173 1年生仲間
ついに173話まで来ました。200話が見えてきました。読んでいただいている皆様には深く感謝いたします。何とか目標の200話まで書いて、終わらせたいと思います。
女性化する男子と、ノーマルなイケメン男子だけど女性化する男子を好きになってしまうお話、大好物です。といいつつ、普通の恋愛話も挟んでいます。恋が上手くいく話も大好物です。賛同していただける方、最後までお付き合いください。
朝倉良太です。
演劇部に入って、もう1カ月近くたつ。
教室では、和音以外に仲のいい仲間が3人できた。
とは言ってもそのうち二人は演劇部の部員だ。
何とウチのクラスには演劇部が4人いる。
そのため、休み時間も部活の話で盛り上がってしまう。
その二人の名前は小泉一馬と伊藤幸喜だ。
二人ともけっこう容姿が整っているので、中学生の頃モテたのかと思ったら・・・
何と二人とも女子恐怖症だった!
二人は女子が苦手で男子校を選んだようだ。
何と、女子に見える小出先輩や和音に対しても、最初、上手く話せなかった。
変なやつら!
でも、話を聴いたら、なるほどと思ってしまった。
小泉は、家庭に問題があった。
母と姉が原因だ。母が熱狂的な宝塚好きで、男装した女性が大好きであるらしい。
社会人になる年の離れた姉もその影響を受けてしまい、一緒に宝塚に行く始末。
二人は、「本物の男性には色気を感じない、男装した女性こそが本物の男!」なんて主張する変なコンビだそうだ。
で、父親と彼は、「男って、汚い。」「男って、臭い。」「男って、野蛮で、ケモノみたい。」
としょっちゅう家庭の会話の中でいうもんだから、父子そろって、落ち込んでいるようだ。
じゃあ、何故、両親が結婚したのか不思議なのだが、どうも、結婚後、母親の宝塚好きが始まったからみたいだ。それまでは普通の女性だったというからわからない。
子供のころから、男の悪口ばかり聞かされた小泉は、女性に対して自信を喪失してしまい、女性を好きになることができなくなってしまった。
そして、性格も口が重いタイプで、女性とうまく話せない感じで、中学時代は女子との交流はほぼゼロだった。
所属していた演劇部は全員男子だったという。
そして、もう一人のクラスの演劇部員、伊藤幸喜だが、彼も中学の演劇部出身だった。
小泉と違って、中学の時は、彼以外は全部女子で、女子と仲良くやってきたはずだと思ってたら・・・
彼は、中学3年で引退するまでは、けっこう太っていて、背が低かったという。
女子部員から「キモイ」「何でそんなに太ってるの?」などと、言われ、けっこういじめられたらしい。
女子部員はサッカー部のイケメン男子に夢中だったみたいで、もさっとした伊藤は、男子として物足りないと感じ、標的になったようだった。
彼は傷つきまくっていたのだが、演劇が好きだったので、何とか3年生まで部活を続けた。
大道具、小道具などの裏方とかを一生懸命引き受けたらしい。
便利な存在だったので、女子部員のいじめはそれほど悪化はしなかったが、容姿のことは時々指摘され辛かったみたいだ。
結局、彼は、中学3年の後半から急に背が伸び、肥満も解消し、そこそこのイケメンになったのだが、そのころには卒業直前だったわけで、モテる経験なしのままで高校進学となった。
女性苦手意識が強いまま高校に進学してしまったという流れになる。
俺は、和音と相談した。
「うーん、女子校といろいろ合同行事あるし、何とかしないといけないよね。
たぶん、女の子そのものより、集団でいる女の子のパワーが怖いんだと思う。
女子って、複数で男性を責めるからね。夏の合宿までには女性恐怖症直してあげないと。」
和音がそう主張した。
俺も、
「そうだな。女子校とはいろいろ仲良くやっていきたいから、小泉と伊藤が複数の女子と普通に話せるようにならないとな。合宿までには直さないとな。
それに、高校生だから、恋愛とかできないと寂しいよ。若いんだから。」
と答える。
「あれ、良太、恋愛する気満々なんだ。
女子校の女の子狙ってるの?
へえーっ。」
和音がちょっとイラっとしたような声を出す。
ええっ?焼きもち焼いているのか?
和音は男だろ?これから女性になっていくのはわかるけど、俺が誰を好きになろうと勝手だろ?
と言いたくなったが、そこは腹にぐっと力をいれて、我慢する。
こいつは、心が女なんだ。
だから、仲のいい俺が、女子校の女子と恋愛しようとしたら嫌かもしれない。
うーん、どうやってごまかそう。
難しいな。
「俺は・・・」
「俺は?」
「俺は、演劇にすべてをかけるから恋愛とかしてる暇はないよ。
それに、和音みたいな可愛い子が近くにいると、女子校の女の子には興味を持たないかもな?」
自分ながら、わざとらしい言葉である。でも、半分は本気だ。
和音がどれだけ女性に変化していくか?楽しみでもあるんだ。
今でもけっこう可愛いのに、女性ホルモンの投与で、どうなっていくかワクワクしてしまう。
生まれながらの女の子より、興味がある。
「そ、そう?
お世辞でしょ?
ま、確かに、全国大会にいきなり出場だからね。
浮ついているわけにはいかないよね。」
和音はちょっと嬉しそうだった。
機嫌は少しよくなっていた。
よかった。
「そうだ。小泉君と伊藤君には、風歌に会ってもらおうよ。
風歌に女の子を連れてきてもらうっていうのはどう?
まずは、女子に慣れてもらうっていうのがいいと思う。」
「おお、そうだな。
愛想のいい風歌なら、女子友達としてはうってつけだ。
あと、他にも2人くらい連れてきてもらって、女子恐怖症を直してもらおう。」
俺たち、お節介だなあ。
そう思いながらも、面白そうだなって思う俺。
「じゃ、和音、風歌に話しておいてくれ。
よく連絡とりあってるんだろ?」
「わかった。任せておいて。
そういえば、風歌も彼氏欲しいって言ってたなあ。
小泉君、伊藤君だとちょっとタイプ違うから、誰か探さないと。
うーん、いろいろ気を使うなあ。
風歌には素敵な男子みつけたいなあ。」
「そうだな。だけど、風歌なら俺たちが心配しなくても、モテるから自然に彼氏できるんじゃないか?」
「そうでもないよ。女子校に入ったから、やっぱり出会い少ないよ。
やっぱり、紹介とか大事だよ。」
和音は他人の恋愛にはかなり興味あるようだ。
自分のことは考えないのか?
やっぱり、俺のこと・・・
まあ、深く考えないようにするか。
新しいキャラを作ると、古いキャラを忘れてしまいます。困ったものです。
新一年生は、みんな個性的です。




