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176 高校生バンドのライブ

藤田風歌です。


結局、森山君のライブには、同じ演劇部の仲良しの二人が一緒に行ってくれることになりました。

小動物的な可愛さがあるのに、男装女性好きの日川彩里と男性にエッチな目で見られて男性嫌いになっている島田明日香です。

男性が苦手な二人が参加してくれるのは、ライブに二人の知り合いの女子校の生徒が出演するってわかったから。

その生徒、二人のクラスメイトなんです。

私も紹介してもらっているので、私もちょっとした知り合いです。


その生徒、下川愛瑠(しもかわあいる)は女の子バンドでの出演なんですが、何と森山君のバンドにもゲスト出演します。

うーん、不思議な縁。

まあ、バンドやっている連中は横のつながりあるからなー。


「愛瑠、女の子なのに、かっこいいんだよー!ギターをギュイーンっと鳴らしちゃうんだから。」

男っぽい女の子が大好きな彩里は、下川さんのことをけっこう気に入ってるみたい。

彩里は時々軽音楽部の練習を覗いているらしく詳しいんだ。

下川さんは男装はしてないけど、髪の毛をちょっと逆立てたりして、ロックっぽい容姿。

スレンダーな体型で、ちょっとボーイッシュ。なるほど、彩里の好みかもしれない。


明日香は、観客の半分は女の子になりそうってことで、たぶん大丈夫だろうと判断。

参加してくれます。

もし男の子ばっかりだったら、絶対来ません。

バンド演奏を見ることはすごく興味があるみたいで、意外に嬉しそうでした。

実はけっこう好きなバンドがいっぱいあって、ロック少女だったりするんです。

話してると専門用語が出てきます。


さて、会場で、男子校メンバーと合流します。

男子校メンバーは私の仲良しの和音と朝倉君、あと女性が苦手という演劇部の小泉君と伊藤君という男子が来るそうです。

男子が苦手な女子と女子が苦手な男子のご対面、どうなるかな?ちょとドキドキ。


でも、そんなことより、森山君のバンドでのパフォーマンスが気になるかも!

私のこと好きだって言うんだから、カッコイイとこ見せて欲しいなあ。もっともっと森山君を知りたいし。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


私、島田明日香っていいます。

桃花女子高校の1年生で演劇部。

私の欠点は、自分でもわかってるけど、男性恐怖症。

実は中学の時に、家族と満員電車に乗っている時に痴漢にあって、男性が怖くなったんです。

私、胸とお尻が大きくて、ウエストが細い体型で、よくエッチな体型って男子に言われるんです。

それで、男子に嫌悪感を持っていたんですが、その痴漢事件(お尻を軽く触られた程度です)のせいで、決定的に男性が嫌いになりました。

男性は私の身体をジロジロみたり触りたがる変な生き物というイメージが体に植え付けられたんです。

でも、私もばかではありません。

世の男子がすべてスケベなわけはないんです。

だから、普通に同世代の男子と話せるようになりたいなとは思ってるんです。


今日は、同じ演劇部の風歌に誘われて、同級生の下川愛瑠が参加する複数の高校生バンドのライブに来てます。

仲良しの日川彩里も一緒。

今はライブ前で、ロビーで雑談中です。


幸いにして、来ている観客の半分以上は女の子かな?良かった!

男子だらけだと、ちょっと怖くなるから。


風歌が、男子校の男子4人を紹介してくれて、近くにいます。

男子4人と言っても、一人は男子校の「姫」の太田和音さん。

びっくりするくらい可愛い。スカート履いていて、普通に女の子に見える。中性的と言えば中性的だけど、とにかく可愛い。

私と同じで、男性と話すのが苦手な彩里が、「可愛い!」って抱き着いちゃったくらいです。

私も全然大丈夫。


問題は後の3人。朝倉君、小泉君、伊藤君とは挨拶はかわしたけど、ちょっと上手く話せなかった。

3人とも礼儀正しくて、変な感じは全くないけど、やはり苦手かも。


あ、彩里が、愛瑠のところに遊びに行っちゃった。

風歌も知り合い見つけて、ちょっと場をはなれちゃった。

困ったなー。私、誰かと話さないと、ひまになっちゃう。


その時、伊藤君が着ていたジャケットを脱いで、Tシャツだけになります。

どうも暑くなったみたい。今日は天気いいからなー。

えっ、バンドの名前が入ったTシャツだ!

えっ、うそー。私が大好きなあのバンドじゃない!


気が付くと、私は、伊藤君に声をかけてました。


「伊藤君、そのバンド好きなの?どちらかというと女の子に人気のバンドだけど。」


「えっ?あ、ああ、そうだね・・・。確かに女の子に受ける歌詞が多いから女の子のファン多いけど、実は俺、大好きなんだ。特に、ギターの音が好きで、ギタリストのファン。この間もライブ観に行ったよ。」


「嘘!私も観に行った!」


それからは、私は伊藤君が男子だってことを忘れて、話しまくってしまいました。


大好きなそのバンドについて、演劇部やクラスメイトは全く知らなかったんです。

私はずーっと欲求不満でした。

同じファンを見つけたのならば、それはすごいことです。

逃したくはありません。


伊藤君は最初びっくりしてましたけど、私の質問に丁寧に答えてくれて、すごく感じよかったです。


(あ、私、普通に男子と話せる。すごい!)


私は、共通する趣味があれば、男女の垣根を超えられるんだって、不思議な気分になりました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


風歌です。

ライブには5バンド出演です。


愛瑠は最初に出演するバンドに所属、そして、ラストに出演する森山君のバンドにゲスト参加します。

そして、森山君ですが、森山君も二つのバンドに参加してました。

3番目のバンドへのゲスト出演(女の子のバンドらしいです。)して、そのあと自分のバンドで出演します。


さあ、ライブが始まりました!

トップバッターは女の子だけのバンドです。

黒づくめの男っぽい衣装で、みんなヴィジュアル系のメイクしていて、中性的なメンバー。

男勝りの勇ましいヴォーカル担当の女の子はけっこう歌唱力があってちょっと驚きました。

ハードな感じの伴奏に負けてません。

アニソンで有名な某歌手みたい!


でも、さらに驚いたのは下川さんのギター・ソロ!めちゃくちゃ速弾きでかっこいい!

客席の女の子からはキャーキャー声がかかります。女の子のファンが多いんだ!


隣を見ると彩里が興奮してる!

「うーん!愛留、素敵!やっぱ、かっこいい!」


一緒に来た他のメンバーも、

「すげーな!」「驚いた!」「男子負けそうだな!」と男子が目を丸くし、

明日香は「女の子とは思えないテクニック!」と冷静に分析したりして、感想を述べてます。

みんな興奮気味。


4曲ほどやって、愛瑠のバンドは終了。


次は男の子のバンド。

女の子バンドと全く方向性が違うロマンチックなふわっとした曲をやるバンドでした。

ヴォーカルの男の子の声がものすごく高くて、メルヘンの世界に連れて行ってくれる感じです。

歌詞も凝ってて、なかなかの実力派。これ、いいかも!

こちらも友達でしょうか?男女から声がかかって、楽しい雰囲気で進行します。


そして、次はついに、森山君が参加しているバンドの番がやってきました。

どんな感じなんだろう?

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