりの時代に巨体で全部轢き潰されたらそりゃ被害とんでもなくなりますよねえ」


「それでBreak Carrier、破壊を齎す者ってか。何かちょっとかっこいいな」



テローンと軽いキャッチーな音。



『どうも、ヤギリさん。今お時間よろしいですか?おそらくアヤカさんと居られるかと思いますがこれからレイド対策会議とかどうですか?』


『人工衛星でも飛ばして見てます?レイドの話ならいいですよ。場所は何処に行けば?』


『以前にボス攻略会議した店でお願いします。広い部屋押さえてますので』


『了解です、向かいますね』



チラリと振り返るも人の壁は変わらずで、何も見えやしない。

この世界の住人結構体格いいのが多いなぁとか思ったり。



「経費でお茶しに行きましょうか」


「ケーキバイキングありますかねえ、モンブランは外せないですよ」



会長ならお金持ってそうだし大丈夫でしょ、たぶん。



非常に間が空いてしまいました。頑張って更新します。

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