181 ライブの後4
目標の200話まであと20話です。年内には完結するみこみです。
書き上げたら、しばらく休むつもりなので、それを楽しみにがんばります。
今回は風歌と森山君の話に戻ります。
藤田風歌です。
森山君のライブのあと、二週間たち、ようやく、朝の通学時間、森山君と普通にしゃべれるようになりました。
でも、森山君の女性関係は気になるし、森山君に告白された事実もどうしていいかわからない状況です。
それにしても森山君の気持ちがわからない。
私のこと好きだから、私とうまく話せなかったはずなのに、告白した後、返事してないのに普通に喋れるようになってる!
まさか、私に判断を任せたから気楽になってるの?
ずるいぞ!
うーん、どうしよう?
森山君を知ってから、森山君と付き合うかどうか決めたいんだけど・・・
ていうか、森山君に交際を申し込ませたいな。
私から言う話じゃないよね。
でも、待ちきれなくなったら、私から言うかも・・・
森山君を知るには・・・
そうだ!森山君はバンド少年だから、音楽が何より好きなんだ!
森山君の好きなバンドや曲を教えてもらおう!
そこで価値観を共有できるかわかる!
ライブで演奏してた曲良かったけど、それだけじゃわからないもん。
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森山優人です。
ライブが終わってひと段落だ。
次のライブは夏休み直前の軽音楽部でのライブになる予定。
軽音楽部でのライブは観客は身内だから、気軽にできる。
大体無料だし。
俺の藤田さんに対する気持ちは、落ち着いている。
好きだって言っちゃったし、毎朝会話ができてるし、とりあえずそれで満足しちゃっている。
付き合うかどうかは、もう少し時間をかけて決めたい。
だって、知り合って間もないしね。
そう考えてたら・・・藤田さんから、急にこんなこと言われた。
「森山君、森山君の好きなバンドや曲を教えて。
私と価値観が会うかどうか知りたいんだ。
だから、いかにも女の子が好きそうな曲を選んじゃダメだよ。
本当に好きなものを教えてね。」
おお、これは、テストみたいなものか?
俺の好きな音楽を知りたいのか?
趣味が合わなかったら、付き合えないっていうことかな?
こりゃ困ったな。
そもそも、男と女じゃ聴く音楽が違ったりするぞ。
どうしよう?
まあ、深く考えてもしょうがない。正直に好きなバンドと好きな曲を教えよう。
もし好みが合わなくてもしょうがない。
いずれわかることだし。
俺は、家に帰って、好きなバンドの動画のURLと、なぜそのバンドを好きなのかという理由を書いて、スマホで藤田さんに送る。
好きなバンドやシンガーのライブ動画を7つほど選んで送った。
洋楽中心だ。
俺は、バンドでは日本のバンドのコピーもやってるけど、
基本的には欧米のロックバンドが好きだ。
気に入ってくれるといいなー。
クセのあるバンドも選んじゃったけど、どうかなあ?
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風歌です。
森山君から、森山君が大好きなアーティストの曲の動画サイトのURLと説明がスマホで送られてきました。
お願いしたその日の夕方です。
あんまり考えないで、自分の好きなものを素直に選んだのでしょう。
森山君、策を弄するタイプじゃないもん。
で、まず、森山君のメッセージを読んで、それから動画サイトの試聴にかかります。
30分ほどたったあと・・・
「うーん、ピンとこないなー。」
私は4つのアーディストを聴いたところで、ちょっとがっかりしました。
私の心の琴線に触れるような曲が全然なかったからです。
実は、私はカラオケが大好きです。両親が好きだった影響です。
Jポップ、洋楽関わらず、歌うのが大好き。
子供の頃、カラオケ・コンテストで優勝したこともあります。
けっこう歌唱力があるって言われています。
子供の頃は、将来歌手になろうと真剣に考えたことがあります。
でも、中学生になってテニスに夢中になってからは、考えなくなったけど。
で、私が、曲を聴いて一番のポイントとしていたのは、「自分が歌ってみたいような曲か?」ということでした。
残念ながら、4曲目まではそんな曲がありませんでした。
ヴォーカルが男性だし、曲も、男性的で、メロディも好みではありません。
「やっぱり、森山君と私は価値観違うのかな?」なんてあきらめつつ5曲目を聴き始めます。
次の曲は洋楽でした。
外国人の女性がギターを弾きながら、激しく歌う曲でした。
「何、これっ?かっこいい!!すごい!この女性、すごいよ!
こんな風に歌ってみたい!」
私の体に電流のように何かが走りました。
バンド名はブリングストーム、アメリカのバンドです。
ヴォーカルのリジーって女性、めちゃめちゃかっこいい!
私は、他の曲も聴いています。
バラードっぽい曲もすごくいい!歌上手い!
私はネットで、このバンドの曲を聴き漁ります。そして、いつの間にか、ネットでこのバンドのCDを1枚注文してしまいました。調べてみると、このリジーって日本ではそれほど有名ではないけど、世界的に人気のある歌手ってわかりました。
私は以前から、女性ロッカーというものに憧れがありましたが、具体的に好きなバンドはなかったんです。
でも、今日、とても好きなバンドができました。
森山君、ありがとう。
いつの間にか、曲を口ずさむ私。
うーん、男勝りに歌い上げるこの声、私が求めてた女性ヴォーカルだ。
私もこんなヴォーカリストになってみたい。
でも、私は高校は演劇をやるって決めたんだ。今さらバンドをやるわけにはいかないよね?
ん、待てよ。
演劇と歌手って似てるところがある。
まずは発生練習を毎日するし、大声で話すから喉が鍛えられる。
そうだ、そういえば雅先生が言ってた、今後は劇の中で歌も取り入れていくって!
そうだ、演劇やりながら、歌の技術を磨いて行こう。
劇の中で歌を歌う役、雅先生に提案して、演じよう。
そして、・・・演劇部を引退したら、今度はバンドで歌を歌ってみたい!
これはいいアイディアだ。
うーん、ワクワクしてきたぞ。
演劇に夢中になりつつ、演劇部を卒業したあとの、歌手へのチャレンジ!
ロックバンドで歌を歌ってみたい!
なんか目標ができてきた。
これなら、森山君と一緒に居る理由ができる。
やはり、共通の目的、共通の楽しみがないと、仲良くなれないよ。
私は、そう思うと、夜遅くなっているにも関わらず、森山君に電話をしていた。
時間はかかるかもしれないけど、いずれは森山君と音楽でつながりたい!
そういう気持ちを伝えたかった。
音楽の話をいっぱいして、そして、時期が熟したら、森山君と付き合いたい。
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優人です。
「藤田さんに教えたバンドや曲、正解だったかな?まあ、正直に自分の好きな曲を教えたけど、
女の子向きな曲少なかったよな。何、これ?って思われたらどうしよう?
まあ、しかたないか?」とぶつぶつつぶやいていたら、スマホが鳴る。
あ、藤田さんからの電話だ。
どうしたんだろ?
「はい、森山です。」
「あ、夜遅くにごめん。おススメの曲、聴いたよ。
ほとんど趣味に合わなかった。」
「そ、そう、そりゃ残念。」俺はがっかりした。やっぱり、女の子向けじゃなかったかな?
「でもね、一つ大好きなバンドがあったよ。ブリングストーム!
リジー、すごくかっこいい!
私、リジーみたいな歌手になりたい!
私、演劇部やっているうちはバンドできないけど、演劇部卒業したら、バンドやりたい!
森山君、そのときは私と一緒にバンド組まない?」
「は?どうしちゃったの?
そりゃ、リジーはかっこいいけど、歌、すごく難しいぞ。
それに、バンドやりたいなんて知らなかった。」
俺は、急展開に動揺した。
ロックとは全然関係ない女の子だと思ってた子が覚醒した事実についていけない気分だった。
小説の中では、ちょっと名前を変えちゃいましたが、風歌が気に入ったバンドのモデルはヘイルストームというバンドです。
ヴォーカルはリジー・ヘイルです。
私、好きなんですよね。
世界でナンバーワンの女性ロッカーだと思います。




